2014年1月25日 (土) 掲載

◎福島の女性が「病送り」、1年の健康祈願

 【福島】地域の女性たちが無病息災を願う「病送り」が24日、町白符の白符地蔵堂で行われた。22日から3日間にわたる神事に約15人の女性が参加。最終日には近くの海岸に出向いて直径約3メートルの木製の数珠を円になって回しながら念仏を唱えたほか、願掛けをした供物を海に流して1年の健康を祈った。

 女性たちが守ってきた地蔵堂は1982(昭和57)年に住民の寄付により建て替えられ、内部には三体の地蔵と十三仏、先祖の位牌が祭られている。

 古くから続いている病送りは、毎年この時期に行われている。三体の地蔵に履かせるわらじやお供え物に「健康に過ごせるように」と願いを掛け、海に流して健康祈願した。巨大な数珠回しは死者を弔う意味合いがあるといい、数珠に1つだけある大きな玉を体の不調部分に当てると良くなるという言い伝えも残されているという。

 この日は雪に雨が交じるあいにくの天候だったが、参加女性は真剣な表情で神事を執り行った。町白符の木田シゲさん(84)は「これからもできる限り参加していきたい」と話していた。(小杉貴洋)



◎旧公会堂で消防訓練

 26日の「第60回文化財防火デー」に向け、函館市の旧函館区公会堂(大西正光館長)で24日、消防訓練が行われた。市消防や公会堂職員ら約40人が参加し、火災発生時の対応を再確認して防火意識を高めた。

 旧公会堂は市の重要文化財。東側管理棟からの出火を想定した訓練で、火災を報せるベルが鳴り響く中、職員は初期消火や避難誘導などを実践。館内にいた客と従業員の避難を確認した後、市消防職員、団員による放水訓練に移った。タンク車など4台が出動し、団員6人を含む18人が建物の左右に分かれ放水作業に当たった。

 訓練を終え、北消防署の長野靖司消防司令は「発見から初期消火、客の避難誘導、消防への通報などスムーズにできていた」と話し、大西館長は「日ごろから火災の無いよう、禁煙や火の取り扱いへの注意を怠らないようにしてきた。今まで火災が起きたことのない建物なので、今後も守っていきたい」と気を引き締めていた。(虎谷綾子)



◎市電らっくる3号車の運行開始

 函館市企業局交通部は24日、超低床電車「らっくる号」の新車9603号車の営業運行を開始した。初便には多くの市電ファンが押し寄せ、満員のまま湯の川—函館どつく前間を往復した。

 らっくる号は4年ぶりの導入。カメラを構えた市電ファンが見守る中、電光表示に「9603号車デビュー どうぞよろしくお願いいたします」と書かれた車両が午前9時40分ごろに駒場車庫前を出発した。

 湯の川電停まで回送で走行した後、「らっくる、GO!」の掛け声で営業運行を開始。「みなさまのご愛顧で3台目の導入ができました」とアナウンスが流れた。

 先着100人に用意した記念乗車証明書は湯の川から駒場車庫前までの間にほぼ配布が終わる人気ぶりで、偶然乗り合わせた市民も込み合う車両に驚いた様子だった。初便のダイヤが記載された運行指示票や缶バッジなど、デビュー記念グッズも車内で販売され、計3万6000円を売り上げた。(今井正一)


◎大妻高生と同窓生、餅つきで新校舎完成祝う

 函館大妻高校(池田延己校長、生徒435人)は24日、同校で家政科3年・家政コースの28人を対象に、特別授業「餅つき」を行った。講師に同窓生11人を迎え、和気あいあいとした雰囲気で交流を深めた。

 今月から本格的に使用を始めた新校舎の完成を祝おうと企画。生徒たちは大先輩に手ほどきを受けながら、てきぱきと作業を進めた。ついた餅は、雑煮やきな粉餅にして全員で堪能。卒業生の相馬秀子さん(80)は「孫のような年代の生徒たちだが、とても楽しい時間を過ごせました」と笑顔。同コースの佐藤加菜さん(17)は「卒業生の皆さんはたまに来て下さっているので、きょうも仲良くできてうれしかった」と話していた。

 また、ついた餅の一部を紅白餅にした生徒たちは、26日に介護福祉士の国家試験を控えた福祉科3年の教室をサプライズ訪問。「試験頑張ってね」と思いのこもった餅をプレゼントした。3年間を同じ学びやで過ごした同級生からの思わぬエールに、涙が止まらない福祉科の生徒も。家政コースの町出麻里菜さん(17)は「すごく喜んでもらえて、つくって良かったです」と話していた。(森裕次郎)