2014年1月16日 (木) 掲載

◎過去5年で最多162万人 昨年の函館空港

 函館空港の2013年1〜12月の乗降客数が前年比9・2%増の162万9527人となり、過去5年で最多となったことが国土交通省函館空港事務所のまとめで分かった。国内線はイベント効果が表れたほか、利用が好調な台湾・台北線が大きく寄与した格好だ。

 函館空港の乗降客数は02年の243万人がピーク。07年に200万人台を割り込み、東日本大震災があった11年には139万人まで落ち込んだ。12年は震災前の水準には届かなかったが、149万人まで戻り、復調傾向が鮮明となっている。

 1〜12月の国内線の乗降客数は同5・6%増の150万3336人。航空各社、行政のいずれも夏に開かれたGLAYの野外ライブや函館競馬の長期開催などイベント効果がみられたことが要因と分析する。全日空函館支店は「秋から冬にかけても前年を上回り、堅調に推移している」とみる。羽田線は同4・0%増の114万795人で、日本航空函館支店は「函館からはディズニー30周年を目当てにした利用客も多かった」とする。

 国際線は同1・8倍の12万6191人。12年秋から定期便の運航を始めたエバー航空と復興航空の利用が好調で、全体をけん引した。復興航空は需要増に対応するため、秋から週3便に増やした。「輸送力をアップさせた効果があった。北海道ブームは続いており、今年もマイナス要素は見当たらない」と強気の姿勢だ。

 市港湾空港振興課は「今年は昨年のような大型イベントの効果は期待できないが、利用促進に努めて好調を維持していきたい」としている。(松宮一郎)



◎学校給食アレルギー対策 市教委マニュアル策定

 函館市教育委員会は、函館市学校給食食物アレルギー対策マニュアルを策定した。配慮が必要な児童生徒に対し、保護者と学校間の協議を経て個別の対応方法を決めるほか、市は使用食材の詳細情報を提供する。学校、保護者間の情報共有を充実させ、「安心できる学校給食につなげたい」(市教委)としている。

 保健給食課によると、2012年度の食物アレルギーを持つ児童生徒は、小学校で635人、中学校で375人の計1010人で、全児童生徒の5・6%に当たる。全74校で完全給食を実施しているが、調理施設の関係上、除去食や代替食は提供していない。

 これまでは保護者の申告に基づき各学校の判断に委ねてきたが、統一の対応をまとめるため、学校関係者や医師でつくる策定会議(委員長・伊藤勝函館潮見中学校校長)で協議していた。

 新年度からは、医師の診断に基づく、アレルギーの原因物質などを記載する学校生活管理指導表を保護者に提出してもらい、学校との面談で個別対応を決定する。「医学的根拠に基づき、個別の状況や必要性に応じて、手厚い対応ができるようになる」と同課。市教委からは給食で使用する調味料や加工品などにも含まれる原因物質の詳細情報を提供する。 アナフィラキシーショックに対する自己注射薬(エピペン)は本人所持の他、必要に応じて学校内でも保管。ショック症状を起こし、本人が使用できない場合の緊急時対応として、教職員が対処できるよう、手順も記載した。

 一方で、おいしい学校給食を提供するため、地場産食材の使用拡大、食育の充実などを盛り込んだ学校給食基本方針を策定。同課は「地場の魚介類など旬の食材を旬の時期に提供するなどの取り組みを進める。工夫しながら、食育指導も進めていきたい」としている。(今井正一)



◎厳冬の海で祈り 寒中みそぎ祭り最終日

 【木古内】町の伝統神事「寒中みそぎ祭り」は最終日の15日、行修者4人がご神体を抱え厳冬の海に飛び込む「海中みそぎ」が行われた。会場には約2500人が訪れ、気迫の荒行に見入った。

 別当の藤原哲朗さん、稲荷の宮下知哉さん、山の神の高橋駿さん、弁財天の目時基史さん(いずれも22)が行修者を務めた。4人は13日から3日間、佐女川神社にこもり、昼夜を問わない水ごりで心身を清めて海中みそぎに臨んだ。

 この日の気温は氷点下7度、海水温も7度(午前11時現在)。大漁旗を掲げた漁船や多くの観客に見守られ、みそぎ浜に到着した行修者はご神体を清めるため気合の掛け声とともに冷たい海水を掛け合い、豊漁豊作を祈願した。

 海から上がると最後の水ごりに挑み、4年間の大役を果たした藤原さんが何度も水をかぶると歓声に包まれた。抽選会などが行われた特設ステージや飲食ブースなどが用意された会場では、町特産のあか牛を使った「はこだて和牛魅了フェア」も開催、焼肉やサイコロステーキ、こうこう汁などに人気が集まっていた。

 函館市内から友人と訪れた主婦(63)は「初めて見に来たが、海に飛び込む姿に心から感動した。来年も来たい」と話していた。(小杉貴洋)


◎受験生応援!「合格祈願砂」を無料配布 川村組土建

 函館市の川村組土建(川村宏人社長)は15日、末広町の十字街交差点で、恒例となった「合格祈願すべり止め砂」の無料配布を始めた。学問の神様・菅原道真公をまつる北斗市の矢不来天満宮でおはらいを済ませた砂で、ご利益があるよう願いを込めている。

 今年で9年目を迎えた取り組み。末広町から恵山までの国道278号の除雪や維持管理を請け負う同社が、受験生への応援と十字街の活性化を願い、実施している。

 凍結路面にまく砂で、昨年12月におはらいを済ませ、縦6センチ、横4センチのチャック付きポリ袋に入れた。2000個を用意し、十字街交差点に置いたクッションドラムの上の箱に入れている。

 高校受験の娘のためにもらいに来たという杉並町の幼稚園教諭、深澤孝明さん(43)は「本人も勉強を頑張っており、親としてできる応援をしたい。ありがたい企画です」と笑顔。

 川村社長は「お孫さんが志望校に合格したという電話などをいただいている。自分のことのようにうれしい」と話し、利用を呼び掛けている。(高柳 謙)