2014年1月11日 (土) 掲載

◎筆に思い込め 松前で児童ら書初め

 【松前】「第10回金子鴎亭記念松前町児童生徒書初め席書大会」が10日、松前町民体育館で開かれた。町内の小中高生ら約165人が参加。今回は10回目の節目とあり参加対象を大人まで広げ、多くの町民が日本古来の伝統「書」に触れた。

 町出身の書家で近代詩文書の父と呼ばれる金子鴎亭氏(1906〜2001年)の業績を思い、書の町としても活動する郷土「松前」に親しみを持ってもらおうと、「文化の香り漂う書のまちづくり推進協議会」(木村清韶会長)が主催している。

 小中高、大人とそれぞれの部で「生」や「城下通り」、「山車行列(行書)」、古典の臨書などの課題語句が与えられ、参加者は精神を筆に集中させ作品をしたためていた。審査では各部から、特選、金賞、銀賞、銅賞が贈られ、特選受賞者の中から金子鴎亭賞など5部門の賞が決まった。(小杉貴洋)

 各賞受賞者は次の通り。(敬称略)

 ▽金子鴎亭賞=吉田朱伽(松前中2年)▽教育長賞=川原里帆(松城小6年)▽協議会会長賞=小野寺快翔(同3年)▽町長賞=東館幸那(松前高2年)▽審査委員長賞=鍋谷双葉(同2年)



◎軟白ネギ 出荷本格化

 JA函館市亀田管内で、ハウス栽培の軟白ネギの収穫・出荷が本格化している。白根が長く、甘くて軟らかいネギは鍋物などにぴったりだ。

 函館市桔梗2の泉宗伯さん(35)方では、約230平方bのハウス6棟で栽培。昨年7月下旬〜8月上旬に定植し、同12月から出荷を始めた。単価がいい成人式のころに向けて、現在は日量25〜30ケース(1ケース6`入り)を送り出している。出荷は4月まで。

 暖房を使って夜温を最低3度に設定、管理を徹底し「病気の発生もなく、生育は順調」と泉さん。白い部分は約40aあり、黒いフィルムで遮光して作る。泉さんは「鍋物はもちろん、辛みが少ないので酢みそにしてもおいしい」と話す。

 道南の軟白ネギ産地は八雲や今金が有名だが、少雪で気温も高い函館・近郊は、さほど経費をかけずに生産できる。同JA管内では5戸が取り組んでいる。(山崎大和)



◎13年度上期 観光客数 渡島6.6%増695万人 桧山も0.6%増

 渡島総合振興局と桧山振興局は10日、本年度上期(4〜9月)の観光入り込み客数を発表した。渡島管内は前年比6・6%増の695万2000人で、東日本大震災で落ち込んだ2011年から2年連続で増加。桧山管内は前年同期比0・6%増の81万1300人だった。

 渡島総合振興局によると、GLAYコンサートなど大型イベントが続いたことや、函館—台湾の国際定期便が好調だったため、大きな伸びとなった。

 道内客は7・2%増の364万4000人、道外客は6%増の330万7000人。月別では、4月から9月のすべての月で前年を上回り、特に9月はイベントの来場者増などで前年の10%増となった。

 市町別では、全体の46%を占める函館市が7・1%増の325万2000人。7月以降、JRの特急出火事故の影響で運休があったものの、函館ハーフマラソンや函館競馬長期開催などで集客があった。函館市のほか、七飯町や北斗市、松前町など6市町も前年を上回り、七飯町はファミリー層でのレンタカーパックが増加。松前町は9月のマグロ祭りの入り込み客数が前年から倍増。北斗市はスポーツ合宿の団体数が増加した。

 福島町、森町など4町が減少し、長万部町はJRの事故の影響を受けた。

 桧山管内は、今年5月に廃線となるJR江差線木古内—江差間の利用者増で、江差など沿線各町の入り込み数が増えた。道内客が同0・4%減の67万6200人、道外客が同6%増の13万5100人。

 町別では、江差が同2・1%増の34万7800人、せたなは同3・5%減の15万5500人。厚沢部は8万5400人で前年と同じ。夏季は天候不順の日が多く、管内5カ所の海水浴場は全地点で減少した。

 江差は、定期観光バスの運行期間の延長や江差線廃線ツアーなどが好材料となったが、一方で道内中学校の宿泊研修が減少。厚沢部は6〜8月の土日・祝日の多雨、道の駅改修工事中などが影響した。(鈴木 潤、田中陽介)


◎9月に2市4町で北海道障害者スポーツ大会 道南で12年ぶり

 身体障害者と知的障害者が参加する全道最大規模のスポーツイベント「第52回北海道障害者スポーツ大会」が今年9月、函館市や北斗市など道南の2市4町を会場として開催されることが決まった。渡島地域での開催は2002年以来12年ぶり5回目で、9月7日に各市町で一斉に競技が行われる。

 同大会は道障害者スポーツ振興協会などの主催で1963年から始まり、各振興局の持ち回りで管内の市町村が共同開催している。今回は600人の選手の参加を予定し、2市のほかに、木古内、七飯、鹿部、森の4町が開催地となっている。

 実施競技は、身体障害者と知的障害者の2部門に分かれた個人2競技、団体5競技の計7競技。陸上競技、車椅子バスケットボール、バスケットボール、サッカー、ソフトボール、フットベースボールの6種目で、それぞれの能力を競う。

 10日には、1回目の会合が渡島合同庁舎で開かれ、各市町から約25人が出席。実行委員会の設置を決め、函館市保健福祉部の種田貴司部長を委員長として選出した。

 委員会では基本方針や予算について協議したほか、前大会まで実施していたシンボルマークとスローガンの公募の廃止を決定した。

 種田委員長は「渡島管内の市町の力を合わせて大会を成功させたい」と意気込みを語っていた。(柏渕祐二)