2014年3月1日 (土) 掲載

◎JR北脱線はレール異常放置原因、運輸安全委が経過報告書

 昨年9月にJR函館線大沼駅構内で発生した貨物列車の脱線事故で、国土交通省運輸安全委員会は2月28日、調査の経過報告書を公表した。現場では少なくとも過去3年間はレールを補修した記録がなかったとし、異常放置が脱線事故に結びついたと指摘した。

 報告書によると、事故現場付近のレール幅の超過は最大で社内整備基準(19ミリ)を大きく超える40ミリ。脱線の危険性がある43ミリに近い数値だった。

 現場は緩やかな左カーブだったが、レールが右側に最大70ミリずれていたため、カーブがさらにきつくなっていた。

 加えて、左カーブでは通常、レールに負担をかけないよう右側を高くしてあるが、実際には左側が10ミリ高くなっていたため、遠心力で右側に強い力が加わり、事故列車の通過時にレール幅がより拡大した。

 報告書では、貨物列車が通過した際にレールを枕木に固定するくぎがずれ、レールが傾く「小返り」が発生した可能性が高いと指摘した。そのため左車輪が内側に落ち、脱線した。くぎはレールから最大25ミリ離れていた。

 現場の2番副本線に敷設していた木製の枕木は昨年8月にJR北海道が検査。830本中229本が「不良」と判定されていた。状態に関する記載はなかったが、レールを固定するくぎが抜けたり、曲がったりしやすかったとみられる。

 運輸安全委は同社の脱線発生のメカニズムや安全管理体制を詳しく調べるともに再発防止策を検討し、最終報告をまとめる。

 同社は「鉄道事業者として極めて重大なことで、決してあってはならない事象であると厳しく受け止めています。安全確保のために必要な措置を講じていきます」とコメントした。

 脱線事故は昨年9月19日午後6時5分ごろ、同駅構内の2番副本線のカーブで発生。貨物列車の6〜9両目が脱線したが、けが人にはいなかった。(小林省悟)



◎消費増税まで1カ月、駆け込み需要最終盤

 3月に入り、消費税率が8%に引き上げられるまであと1カ月となった。市内の小売店や自動車販売店では駆け込み需要が終盤を迎えている。すでに自動車や家電が好調に売り上げを伸ばしているほか、デパートやホームセンターでは月末まで衣料品や日用品が大幅に動くと見込んでいる。

 自動車は新車登録台数が昨年後半から大幅な伸びをみせ、販売は好調に推移している。函館日産自動車(石川町)では毎週末、新車購入を検討する人がショールームを訪れている。先週の土日(22、23日)は2日間で約130組が訪れ、終日接客にあたったという。

 人気は新型、新装備の軽自動車と普通乗用車。同社営業支援本部販促チームの木下勝課長は「車種によっては3月末の登録に間に合わず、4月をまたいでしまう車種もあるが、それでも契約していただけるお客さまが多いのが特徴。生産を開始したばかりの500万円台の高級セダンの売れ行きも上々」と語る。「4月以降は反動減が懸念されるが、販売促進に力を入れていきたい」とする。

 家電量販店では白物家電を中心に売れている状況。ケーズデンキ函館本店(石川町)は2月の売り上げが前年比で2割ほど伸びたという。「冷蔵庫や洗濯機の売れ行きが良い。ウィンドウズXPのサポート終了に伴い、パソコンもよく売れる」と同店。反動減対策としてはエアコンの売り出しを例年より早めるほか、登場して10年が経過した薄型テレビの買い替え需要を掘り起こしていく考えだ。

 市内のホームセンター、イエローグローブでは工事が必要なサイディングや屋根の塗装などリフォーム関連が昨年でひと段落。それに代わって自転車の売れ行きが好調だ。「例年は4月に入ってからピークを迎えるが、今年はすでにかなりの台数が売れている」。また、ティッシュペーパーやトイレットペーパーなどの日用品は月末ギリギリまで売れると見込んでおり、商品を確保した。「本当の駆け込みはこれから」。

 「衣料品や化粧品などは家電などを買い終えてから。ギリギリまで駆け込みが続く」と期待を寄せるのが丸井今井函館店(本町)の岡崎福美社長。3月は家具のセールを前倒しで行うほか、「4月以降も売り上げの谷をつくらないようにするため、値ごろ感のあるセールを展開していきたい」と話す。(松宮一郎)



◎円筒形看板に歴史群像、五稜郭築造150年祭

 五稜郭築造150年祭を盛り上げようと、実行委は2月28日、五稜郭タワーアトリウムに幕末から明治の函館の人物群像、歴史を紹介する円筒形の看板「リトファススゾイレ」を設置した。4月26日の開幕日には市内約25カ所に30本がお目見えする。

 リトファススゾイレはドイツ語で円筒形掲示看板の意味。実行委は「ヨーロッパでは街なかに置かれ、広告塔などとして利用されているが、国内では初めて」とする。

 この日設置したのは試作版で、高さ2・50メートル、直径80センチ。工事用の特殊な資材を使って作製した。表側は土方歳三の写真をメーンに据えたデザインで、インパクトは抜群。裏側には旧幕府軍の松岡磐吉や中島登の写真、箱館戦争の錦絵や歴史の解説を載せた。

 五稜郭公園や元町公園など市内に散らばる人物ゆかりの地25カ所に30本設置、歴史群像展を展開する計画だ。ほかには五稜郭を設計した武田斐三郎やペリー、豪商高田屋嘉兵衛などが主役として登場する。

 11月末までの展示だが、実行委は「新幹線開業を見据え、観光客を迎えるものとしても活用できれば」としている。(松宮一郎)


◎公立高入試最終出願状況、渡島1.1倍、桧山0.9倍

 道教委は2月28日、2014年度公立高校入試の最終出願状況を発表した。平均倍率は渡島管内の全日制普通科が1・1倍、同職業科は1・4倍、桧山管内全日制が0・9倍となった。

 推薦から一般選抜への再出願などにより、一部の高校で倍率が上がった。出願変更後の状況と比べ、最も変動が大きかったのは、函館工業・建築で0・8ポイント増の2・6倍。

 渡島管内の全日制普通科では函館稜北が1・6倍で0・2ポイント増、市立函館と函館西はそれぞれ0・1ポイント上がった。

 職業科では函館工業の各科で0・1から0・8ポイント増加、函館商業でも各科で0・1から0・3ポイント増加した。渡島管内の定時制と桧山管内では変動はなかった。

 一般入試は3月5日、合格発表は同17日。(森裕次郎)