2014年1月14日 (火) 掲載

◎みそぎ祭り開幕

 【木古内】町の伝統神事「第184回寒中みそぎ祭り」が13日、開幕した。祭りの始まりを告げる参籠(さんろう)報告祭が佐女川神社(野村広章宮司)で行われ、真冬の厳しい鍛練に励む4人の行修者が水ごりに挑む姿に多くの観客から拍手が起きた。

 社殿では野村宮司による祝詞の奏上や関係者が玉串をささげる神事が執り行われ、祭りの成功を祈願した。その後、下帯姿の行修者が石段を降り、境内で水ごりをして体を清めた。始まった午後7時ごろの気温は氷点下4度。雪も降り続く中、力強い掛け声とともに冷水を浴びる体からは湯気が上がり、鍛錬の厳しさを伝えていた。町内の女性は「寒さに耐えて頑張っている姿に感銘を受けた」と拍手を送っていた。

 行修者は別当の藤原哲朗さん、稲荷の宮下知哉さん、山の神の高橋駿さん、弁財天の目時基史さん(いずれも22)の4人が務める。14日は午後5時半ごろから「みそぎ行列」がスタート、同神社境内でみそぎ太鼓の演奏や冨まき(餅まき)などが行われる。最終日の15日は午前11時50分ごろ、行修者がご神体を持って海に入る「海中みそぎ」でクライマックスを迎えるほか、各種イベントも開催される。 (小杉貴洋)



◎函館にご当地ヒーロー「イカダベッサー」誕生

 道南在住の有志の手により、函館の魅力や食の大切さを発信するご当地ヒーロー「イカダベッサー」が誕生した。メンバーで考えた函館ならではのキャラクターや手作りの衣装、キレのある動作など見どころ満載。「近くで触れ合えて、子どもたちに喜んでもらえるような取り組みを考えている。交流を通じて函館を盛り上げたい」と、本格的な活動に向けて準備を進めている。

 30〜40代の子育て世代の有志約10人が集まり、自営業島村哲也さん(41)を代表に昨年9月に製作委員会を結成。何度も話し合いを経て、12月中旬に「函館の街の平和と食を守る正義のヒーロー、函館鮮士イカダベッサー」が生まれた。

 「鮮度抜群、地産地勝!」を口上に、函館のおいしい食べ物を狙っている「宇宙密猟団ナマラホイド」と戦いを繰り広げ、改心させる。方言を取り入れた「ジョッピンカッター」など、特色ある技を持つユニークなヒーロー。

 衣装は身近な素材を活用したメンバーの手作り。函館名物「イカ」をモチーフにした装飾や、市章「巴」とイカを合わせたマーク、胸には五稜の星を輝かせるなど、豊富なアイデアが詰まっている。敵役の戦闘員「ホイドリアン」も仕上がっており、こちらは唐草模様のヘルメットに怪しげな動きが特徴的だ。

 ヒーローを通じて「食の大切さや郷土愛を培ってほしい」という願いもあり、食育をテーマにした子ども向けの紙芝居なども制作。今後は主題歌や動画など幅広く取り組んでいくという。島村さんは「函館の魅力を発信していく一員として積極的にイベントなどに参加していきたい。まだ生まれて間もないが、愛され、親しまれるヒーローを目指したい」と話していた。問い合わせはホームページ(http://ika−dabesser.com/)へ。(虎谷綾子)



◎函館市成人祭、2352人が大人の仲間入り

 「成人の日」の13日、第66回函館市成人祭(市、市教委、実行委主催)が函館市民体育館で開かれた。晴れ着やスーツに身を包んだ新成人約1300人が笑顔で喜びを分かち合い、大人としての第一歩を歩み出した。

 本年度の新成人は1993年4月2日から94年4月1日までに生まれた人で、該当者は2352人(男性1169人、女性1183人)。  式典で工藤寿樹市長は「みなさんの若い力で函館の町を元気にしてもらいたい。これからの人生の中でチャンスは何度かある。それに挑戦し、チャンスをものにする力強い人生を歩んでいただきたい」とあいさつ。新成人を代表して、藤枝直哉さん(20)と金澤裕美さん(20)が「先人が培ってきた伝統や文化を守り、函館市の発展に努めることを誓います」と誓いの言葉を述べた。

 また、道教育大函館校モダンダンスクラブのメンバーがダンスで会場を盛り上げ、その後の祝賀行事では、模擬選挙や大抽選会などが行われた。新成人は懐かしい友人たちと記念写真を撮ったり、思い出話に花を咲かせたりして旧交を温めていた。

 抽選会で1等旅行券5万円分を当てた札幌市内の専門学校に通う中山凌平さん(20)は「帰ろうとしていたところで当選して驚いています。旅行券は母と祖母にプレゼントしたい。少しずつ親孝行ができる大人になりたい」と話した。(平尾美陽子)


◎デートDV防止へ研修会

 交際中の相手から暴力などを受ける「デートDV(ドメスティック・バイオレンス)」の防止や性教育について考える研修会(渡島総合振興局、渡島教育局主催)がこのほど、道立函館高等技術専門学院(桔梗町)で行われた。被害者支援に当たる専門機関の職員や教職員ら約100人が受講し、被害の実情や予防教育の必要性について認識を共有した。

 毎年定期的に行っている研修会で、今回は若年層への啓発を展開していこうと、学校の教職員を交えて行った。

 最初にDV被害者支援に当たるNPO法人「ウィメンズネット函館」の古川満寿子理事長が講演し、夫婦間で起きる暴力を防止するにはデートDVの予防教育が重要と指摘。同法人で取り組んでいる予防講座の内容を紹介しながら実際にロールプレイ(役割演技)も実演し、デートDVの具体例を示した。

 DVは身体的な暴力だけでなく金銭や心的、性的にかかわる暴力も含まれるとし、「力の差があるところに差別や暴力が生まれる。DVを受けると当たり前に生きる権利が失われ、暴力を1人で我慢すると自信を失い、自分を大切に思えなくなる」と強調。被害者から相談を受けたときは「暴力を受けたのはあなたのせいではないと伝えて。別れ際が危険なので、安易に別れなさいと言わずに本人の意思を尊重しながら対応を」と呼び掛けた。

 このほか、2012年10月に開設された性暴力被害者支援センター北海道(さくらこ)の小野寺るみ子センター長がこれまでの相談状況を説明。これまで227件の相談があり、被害時の年齢は半数以上が10代、10歳未満だったとした。 (鈴木 潤)