2014年3月16日 (日) 掲載

◎こも外し春の装い…赤松街道で体験会

 【七飯】赤松街道を愛する会(寺沢久光会長)は15日、鳴川地区の国道5号沿いで「こも外し体験会」を開いた。昔ながらの害虫駆除のために昨年10月にアカマツの幹に巻いたわらのむしろを外し、虫の様子を確認。春の訪れを感じながら、作業に精を出した。

 同会と七飯町、道路管理者の函館開発建設部函館道路事務所の3者による活動。年間を通じて観察会やこも巻き体験会などを開いている。この日は、ボランティアら約50人が参加。寺沢会長は「今年は活動10年目。秋にはアカマツの育苗など記念行事を考えている。アカマツの保全のため引き続き参加してもらいたい」とあいさつした。

 参加者はグループに分かれてあかまつ公園周辺の約500メートル区間の約70本のアカマツからこもを外した。中からは害虫のマツケムシなどのほか、害虫を餌にするムカデやクモなどが見つかった。参加者は樹皮を観察したり、虫の種類を集計するなどした。

 参加した町大川の小野寺勇治さん(68)は「昔は害虫が多かったと聞いているが参加を始めた5年前と比べても少なくなった印象がある。少なくなったから終わるのではなく、継続しているから効果があると思っています」と話していた。(今井正一)



◎学んだ知識生かす…極東大卒業証書授与式

 ロシア極東大函館校(イリイン・セルゲイ校長)の卒業証書授与式が15日、同校講堂で行われた。卒業生は後輩や保護者が見守る中、学んだ知識と経験を生かし、それぞれの新たなステージで躍動することを誓った。

 本年度の卒業生は4年制のロシア地域学科4人と2年制のロシア語科2人。式では日ロ両国の国歌を斉唱した後、イリイン校長が一人ひとりに卒業証書を授与。「学長賞」や「在札幌ロシア連邦総領事館賞」など優秀な成績を収めた学生に対する表彰も行われた。

 イリイン校長は「皆さんが日ロ交流発展のために全力を尽くして活躍すると確信している」と式辞。在校生は「卒業生の皆さんが残した全ての良きものを受け継いでいきたい」と述べた。卒業生を代表し、ロシア地域学科の鍋谷真依さんとロシア語科の久保井俊樹さんが「本校で得た知識や思い出を胸に、困難なことがあってもしっかりと立ち向かい、乗り越えていく」と力強く決意を語った。(森裕次郎)



◎市内でデイサービス競争激化

 日帰りで機能回復訓練や介護サービスを受けるデイサービスが函館市内で急増している。市介護保険課によるとこの2年間で約20施設が開業し、1月末現在で85カ所となった。利用者獲得に向けた競争が激化しており、各施設は独自のサービスで付加価値を高めている。

 今年2月に開所した「デイサービスever」(鍛治1、小林義隆社長)は、作業療法士監修メニューによる機能訓練「アクティビティ」に力を入れる。

 脳卒中などによる後遺症で半身まひになった人に対し、箸使いや瓶のふたを開ける動作を補助する道具「自助具」の練習や、鏡を使って動作機能の回復を促すミラーセラピーなど、その人に合わせた個別のメニューを提供する。管理者の庭田淳さんは「脳に刺激を与えることで認知症予防にもつながる。家庭にあるような道具を使い、自宅でもできる訓練を楽しみながらしてもらう」と話す。

 乃木町の「デイサロン乃木」(出村ゆかり代表)は昨年10月にオープン。温かみを感じるカフェのような空間が特徴。「これまでになかったデイサービスを作りたかった」と出村代表。

 月数回、パンやそば打ち、茶道などの講師を招いた本格的なレクリエーションを実施するほか、利用者の誕生日にはケーキを作ることも。出村さんは「家に閉じこもりがちな高齢者の方が明るく過ごせる癒しの空間にしたい」と話す。

 木材・流通大手のテーオー小笠原(小笠原康正社長)は昨年10月、北浜町に「ハートToハート北浜」を開設。デイサービスほか、サ高住やショートステイなどを併設する複合型高齢者施設だ。

 同施設の自慢は入浴サービス。温泉大浴場があり、洗い場には人気化粧品メーカー「ザ・ボディショップ」のボディーソープを用意。また、リラクゼーションスペースには医療機関などで導入されているウオーターマッサージャー「アクアタイザー」、多目的ホールにはカラオケ、電子ピアノ、タブレットパソコンを設置するなど充実した設備が整っている。同社の小林高志課長は「それぞれが自分の好きなことをできるので男性の利用者さまも多い。ソフトの面でもおもてなしの心できめ細やかなサービスを提供する」としている。(金子真人)


◎多彩なジャンル マルシェに集う…蔦屋書店

 道南各地のアーティストや生産者を紹介するイベント「Hakodate MARCHE(はこだてマルシェ)」が15日、函館蔦屋書店(石川町)で初めて開かれた。多彩なジャンルの出展者が作品や商品の魅力をアピールした。16日まで。

 陶芸家、ハンドメード雑貨やオーガニック食品を扱う会社など12組が出展。販売だけではなく、ものづくりに対する思いやバックボーンを知ってもらおうと、出展者が選んだ本も並べた。

 エゾシカ革を使ってバッグや小物を製作する市内の「I Like IT(アイ・ライク・イット)」は、ブックカバーやコインケースを並べた。代表の荒木明美さんが選んだ一冊は「星になったチロ」という児童書。「動物との共生がテーマで、仕事にも通じる部分がある」と話した。

 この日は開始直後から各ブースに人だかりができ、作品や本を介して出展者と言葉を交わす客の姿があちこちで見られた。正午〜午後7時。(松宮一郎)