2014年1月20日 (月) 掲載

◎ふっくりんこの米粉麺が新登場

 七飯町中島の池田農園(池田誠悦代表)と、米粉麺の製造・販売業「安倫」(函館市旭町、加藤大詞代表)が、同町産「ふっくりんこ」を使った新商品「池田農園のおいしいお米で作った麺」を共同開発した。道南ブランド米のおいしさを存分に楽しめる万能麺だ。

 両者は、函館市熱帯植物園(湯川町)のサルに餌を提供している縁で出会い、コラボレーション商品が誕生した。

 ふっくりんこ、国産豆乳、道産でんぷんだけで作る。同社工場は小麦を扱っておらず、小麦アレルギーの人も安心だ。うどんやそうめんのように和風つゆで、パスタのようにトマトやクリームのソースでも食べられる。また、フォー(ベトナム料理)の麺にも合う。コメならではのもちもちとした食感と、コシの強さが人気を呼びそうだ。

 商品化にあたり、「どうなん地域わくわく協議会」(田中いずみ会長)がデザインなどの改良に協力。売り上げの一部は、被災地の子どもを応援する会「ほんわか」(田中代表)に寄付する。同協議会の伊藤知子事務局長は「ブランド米のおいしさを、いろんな形で楽しんでほしい」と話す。

 池田さん(53)は「皆さんの協力で商品が完成した。6次産業化を推進したい」と張り切っている。

 平麺と細麺があり、1個140c(約2人分)で330円(税別)。あぐりへい屋(北斗市東前)で扱う予定。問い合わせは池田農園(TEL090・6214・9483)へ。(山崎大和)



◎厚沢部で新春鹿子舞交流会

 【厚沢部】東北地方に起源があり、江戸時代から伝わる郷土芸能「鹿子舞(ししまい)」で新年を祝う、第19回新春町内鹿子舞交流会が19日、町民交流センターで行われた。林業の繁栄や五穀豊穣、無病息災などを祈る優雅な舞で大勢を魅了した。

 厚沢部町鹿子舞交流協議会(沢口一雄会長)の主催。町内の上里と当路、富栄の各保存会と美和権現獅子舞保存会が共演した。

 桧山南部地域に伝わる鹿子舞は、東北地方に起源があり「桧山」の語源にもなったヒバ(ヒノキアスナロ)の伐採が本格化した1600年代後半に伝えられたとされる。舞台では、笛と太鼓の音色に合わせてシカが勇壮に踊り跳ね、取っ組み合いのほか“道化師”が登場する場面もありユニークな振る舞いで来場者の笑顔を誘った。

 後継指導に励む美和の久保田石次さん(82)は「2年前まで一緒に舞台に出ていた。今年の交流会もにぎやかで良かった。来年の交流会に向けて、この一年も達者でいたい」。沢口会長(69)は「メンバーの高齢化や後継者不足で存亡の危機にあるが、頑張ってくれる若者もいるのでうれしい。来年は節目の20回。先人が築いてくれた伝統と宝物を皆で守っていきたい」と話していた。(田中陽介)



◎函館市、学校給食に「和食の日」導入検討

 函館市と市教委は、新年度から学校給食に「和食の日」を設ける方向で検討に入った。地元産の海産物や農産物の消費拡大を図るとともに、和食が世界的に見直されている機会をとらえ、子どもたちに対する食育の一環として取り組みたい趣向だ。

 市は2012年度の学校給食から、地場の水産加工品の活用を本格的に開始。12年度はサイコロ状にカットしたサケの冷凍切り身と、食べやすいサイズに切った間引きマコンブを献立に使ったほか、本年度は函館産のブリを使ったメニューを3回、サケを2回実施することにしており、3回分の食材費を市が負担するなど、農林水産部と市教委が連携して進めている。

 「和食の日」は、地場産食材を使う取り組みの延長線上として位置付けられる。市の農林水産概要によると、和食のだしに欠かせないコンブの生産量が5568d、約75億円(2012年)と全国トップクラスにあることや、沿岸で獲れる魚介類も豊富なことから「食材には事欠かない」と市教委。

 さらに昨年末には、ユネスコが「和食 日本人の伝統的な食文化」の無形文化遺産として新規登録を決めたことも後押しする。市教委学校給食課は「食文化を伝える意味でも、子どもたちに給食を通じて和食の良さを伝えることは有意義」とする。

 新年度に少なくとも1度は実施する方向で検討を進めているが、具体的なメニューや実施回数、食材に何を使うかなどは現段階で決まっていない。

 同課は「最近は和食より洋食が好きな子どもが多いだけに、給食でいかに良さを伝えるかが課題。栄養教諭らも含めて方法を考えていく必要がある」とする。市農林水産部も「やり方次第で、子どもたちに地元の水産物や野菜の魅力をアピールできる」と前向きで、食材加工などで協力していく方針だ。(千葉卓陽)


◎大間原発3月提訴「歓迎」、市民団体がデモ行進

 函館の市民団体「バイバイ大間原発はこだてウォーク」は19日、市内西部地区で、大間原発(青森県大間町)建設に反対する集会とウオークを行った。函館市が、3月に同原発差し止め訴訟に踏み切る意向を固めたことを受け、参加者からは歓迎する声が相次いだ。

 同団体は、これまでも市役所周辺をデモ行進するなどして、提訴に意欲的な工藤寿樹市長を応援する姿勢を前面に出してきた。呼び掛け人のピーター・ハウレットさん(58)は「市民の安全を守るという市長の仕事を全うしている。市長一人の判断ではなく、市民が後ろについていることを全国に発信したい」と声を弾ませた。

 大間原発訴訟の会代表の竹田とし子さん(64)は「いい時期だと思う。多くの市民が大間建設は困ると思っており、市として強い意思表示になる。自治体の存立を維持する権利を武器に法廷で闘ってほしい」と話した。

 集会では、福島第一原発事故から丸3年となる3月11日に、大間原発近くから風船1000個を飛ばす計画に向け、賛同金への協力を呼び掛けた。その後、約35人がベイエリアを「原発即ゼロ!」などと声を張り上げてデモ行進した。(山崎大和)