2014年3月13日 (木) 掲載

◎函大4年の山本さん 英検準1級に合格

 函館大(溝田春夫学長)英語国際コース4年の山本大智(だいち)さん(22)が、日本英語検定協会の実用英語技能検定(英検)準1級に合格した。念願成就に「目標を達成できてうれしい。これをモチベーションにしてさらに英語力を伸ばしたい」と張り切っている。

 山本さんは英検2級を函館西高2年で取得。高校時代に函大の高月晋教授による英検対策講座を受講したことがきっかけで「高月先生のもとで英語を学びたい」と函大に進学。準1級は4回目の挑戦でやっと合格した。

 転機となったのが、ニューカッスル大(オーストラリア)への留学。昨年3〜12月にホームステイしながら約10カ月間、大学で英語と観光学(ツーリズム)を勉強。授業もディスカッションもレポートも全て英語を使う中で「本場でレベルアップできた」。

 準1級対策では、問題集を反復したほか、好きな洋書を読んで知らない英単語を見つけたら調べて覚えた。映画を字幕を見ずに鑑賞し英語を聞き取る練習も。こうした地道な努力で英文を読解するための語彙(ごい)を増やし、聞き取る力も伸ばした。

 今年1月の1次試験(筆記、リスニング)をクリアし、2月に2次試験(面接)に臨んだ。面接は日常会話や、問題カードを読んで英問英答で試験官とやり取り。山本さんは「留学中に、ホストファミリーや他の学生と会話した経験が役に立った」と振り返る。

 挑戦は続く。大学にはあと1年在籍し、最難関の1級対策を進めつつ、英語を使う就職先を見つけるのが目標だ。「英語を使い、函館の観光業に貢献したい」と力を込める。

 準1級は大学上級レベル。函大在学中の合格は、これまで数人しかいないという。(山崎大和)



◎屋根付き岸壁の改修終了 砂原漁港、作業環境が改善

 【森】函館開発建設部函館港湾事務所が砂原漁港に整備した屋根付き岸壁の改修工事が、このほど終了した。昨年11月から供用を開始しており、冬場の作業環境が改善されるなど整備効果が表れている。

 同漁港で陸揚げした海産物を風雨や鳥のふんから防ぐため、2011年度から荷さばき場に上屋(全長200メートル)を設置する工事を進めてきた。道南では最大級となる。

 11年度は西側90メートルが完成し、部分供用を開始。12年度は残り110メートル部分を建造し、13年度は岸壁のエプロン部分の舗装を行った。すでにスケトウダラ漁に合わせて昨年11月から供用を開始した。

 屋根の幅は12メートル、高さ5メートル。漁船クレーンなどがぶつからないように、岸壁から3メートル離している。天井にはカモメなどの侵入を防ぐ防鳥ネットを張った。

 総事業費は8億6000万円で、うち工事費は6億9000万円。

 これまでの野天作業では、海産物に鳥のふんが付着する恐れがあり、冬場も積雪や凍結で重機を使う作業に支障が出ていた。

 砂原漁協の高山修専務理事は「冬場の作業効率が向上した。今後も衛生管理を重点的に進め、安全、安心な水産物の安定供給に努めていきたい」とした。

 同漁港の水揚げは年間約2万トン。スケトウダラやカレイ、エビ、ホタテなど、さまざまな漁が1年を通じて行われる流通拠点漁港。(鈴木 潤)



◎道南ハイヤー「キング」を吸収

 道南ハイヤー(函館市桔梗町、加納康史社長)は12日、キングハイヤー(美原2、今川芳久社長)からタクシー事業と運転代行事業の譲渡を受けたと発表した。15日からキング社の全車両と従業員を引き継いで営業する。車両台数は85台となり、函館交通圏では第3位の規模になる。今回の吸収合併は台数の確保による経営の安定化、効率化が狙い。減車の動きが進む中、業界再編は一段と加速しそうだ。

 道運輸局が2月26日、事業の譲渡、譲受を認可した。キング社は1963年設立の老舗事業者。保有する特定大型車2台と小型車43台、乗務員76人、事務職6人を道南ハイヤーが引き継ぐ。譲渡額は非公表。

 道南ハイヤーは69年に設立。今回の吸収合併は「市場の縮小による競争激化、減車の動きが進む中で生き残りをかけた戦略」(同社)。また、北海道新幹線開業で観光客の需要増加を見込み、台数の確保を図った。キング社側に打診し、昨年12月に合意に至ったという。

 キング社は拠点のある美原のほか、赤川、富岡などの地域に強い営業基盤があり、高齢者の利用も多いことが特徴。一方、道南ハイヤーはホテルへの乗り入れなど観光分野、法人に強い。同社は「得意先が競合していなかったので、合併を機に互いの強みを伸ばしたい」と、相乗効果に期待する。

 キング社の運転代行は、100%子会社を設立し、営業を継続する。合併後の車両台数は85台(特定大型5台、大型1台、小型車79台)で、相互交通、函館タクシーに次いで第3位となる。キング社から引き継いだ車両のデザインは順次、道南ハイヤーのものに統一する。

 タクシー業界は利用者の減少、燃料費の高止まりなどで苦しい経営が続く。ここ数年で廃業や道外企業の傘下に入るといった動きもあることから、業界関係者からは「減車の流れと相まって、体力のない中小事業者を中心に業界再編の流れが加速するのでは」と指摘する声が聞かれた。(松宮一郎)


◎被災地へ善意を

 函館三育小学校(鈴木宏和校長、児童25人)の全児童が12日、JR函館駅前と丸井今井函館店前で「東日本大震災被災地支援街頭募金活動」に取り組んだ。子どもたちは「困っている人のために、協力お願いします」と通行人に呼び掛けていた。

 発生から3年を迎えた震災を風化させないよう、毎年この時期に実施。鈴木校長は「もう3年になるが、復興は遠い。少しでも助けになるよう、取り組みたい」と話した。

 2年の坂口大樹君(7)は「たくさんの人に募金してもらいたい。1円でも多く被災地に届けるために、頑張ります」と話し、声を張り上げていた。募金は、NPO法人アドラ・ジャパン(東京)に送り、被災地の支援に充ててもらう。(虎谷綾子)