2014年3月15日 (土) 掲載

◎知内駅さようなら 町民やファン 別れ惜しむ

 

 【知内】本州と北海道を結ぶJR海峡線の知内駅(知内町湯ノ里)が14日、廃止された。新青森、函館行きの最終列車では、JR北海道函館支社職員や町民が横断幕を持って見送り、駅との別れを惜しんだ。

 新青森行きで最後となったスーパー白鳥40号では、発車の約1時間前に木古内駅からバスで鉄道ファンら約20人が駆け付け、発車の午後4時39分には、大野幸孝町長や町民約200人が上下線のホームに集まった。中には山口県から訪れた鉄道ファンも。同列車が入線すると、同支社が用意した「さようなら知内駅」の横断幕を湯の里小学校の児童9人が掲げ、ホームにいた人が手を振って発車を見送った。

 福島町出身で都内の大学に通う深浦法高さん(23)は「卒業式に向かうため乗車するが、偶然に廃止日と重なって、運命を感じる」。知内町森越の主婦、山越まり子さん(63)は「快速列車の停車時代は、青森や函館に行くのに利用した。北海道新幹線が来るとはいえ、駅が無くなるのは寂しい」と話していた。

 知内駅は1990年開業。2002年11月までは函館—青森の快速「海峡」が停車していたが、函館|新青森間の特急列車が1日2往復のみとなり、乗降客減少と新幹線の開業準備のため、青函トンネル内にある吉岡海底駅(福島町)、竜飛海底駅(青森県外ケ浜町)と共に廃止された。(山崎純一)



◎行方不明の斎藤さん 山仲間が自主捜索へ 15、16日延べ40人で

 2月から行方不明になっている函館市新川町、無職斎藤浩敏さん(78)が北斗市中山の毛無山(標高750b)で遭難した可能性があるとして、斎藤さんが所属する山岳団体・函館ブリガンズ山岳会(草刈信行会長)の会員ら有志メンバーが15日から、同山を自主捜索する。捜索に先立ち14日、毛無山付近で対策会議を開き、登山ルートなどを協議した。

 関係者によると、親族が2月23日以降、斉藤さんの携帯電話に連絡したが、応答がなく、今月2日に電波が途絶えたという。4日午前に毛無山登山口付近で同山岳会の遠藤哲二さん(81)が斎藤さんの車を発見。同日から3日間、函館中央署や道警函館方面本部が毛無山を捜索したが、見つかっていない。その後、斎藤さんの自宅から7、14、22日に毛無山を登ったメモが残されていたことなどから斎藤さんと親しいメンバーを中心に自主捜索を決めた。

 会議では、捜索隊を2班に分けて毛無山と、近くの設計(もっけ)山(702b)の2カ所から登山を開始し、携帯電話の電波が届いていた場所に絞って山道の雪を踏み固めながら進むことを確認。このほか、同市中山の「出会いの滝パーキング」を現地本部とすることや函館開発建設部に駐車スペースを確保するための除雪を依頼した。

 捜索隊には函館市内のほか、札幌市などからの参加者もあり、15、16日の両日で延べ約40人が入山する予定。15日は午前7時から開始し、午後3時をめどに終了する。

 同山岳会創設当初からの付き合いがある草刈会長は「元気に山を下りてくると思っていたが…。一刻も早く見つけてあげたい」と話す。斎藤さんと50年来の仲間で、一緒に100回以上登山した遠藤さんは「普段は口数が少なかったが、すごく誠実な人。見つけて早く会いたい」と切実な思いを語った。(小林省悟)



◎福島町議会 佐藤町長に辞職勧告決議

 【福島】福島町議会は14日の町議会定例会3月会議で、佐藤卓也町長に対する辞職勧告決議案を賛成多数で可決した。

 決議案は5議員の提出者と1議員の賛成者により提案。2議員が反対討論を行った。その後、溝部幸基議長と退席した1議員を除く9議員で採決し、賛成5、反対4で可決された。

 提出された決議案では、@誠実さに欠ける議会対応A議会での審議経過を重んじない町長の姿勢B公約実現に向けて全力で取り組まない町長の政治姿勢C町長のリーダーシップの欠如・特別職らの連携不足—を挙げている。

 同町議会は、昨年の町議会定例会3月会議でも佐藤町長に対し「答弁や説明の不十分さに猛省を促したい」などとして問責決議案を可決していた。

 佐藤町長は「今後は議員との協議や連携をより強化して、町民のための行政を遂行したい」と述べた。

 同日の定例会では新年度の各会計予算案などを原案通り可決し、閉会した。


◎フードカン「ねばねば本舗」内に移転へ 5月上旬の再オープン目指す

 JR函館駅構内の道南産品アンテナショップ「フードカン」(伊藤隆史店長)が今月末で閉店、移転する計画で、新店舗が「かごめ昆布ねばねば本舗」(若松町19、田中理絵店長)内に入居することが決まった。5月上旬に再オープンさせる考えだ。

 ねばねば本舗は、函館がごめ連合(布村重樹代表、39社)がノース技研(函館市昭和3、布村社長)に運営委託しており、今月11日の連合幹事会でフードカンの移転が承認された。

 2016年3月の北海道新幹線開業を見据え、同じ駅前地区で移転先を選定。1つの店舗内にガゴメと、それ以外の産品を融合させることにより相乗効果を発揮できると判断した。

 移転後は、ねばねば本舗(58平方b)内で2店舗が一緒に営業する形とする。アイテム数はそれぞれ120とし、スタッフはねばねば本舗の2人を現状維持、フードカンは現状より1人減の4人となる。

 フードカンを運営するノーステックの橋本真一社長は「売り場面積が狭くなるので、新幹線開業に向けて商品やサービスをさらに充実させ、次のステップを検討したい」と話す。

 駅内は、ジェイ・アールはこだて開発とのテナント契約満了のため31日で店じまい。引っ越し作業や消費税増税への対応として1カ月の準備期間が必要という。JR北海道は駅内をリニューアルしたいという意向があり、飲食店「ブォン・ヴィアッジョ」も今月23日で閉店する。(山崎大和)