2014年1月24日 (金) 掲載

◎市長査定始まる

 函館市の2014年度予算編成が大詰めを迎え、23日から工藤寿樹市長による査定が始まった。同市長の1期目最後となる本格予算編成で、16年3月の北海道新幹線開業を見据えた活性化対策とともに、厳しい財政下で収支の均衡を図れるかが課題となっている。

 この日は市役所会議室で午前10時から査定を開始。財務部幹部が歳入歳出の見通しや、市の中心市街地活性化基本計画の中核事業として建て替えられるWAKOビルの関連予算について説明。

 新ビルの総事業費約50億円のうち、市が補助金として3年間で約12億円を支出し、新年度予算では約2億6000万円を計上するとしたほか、同ビル3、4階に「はこだておもしろ館」や「子育て世代活動支援プラザ」を整備するための保留床購入費として3年間で14億円を見込み、新年度は約6億1000万円を計上すると説明した。

 工藤市長は査定に当たり、「北海道新幹線開業につなげる年として、これまでの計画や設計したものが表に出てくる。将来への希望が現れてくる年にしたい」と期待を込めた。

 一方で、2012年に策定した新行革プランでは、14年度予算から基金に頼らない財政運営を打ち出している。同市長は「1997年度から赤字予算が続いており、18年ぶりの収支均衡予算を目指していく。メリハリのついた予算編成をしていきたい」と述べた。

 査定は29日までの予定で、2月12日に新年度予算案を発表、同27日開会予定の定例市議会に提案する。(千葉卓陽)



◎北斗出身・佐藤まなさん、札幌龍谷高ダンス部で活躍

 北斗市出身で、札幌龍谷高校(上山功夫校長)2年の佐藤まなさん(17)が、同校ダンス部(寺下香奈顧問、部員30人)の部長として活躍している。3月には千葉県幕張市で開かれる全国大会に出場する。「全国優勝するチームにしたい」と士気を高めている。

 北斗市内のダンス教室に通い始めたのは小学4年から。6年の時「もっと上手になりたい」と函館市のスタジオ「Rダンスカンパニー」(山崎理恵主宰)に通い始めた。高校でスキルアップしようと同校を見学。ダンス部のレベルの高さと規律の良さを感じ、父敏彦さん(49)の薦めもあり、進学を決意した。

 入部時は「ライバルが多く、ますます自分を高めようと思った」と振り返る。部活以外でも、舞台鑑賞や都会の生活が刺激になり、精神的にもたくましくなった。1年からレギュラーで、7月に東京で開かれた「全国高校ダンスドリル選手権大会」(NPO法人ミスダンスドリルチーム・インターナショナル・ジャパン主催、高文連など後援)ヒップホップ男女混合ミディアム部門で優勝。喜ぶと同時に「周りを見て自分たちに足りないものに気付き、これを持てるにはどうすれば良いのかを考えた」と言う。

 同部は、前身のバトントワリング部から約30年の歴史があり、約10年前からヒップホップで活動している。部長は代々、引退する先輩が指名するが、今年は佐藤さんが満票で選ばれた。寺下顧問も「佐藤は努力家。入部時から一生懸命だったが、部長になってからは後輩からの質問に即答できるように、また努力を重ねている。部員に対する生活指導も的確」と信頼する。

 練習は日曜日以外、約2時間半行う。間もなく道内予選を勝ち抜いて出場する「オール・ジャパン・チアリーディング・アンド・ダンス・チャンピオンシップ・ナショナルズ 2014」(ユナイテッド・スピリット・アソシエーション主催)のヒップホップ部門(高校編成)に向け、外部講師からの振り付け習得に入る。「最近、全国優勝がないので、自分が部長となった大会で制覇したい」と意気込む。

 札幌で一人暮らし中で、大会出場に着用する衣装の直しも自分で行う“ダンス漬け”だ。Rダンスカンパニーの山崎さんは「頑張り屋で負けず嫌いだが、力みすぎず、リラックスして大舞台を経験してほしい」とエールを送る。

 将来は地元に帰り、指導者になることを夢見る。「札幌に来ることを許してくれた親のため、ここにいる時間はむだにできない。ダンスは自分のすべて。生活が掛かっている」と力強く言い切った。



◎活締めマダラで料理教室

 えさん漁協海峡日浦船団が津軽海峡で水揚げしたマダラを使用した料理教室(函館農水産物ブランド推進協議会主催)が23日、市総合保健センターで開かれた。市民29人が同漁協日浦支所の女性部員の指導で、三平汁やムニエル、昆布締めなどを作り、地場産の新鮮な味覚を堪能した。

 11隻が所属する同船団は十数年前から一本釣りにこだわり、マダラはすべて船上で活締め。100`の水揚げで7〜8本ほどしか上がらない4`以上のマダラを、昨年11月から「海峡日浦船団一本釣り活〆真鱈」のブランド名で売り出している。

 ブランド品の出荷は今月10日で終了し、東京の日本橋三越本店で販売するなど高い評価。同漁協理事の成田力さん(48)は「価格に結びついたわけではないが継続は力なりを信じてやっていく。地元の人にももっと食べてほしい」と話す。

 料理教室は、活締めマダラの消費を地元で拡大しようと企画、女性部員12人が講師を務めた。22日に水揚げしたマダラをほぼ余すところなく調理。胃袋(チュウ)や肝、エラなどをみそであえる「チュウあえ」も紹介した。東二二子(ふにこ)部長(58)は「生きがいいので手を掛けずに食べられる」と話していた。

 参加した市内富岡の山岡武子さん(74)は「女性部の皆さんの下ごしらえがあったのでスムーズに調理ができた。三平汁もおいしく、新鮮さが違う」と話していた。(今井正一)


◎大沼で氷の切り出し始まる

 【七飯】来月1、2日に開催される「第48回大沼函館雪と氷の祭典」(実行委主催)など町内の冬のイベントで使用する氷の切り出し作業が23日、大沼の湖上で始まった。今年は約1700枚の切り出しを予定。作業は28日ごろまで行われる。

 作業は午前9時から始まり、あらかじめつけられていた60a四方の溝に沿って電動のこぎりの刃が入れた。厚さ29a、重さ約90`の氷を次々と切り出し、湖に浮かぶ氷を作業員が専用の氷ばさみを使って岸辺まで移動した。

 切り出した氷は、同祭典で楽しめる長さ28bのジャンボ滑り台やアイスカービングに利用するほか、「大沼・寒感カフェ&アクティビティ」「第3回ななえチビッコ雪まつり」でも使う。

 同祭典の金子康介運営委員長は「氷の厚さが心配だったが、いい状態に仕上がっている。今日からは会場に長さ7bの滑り台も設置したので、大勢の人に楽しんでもらえるイベントにしたい」と話していた。(柏渕祐二)