2014年1月27日 (月) 掲載

◎上ノ国で「食遊祭」鍋料理でポカポカ

 【上ノ国】地元の農水産物を生かした鍋料理などを並べる「第7回かみのくに食遊祭」(上ノ国町観光協会主催)が26日、町民体育館で行われ、1200人が来場し、にぎわった。

 町内外から21店舗が自慢のメニューを用意。農協女性部のお汁粉や焼肉店のキムチ風味の特製鍋のほか、上ノ国ならではのホッケのすり身汁やフルーツポークコロッケ、アワビご飯なども人気で次々と売れた。

 和太鼓と上ノ国・江差の両中学校吹奏楽部の音楽ステージでは、大きな拍手が起きた。食べた料理の器で投票する「味くらべ総選挙」は、町内の居酒屋美里の牛筋の黒コショウ煮込みが1位に輝いた。特産品が当たる抽選会も好評だった。

 家族3人で来場した江差町の従二谷(じゅうにや)理緒ちゃん(5)は「カボチャのプリンがおいしかった」。今年5月に廃線となるJR江差線を利用し来町した函館市の公務員男性(40)は「鍋料理とコロッケともにしっかりとした味でおいしい」と満足の様子だった。(田中陽介)



◎「世良秘安神社」じわり人気

 受験シーズンが本格化する中、障害者の就労を支援するNPO法人「セラピア」(函館市亀田町20、平田聡理事長)内にあるミニチュア神社「世良秘安(せらぴあ)神社」が、じわり人気だ。製作した学生がお参りしたところ、念願の教員になったというご利益もあり、合格祈願に良いとされるスポットとして注目度が高まっている。

 4年前から設置しており、ボランティアに来ていた道教大函館校大学院生が手作り。中学校の技術教員を目指していた院生は工作が得意で、100円均一ショップでそろえた材料を使った。木工で作った瓦屋根や、さい銭箱は本物そっくりで、しめ飾りもある。

 平田さんによると、院生は就職が決まっていなかったが、参拝後に教員採用通知があり、十勝管内の小学校に赴任したという。

 同神社の縁起物として生まれたのが「絵馬クッキー」。「合格祈願」などの絵馬を張って1個20グラム(4枚入り)100円で販売中だが、本州のお客からの要望で箱入り(6個入り840円)を開発。箱に入れることで地方発送してもクッキーが割れずに済むと好評だ。クッキーの一部は神社内に入れて願掛けも。販売は3月末まで。

 平田さんは「何か良いことがあるかもしれないので、気軽に立ち寄ってお参りしてほしい」と話す。

 午前10時〜午後6時。土・日曜、祝日休み。問い合わせはセラピア(TEL0138・45・1287)へ。(山崎大和)



◎スマートアグリ 森町に研究拠点

 渡島総合振興局は、オランダに倣った「日本型スマートアグリ(ハイテク農業)」の研究拠点を、森町濁川地区に整備する計画を進めている。施設園芸の暖房に地熱を利用した先進地に、モデル実証ハウスを設置してトマト栽培を検討。TPP(環太平洋連携協定)交渉をにらみ、より生産性を高め、競争力のある農業を目指す。

 スマートアグリの研究拠点は道内で初めて。手始めに、2月4日に濁川活性化センターでシンポジウムを開き、産学官の研究会設置を提案。シンポには開発局や道、JA、北海道電力函館支店、道総研道南農試などから総勢50人が参加する予定で、設置後は基礎調査を行う。

 モデルハウスはオランダで開発された連棟型温室を想定。太陽光を取り入れた植物工場で、1〜2ヘクタールに約10棟(1棟当たり高さ6メートル、幅20メートル、奥行き100メートル)が連なる。熱源に地熱を使い、水や温度、湿度などは全てパソコン管理する。

 栽培実証を経て、同じ形での生産団地をつくり、作物の輸出可能性を探る。生産者が団地に移行することで、空いた農地を再編して水田や野菜の団地化も視野に入れる。

 モデル施設は、実習生や新規就農者の研修・雇用の場としても位置付け、担い手育成につなげる。

 同地区では、北電森発電所が1982年に運転を始め、83年から地熱を施設園芸に利用。しかし、配管施設の老朽化や担い手の高齢化、労働力不足などの課題があり、地域農業の将来が危惧される。ハウス土耕主体では限界に来ており、渡島農業改良普及センターの試算では遊休農地が122ヘクタール(2011年)に対し、何も手を打たないと15年後の26年には214ヘクタールに拡大。このため、地熱という条件に恵まれ、栽培技術も高い同地区でのスマートアグリ構想を考案した。

 ただ、事業開始時期や期間、財源となる補助金の活用については決まっていない。濁川を成功事例として、道内の多様なエネルギーに対応した他地域へ普及を図っていく考えだ。

 同振興局農務課の奥博嗣課長は「濁川地区の人たちが納得すれば、現在の土耕から、より生産性の高い植物工場へ移行していく。農業生産だけでなく、付随効果により農村の活性化にも結び付けたい」と話している。(山崎大和)


◎北方領土返還運動に協力を、期成同盟渡島地方支部

 北方領土復帰期成同盟渡島地方支部(村上幸輝支部長)は、特別啓発期間(1月21日〜2月20日)に合わせ、今年も管内市町の訪問や署名活動、パネル展などを展開し、返還要求運動への協力を求める。

 期間中はFMいるかでのCM放送や支部のホームページなどで広報。2月7日の「北方領土の日」にイトーヨーカドー函館店で、同9日は八雲町の「八雲やむいべや祭り」会場で署名活動をする。管内市町の役場や協力団体も訪問する。

 パネル展は2月3〜13日に渡島合同庁舎1階、同17〜21日に函館市役所1階でそれぞれ開催する。日露首脳会談や返還要求運動、北方4島の島民の生活を紹介するパネル約20枚を展示する予定。

 同支部の村上幸義事務局長(39)は「2月のソチ五輪で日露首脳会談が調整されている。領土返還は簡単にはいかないが、両国の安定政権のもとで交渉が前進してほしい」、協力員の阿相忠佑さん(33)も「多くの人と対話していると、運動への理解を強く感じ、大きい声になる手応えを感じている」と話し、協力を呼び掛けている。(高柳 謙)