2014年3月17日 (月) 掲載

◎創作合唱劇 市民が熱演

 【北斗】三木露風没後50周年記念・永遠(とわ)にあかるく音楽会(実行委主催)が16日、北斗市総合文化センターで開かれた。露風がトラピスト修道院(三ツ石)の文学講師を務めた大正時代の4年間を物語にした創作合唱劇「赤とんぼ」を上演し、大勢の来場者が観賞した。

 同音楽会は市誕生の2006年から市民手づくりでほぼ毎年開催している。地元素材を扱ったオリジナルの劇は2011年の「村に咲く花」に続き2度目。

 出演者は市民合唱団のメンバーを中心とした有志約60人。劇では関東大震災で親友を亡くし、絶望に陥った露風が、母との出会いをきっかけに生きる力を取り戻し、童謡「赤とんぼ」を作詞する過程を演じた。

 役者の演技を通して露風と地元の子供たちの温かな触れ合いや、妻・なかとの絆、母への思慕などを表現。露風が作詞した13曲を混声合唱や独唱で織り交ぜ、修道院を旅立つ最後の場面では出演者全員で「赤とんぼ」を合唱し、感動的なフィナーレへといざなった。

 カーテンコールでは、上磯小合唱部が加わり、実行委の熊本昇代表(76)の呼び掛けで観客も一緒に市歌「永遠にあかるく」「赤とんぼ」を合唱。一体感あふれる歌声が会場を包み込んだ。

 友人とともに来場した市内市渡の西井敬子さん(75)は「素晴らしい合唱劇。元気をもらいました」と笑顔。

 露風の養子、三木豊晴さん(61)が三鷹市から来道し劇を観賞し「当時の生活の様子を明るく北斗市らしく演じて感動しました」と拍手を送った。

 露風を演じた前田治さん(60)は「露風がこの地に希望の光を残してくれたこと、赤とんぼ以外にも素晴らしい曲があることを知ってもらいたいと思い、演じました」と振り返った。

 同音楽会は合併10周年に当たる16年にも地元素材の創作合唱劇を上演する計画で、熊本代表は「充実感でいっぱい。次へとつながる公演ができた」と話していた。  (鈴木 潤)



◎重厚なハーモニーに酔う 男声合唱団定演

 函館男声合唱団(小岩洋代表)は16日、市芸術ホールで、第9回定期演奏会「男声(おとこ)が歌う 四季の彩(いろどり)」を開いた。合唱団の重厚なハーモニーに約620人の観客が酔いしれた。

 35人が真っ赤なブレザー姿で登場。ステージは3部構成。第1部「歌い継ぎたい日本の歌」では「からたちの花」「椰子の実」「故郷」など、懐かしい古里の情景を切々と歌い上げた。

 第2部は「世界の男声合唱名曲」と題し「アヴェ・マリア」「野ばら」「ビヤ樽ポルカ」などを息の合ったチームワークで披露した。

 第3部は「男声合唱組曲『心の四季』」をテーマに「風が」「愛そして風」「雪の日に」などを明瞭な言葉とメロディーで届けた。

 1曲ごとに、会場を埋め尽くしたファンから温かい拍手が送られた。(山崎大和)



◎石崎小児童 漢字検定15人全員合格

 函館石崎小学校(笠井雅秋校長、児童19人)の2〜6年生15人が2月に行われた日本漢字能力検定(漢検)を受験し、全員が合格した。児童は「自信になった」「もっと上のレベルに挑戦してみたい」と意欲を見せている。

 同校では本年度、学力向上策の一環として漢検の学習を続けてきた。始業前や放課後、長期休みを活用し、漢検対策や計算問題の学習などに積極的に取り組んでいる。笠井校長は「合格を目指すという明確な目標を持ったことで、(学習に対する)子どもたちの熱の入り方が違った」と振り返る。

 2月の試験では各学年のレベルに応じ、10〜5級を受験。受験した児童全員が見事に合格証書を手にした。漢字が好きという3年の竹内詩織さん(9)は8級に合格。「画数の問題は難しかったけれど、合格できて本当にうれしい」と話し、「いろいろな漢字を知りたい。6年生で習う漢字も勉強してみたい」と笑顔。5級に合格した6年の鈴木良侍君(12)は「初めのころは問題集を解くときに緊張したけれど、段々慣れた。中学生になってさらに上の級がとれるように頑張りたい」と語る。 (森裕次郎)


◎感謝胸に社会へ一歩 函館大卒業式

 函館大(溝田春夫学長)は16日、函館国際ホテルで第46回卒業式・学位記授与式を行った。留学生2人を含む72人が両親や教職員、仲間への感謝を胸に、学生生活に別れを告げた。

 スーツやはかまを着た学生たちは、和やかな雰囲気で式に臨んだ。国歌斉唱、校歌斉唱に続き、溝田学長が一人一人に学位記を手渡した。また、本年度の体育賞としてハンドボール部、佐々木祐梨さん(軟式庭球部)に、文化賞として佐藤裕一さんにそれぞれ表彰状を贈った。

 溝田学長は式辞で「皆さんは21世紀を担う重要な人材。高い志を持って困難な問題に立ち向かい、社会に貢献してほしい」と励ました。

 最後は、卒業生が教職員や保護者の大きな拍手に見送られて退場。4月から金森商船(函館)に就職する佐藤史也さん(22)は「あっという間の4年間だった。いい仲間に巡り合えて、良い経験もたくさんできた。先生と学生の距離が近くて就職などの相談がしやすいのが函大の魅力だと思う」と話していた。

 函大によると、同日現在の就職内定率は87・3%で、例年だと3月末には90%に達するという。