2014年1月3日 (金) 掲載

◎函館八幡宮で騎馬参拝

 函館市谷地頭町の函館八幡宮(中村憲由樹宮司代務者)で2日、境内に向かう急斜面の石段をドサンコ馬が駆け上がる「騎馬参拝」が行われた。雪がちらつく中、5頭のドサンコ馬が石段を軽やかに駆け上がり、午(うま)年の始まりに躍動する姿を披露した。

 同市東山の「函館どさんこファーム」(池田茂代表)が、ホーストレッキングの安全を願い、北海道の開拓に活躍したドサンコ馬の歴史や文化を知ってもらおうと1999年から実施し、今年で16回目。

 騎乗者は、武者装束に烏帽子(えぼし)姿で馬にまたがって正午にスタート。初詣の参拝客から「頑張れ」と声援を受けた馬たちは、騎乗者から「ハイ、ハイ」と声を掛けられながら、ひづめの音を響かせて134段ある石段を登り切り、参拝客から大きな拍手を受けていた。拝殿前でおはらいを受けた後は子どもたちを馬に乗せて記念撮影するサービスも行った。

 池田さん(60)は「今年は景気も少しずつ上がるように願いを込めて、一段ずつ石段を踏みしめて上った。ドサンコ馬も年々減っており、少しでも歯止めをかけたい」と話していた。(千葉卓陽)



◎道南唯一の装蹄師・小松さん 変わらない馬への愛着

 【七飯】七飯町峠下の小松美智也さん(48)は、道南でただ一人開業している装蹄師(そうていし)だ。馬の脚の専門家として依頼を受けて全道各地を回り、道外から仕事が舞い込むことも。馬への愛着と職人としての誇りを胸に、馬と向き合っている。

 装蹄師は、古い蹄鉄を外し、削蹄(爪切り)、そして新しい蹄鉄を取り付ける。蹄鉄は長くて2カ月、早くて1カ月で付け替える。人間に靴を履かせるのと同じで、けがの予防や運動をするために足回りのケアは重要。競走馬だと、レース結果を左右する可能性もあるという。

 小松さんは実家で馬を飼っており、装蹄作業を見て育った。18歳で弟子入り、2人の親方から見聞きして技術を習った。7年半の修行を経て独立、2級認定装蹄師の資格を持つ。

 小松さんが手掛けるのは主にばん馬。ばん馬といえば、帯広市が通年開催しているばんえい競馬があるほか、道南でも北斗市や森町、厚沢部町などで草ばん馬大会が盛ん。馬の飼育頭数は減っているが、こうした地域需要に応えている。道外では、京都まで出張した経験もあるという。

 作業は馬を枠に入れ、脚を持ち上げて行う。体重が1トン以上あるばん馬に蹴られると命を落とすこともあり、いつも危険と隣り合わせだ。「馬が暴れそうなときは、経験と勘で対応できる」と小松さん。「馬が好きだし、外に出掛けていってお客と会話できるのが楽しい」と話す。

 中腰で作業し体力もいる。それでも「仕事が終わって、お客から喜ばれるのが何よりうれしい」と職人の顔を見せる。午(うま)年を迎え、「馬がいる限りは、この仕事を頑張っていきたい」と決意を新たにしている。(山崎大和)



◎市内百貨店で初売り

 函館市内の主要百貨店では2日、初売りが行われ、「福袋」などを買い求める多くの客でにぎわった。

 今年で五稜郭移転45周年を迎える丸井今井函館店(本町32)では計約4000個の福袋を用意。開店前から長蛇の列となり、午前8時50分の開店とともに約600人が来店する盛況ぶり。食品コーナーでは調味料や缶詰などの1050円の福袋が人気だった。さらに婦人服売り場では5000〜1万円の福袋が早々と完売。また移転45周年にちなんで、4万5000円などに値段設定された宿泊やディナーを楽しめる「新春デラックスパック」も用意され、順調な売れ行きだった。

 テーオーデパート(梁川町10)では、開店前の午前8時半から買い物客が並び始め、開店時に約100人が詰めかけた。同店内のワールドインポートブティックEXでは、ブランドのバッグや財布などの中から3点を選べる福袋を用意。さらに家具など店内の各店舗から集めた福袋や福引きなども人気を集めた。大きな袋を手にした市内の女性(62)は「初売りはすごくにぎやか。ほしい品物を買うことができたし、福袋の中身を確かめるのも楽しみ」と笑顔だった。(小林省悟)

 


◎親子書き初め大会、新年への思い筆に込め

 第17回函館新聞社新春親子書き初め大会(函館新聞社、同実行委主催、石田文具協賛)が2日、港町1の函館新聞社3階ホールで開かれた。参加者は力強い筆運びで、新年への思いをしたためた。

 函館市内・近郊の小学生から一般まで22人が参加。同実行委の澤田蒼岳さんは「継続して頑張ることが大事。これからも(書道を)続けてほしい」とあいさつした。続いて書道家の小川翠苑さんが模範となる揮毫(きごう)を披露、午年にちなんで馬の毛で作られた筆を用い、大胆な筆運びで「大吉祥」と「馬」をしたためた。

 書き初め大会は「新春にふさわしい語句」をテーマに、それぞれが「雪像」「獅子舞」など、自分の思い思いの言葉を書き上げていった。初めて参加した高橋ももかさん(函館弥生小1年)は「うま年」の文字を元気いっぱいに書きあげた。高橋さんは「『ま』の字が難しかったけど、筆で書くのはとても楽しい」と笑顔で話していた。

 作品は3日から13日まで、同社1階ギャラリーで展示されるほか、本紙紙面でも紹介される。(千葉卓陽)