2014年1月6日 (月) 掲載

◎初競り威勢良く 青果・水産物市場

 函館市内の青果物、水産物を取り扱う両卸売市場で5日、新年恒例の初競りが行われた。全国的な景気回復の波に乗り、市場がさらに活性化するよう関係者が早速威勢のいい掛け声をあげ、2014年のスタートを切った。(平尾美陽子、今井正一)

 ○…函館市水産物地方卸売市場では午前7時から「初売り式」が開かれ、卸売業者や仲買人ら約300人が集まった。

 工藤寿樹市長は「消費者の魚離れなど市場を取り巻く環境は厳しいが、初競りに勢いをつけて今年一年すばらしい年にしたい」と願いを込めた。函館魚市場の松山征史社長のあいさつ後、函館水産市場仲卸協同組合の本間正彦理事長が手締めを行った。

 式後の初競りでは、タコやタラ、ホタテなどが並んだ中、値を読み上げる競り人と注文を入れる買い手の声が活発に飛び交った。今年は天候に恵まれ、総入荷量は昨年より30d多い34dだった。

 ○…函館市青果物地方卸売市場(西桔梗町589)では午前6時40分から「初せり式」を実施。そろいの法被を着た市場関係者約130人をはじめ、自民党の前田一男衆院議員もお祝いに駆けつけた。

 片岡格副市長は「函館の魅力を一層高めるため、歴史や景観、街並み、食をクローズアップしてブランドイメージを効果的に発信したい」と述べ、同市場も函館経済活性の一翼を担うことを期待した。東一函館青果の木戸浦静男社長は「市場を取り巻く難問はあるが、食の安心安全の信頼確保、青果物の安定供給に全力を努め、活性化にも力を尽くしていく」と決意を新たにした。

 丸果函館合同青果の勝木敏孝社長の発声で三本締めを行い、函館巴太鼓による和太鼓の演奏が場内に響き渡った。同市場によると、冬場は本州産が中心。この日の入荷量は野菜が前年同日比4・9d減の53・4d、果実は同1d減の16dだった。



◎函館高専に放射性物質精密検査機器 全国高専で初

 函館高専(岩熊敏夫校長)が、食品や土壌などに含まれる放射性物質を測定できる精密検査機器を学内に設置した。2台目となり、手厚い検査態勢を整えたのは全国の国立高専51校で初めて。月内にも稼働させ、市民や企業のニーズに対応する。

 同様の測定装置は市立函館保健所にもあり、民間からの検査を引き受けている。函館高専は、高等教育機関として国内屈指の放射能測定態勢を構築した。

 導入したのは、ラトビア製「ゲルマニウム半導体検出器」で約1800万円。天然か人工か放射性物質をより明確に区別して測定でき、放射性セシウムを1`当たり0・05ベクレルの少量まで検出可能という。国の放射性セシウム基準値は一般食品の場合、同100ベクレル以下。結果は最短20分で判明、感度を高めようとすれば24時間かけて測定もできる。

 道内4高専(函館、苫小牧、旭川、釧路)が連携し、道内全域の検査をカバー。授業や科学クラブなどで教育目的(無料)にも使うため、同保健所とすみ分けられる。料金は1検体当たり2万円程度を想定し、今月末ごろの運用を目指す。

 函館高専には、既に簡易な検査機器(NaTシンチレーション型検出器)があるが、輸出食品のためゲルマニウム半導体型での検査を望む声もあった。

 放射能測定室のある地域共同テクノセンター長の小林淳哉教授は「食品の安全や環境の安心に貢献したい。北海道の食の安心が、日本の安心≠ニいう意識で取り組む」と話している。(山崎大和)



◎道南と東北 自慢の味並ぶ 丸井今井でうまいもの大会

 渡島、桧山管内各市町の特産品を一堂に集めた「道南うまいもの大会」が5日、丸井今井函館店(函館市本町)で始まった。東北の食を紹介する「東北味めぐり」も同時に開かれ、両地域の自慢の味覚を求める客が大勢訪れた。9日まで。

 催事には渡島総合振興局が協力。北海道新幹線開業まで2年余りとなり、東北を今まで以上に身近に感じてもらおうと、初めて同時に開いた。道南35店、東北は17店が参加した。

 岩手県釜石市のワカメ製造リアス海藻店は、水で大きく戻る三陸さしみわかめを販売。同店の原友一さんは「東日本大震災では大きな被害を受けたが、立派なワカメを持ってきました」とアピール。山形県のゆたか屋は西洋ナシで作ったラ・フランスジュース、県内で栽培された枝豆「秘伝豆」を並べて人気を集めた。

 一方、道南は阿さ利本店(函館市)が初出店で特製すきやき弁当を提供。瑠瞳(木古内町)のはこだて和牛弁当、北洋堂(松前町)の焼皮さくらもちなど多彩な味覚が並び、ブースの前に長い列ができた。(松宮一郎)


◎あすは七草 各店で特設コーナー

 1年の無病息災を願って七草がゆを食べる7日を前に、函館市内のスーパーや百貨店などで、春の七草が入ったパック商品の販売が本格化している。各店は売り場を設けて短期決戦≠ナの販売に力を入れる。

 ホクレンショップ函館昭和店(函館市昭和1)は6日まで、売り場を設置。7種が入った愛媛産「七草セット」のほか、フリーズドライやお茶漬けなどの関連商品も充実。店頭広告も行い、七草がゆの習慣をアピールしている。

 前日の6日に買い求める人が多いといい、青果部門スーパーバイザーの川嶋力也さんは「7日朝は七草がゆを食べて、正月のごちそうで弱った胃を休めてほしい」と話す。

 七草はセリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ。これらを食べることでで冬季の野菜不足を補う意味もある。(山崎大和)