2014年1月18日 (土) 掲載

◎函館市全体が「過疎」指定?…人口減少率や財政力が該当 自民党が要件見直し案

 自民党は17日までに、過疎市町村の指定要件の見直し案をまとめた。2010年の国勢調査結果に基づいて人口や財政力の要件を再設定しているが、これによって函館市全体が「過疎地域」に該当する可能性が浮上している。現在は2004年に合併した東部4地域が指定を受けているが、市全体でも人口減少率や財政力指数が指定条件を満たす可能性が出ているためだ。次期通常国会に過疎法の改正案が提出される見通しで、市は動向を注視している。

 総務省によると、全国で過疎地域の指定を受けている自治体は775団体(2011年9月現在)。道南では函館市(旧戸井町、旧恵山町、旧椴法華村、旧南茅部町)、渡島管内は北斗市、七飯町、鹿部町を除く7町、桧山管内は全7町が指定を受けている。

 自民党は政務調査会で人口と財政力が軸に見直し案を検討。人口要件として▽1985年から2010年までの25年間の減少率が19%以上―など4項目を設けており、財政力では▽10〜12年度の平均財政力指数が0・49以下▽公営競技の収益が40億円以下―を挙げている。

 函館市の場合、国政調査における1985年の人口34万2540人から、10年には27万9127人に減少。減少率は18・51%と、四捨五入すれば19%に達する。また財政力指数も0・442で該当。公営競技(市営競輪)も約6億2300万円の累積赤字を抱えており、累積を含めると当てはまる形となる。ただ、市企画部は「法令の見直し案がまだ示されていないため、すべて該当するかどうか分からない」と気をもんでいる。

 市全体が過疎地域に指定された場合、ハード・ソフト事業に100%充当でき、70%が交付税措置される過疎対策事業債の対象範囲が広がり、事業実施に向けた資金調達が有利になるメリットがある。また、自民党は見直し案で、自治体所有の貸工場や火葬場、障害者福祉施設など8種類の施設整備を充当対象に追加する方針も示している。

 一方で、範囲拡大は旧4町村から引き継いだ過疎地域自立促進市町村計画(2010〜15年度)などにも影響が及ぶ見通し。同部は「範囲が広がれば計画変更も視野に入れなければならないが、現在の計画に旧市域を加えることで済むのか、新たに計画を作り直す必要があるのか、現段階では定かでない」とし、引き続き情報収集に努める考えだ。(千葉卓陽)



◎冬の味覚 ゴッコ並ぶ

 道南の冬の味覚として市民に親しまれている「ゴッコ(ホテイウオ)」が、函館市内のスーパーや鮮魚店の店頭に並び始めた。でっぷりした体つきで存在感は抜群だ。

 はこだて自由市場(新川町1)の照井鮮魚店(照井孝二店主)では、昨年末から扱う。価格は現在、恵山産1匹当たり雌が2000円前後、雄が600〜800円。照井さん(62)は「まだ量が少ないため、高値で推移。2月にかけて量が増えて価格も下がる。雌はゴッコ汁、雄は生干しして空揚げやバター焼き、ともあえにしてもおいしい」と話す。

 えさん漁協は「水揚げは日量200`ほどと少なめ。今月末〜2月初めに漁獲が増えることを期待したい」という。改行 ぷるんとした独特の食感と濃厚なうま味が特徴で、恵山地区が好漁場となっている。(山崎大和)



◎家内健康願いおっぱいまつり…知内・雷公神社で「十七夜講」

 【知内】町元町の雷公神社(大野格宮司)で17日、女性だけの祭り「十七夜講」が開かれた。乳房を模した餅「しとぎ」を神前に供えることから「おっぱい祭り」の名でも親しまれている奇祭。神事には幅広い年代の女性が参加し、今年1年の健康や家内安全を願った。

 町内にある神木「姥杉(うばすぎ)」の根元に乳房に似たこぶがあり、古くから母乳の出に悩む女性が願掛けに訪れていたということから、この神木にちなんだ祭りが行われている。

 午前中には氏子の女性たちがもち米を使って高さ約10aの「しとぎ」2つを作り、神前に供えた。午後からは社殿で町内の女性が集合し、大野宮司が祝詞や一人一人の名前を読み上げるなどの神事を執り行い、女性は玉ぐしを捧げた。

 供えられたしとぎはお神酒と混ぜ合わせ、参拝した女性に配られて喜ばれていた。参加した70代の女性は「今年は松前神楽も見ることができて良かった。いい年になりそう」と笑顔だった。(小杉貴洋)


◎会場設営 準備万端…きょうからセンター試験

 18、19の両日実施される大学入試センター試験を前に17日、公立はこだて未来大など道南の試験会場となる各大学は、会場の設営作業を行った。同大は「道路渋滞や交通機関が遅れるケースも想定し、時間に余裕をもって行動してほしい」と呼びかけている。

 大学入試センター(東京)によると、全国の志願者数は56万672人(前年度比1万2672人減)。道南は1102人(同35人減)で、試験会場は同大のほか、道教育大函館校、函館大の計3カ所。18日は地理歴史・公民、国語、外国語、19日は理科と数学が行われる。

 345人が受験予定の公立はこだて未来大では、17日午前から職員が会場の準備を開始。試験教室を示す案内板を設置したり、机に受験番号のシールを貼る作業を行った。

 センター試験は来年度、数学と理科で新教育課程に基づく試験に移行するため、旧課程としては最後の入試年度となる。来年度は経過措置が設けられるが、学習塾大手「北大学力増進会」の足立憲裕函館本部長は「入りたい大学より入れる大学へとシフトしつつあるのが今年の全体的な傾向」とし、受験生に向けては「自己採点の結果などを慎重に見極めつつ、将来のために頑張ってほしい」と話している。

 函館地方気象台によると18、19の両日とも雪の降りやすい時間帯があるものの、暴風雪になることはない見通し。(森裕次郎)