2014年3月18日 (火) 掲載

◎道南の売りは食、祭り、ノスタルジー 観光関係者がPRコンセプト

 渡島総合振興局は、道南4エリアのPRコンセプトや広域観光ルート、滞在プランを紹介するリーフレットを作成した。道南各地の観光関係者のアイデアが詰まった力作。2年後に迫った北海道新幹線開業を見据え、自治体や観光協会などの観光振興や情報発信に活用してもらう考えだ。

 リーフレットの作成に携わったのは、振興局が本年度行った観光人材育成事業「新たな観光地域づくり塾」に参加した渡島、桧山、後志の自治体や観光協会、民間事業者ら約40人。講座は昨年9月から1月まで5回開かれ、先進地の事例を学んだほか、ワークショップで地域の魅力、観光資源の可能性を探った。リーフレットは講座の成果としてまとめた。

 道南のPRコンセプトは、「人とのふれあい」「祭りと魅力的な食」「リゾート」「ノスタルジー」などをキーワードに挙げ、「1週間でも足りない みなみ北海道」とした。

 また、コンセプトを体感してもらうための周遊観光ルート、滞在プランも考案。道南を4つのエリア(函館、環駒ケ岳、西部9町、渡島北部・桧山北部・後志南部)に分け、エリアごとに2泊3日の旅行プランをつくった。環駒ケ岳エリアは大沼での自然体験をメーンに据えるなど、各エリアの売りを前面に押し出した。

 リーフレットはA4サイズで2000部作成。自治体や観光協会などに配布した。商工労働観光課は「各地域では新幹線開業をにらみ、観光を盛り上げる動きが活発になっている。今後の振興策に活用してもらいたい」としている。(松宮一郎)



◎映画「そこのみにて光輝く」 ロケ地マップ作製

 函館で映画やドラマの撮影をサポートしている「はこだてフィルムコミッション」(河内孝善会長)が、函館市と北斗市で撮影された映画「そこのみにて光輝く」(呉美保監督)のロケ地マップを作製した。函館市内の観光案内所などで配布している。市地域交流まちづくりセンターでは25日まで、映画の1場面や撮影の様子を紹介するパネル展も開かれている。

 映画は函館出身の作家、佐藤泰志(1949〜90年)の同名小説が原作。夏の函館を舞台に、悲しみを背負った男と家族のために必死に働く女の姿を描いたラブストーリーで、昨年6月下旬から約1カ月間かけて撮影された。

 主演の綾野剛さん、ヒロインの池脇千鶴さんら俳優陣に加え、オーディションで選ばれた市民キャスト約400人が出演。全国に先駆け、4月12日からシネマアイリス(函館市本町)で上映される。

 ロケ地マップはB5判の両面カラーで、穴澗海岸、山上大神宮、函館競輪場などの9カ所を写真とともに紹介。4万部を印刷し、観光案内所ほかシネマアイリスや市観光コンベンション部などで配布している。

 パネル展は31日から4月7日まで函館市役所、9日から14日まで丸井今井函館店、16日から5月7日まで函館中央図書館でも開かれる。

 ロケ地マップ、パネル展に関する問い合わせは、はこだてフィルムコミッション事務局(電話0138・21・3326)まで。(金子真人)



◎2464人春つかむ 公立高合格発表

 道内の公立高校で17日、2014年度入試の合格者が一斉に発表された。渡島・桧山管内の21校で2464人の受験生が喜びの「春」を手にした。

 函館中部高校(千原治校長)では、午前10時に全日制240人、定時制13人の合格者番号を掲示。受験生や保護者たちは期待と不安の入り混じった顔で番号を探し、自分の番号を発見すると、友人と抱き合い、手を合わせ、写真撮影をするなど、笑顔で喜びを分かち合っていた。

 戸倉中学校の笹谷京香さん(15)は「塾でも勉強を続けて、ずっと合格を目指してきた。テストが不安だったが、合格できてうれしい。高校では文武両道で頑張りたい」、的場中の森尚哉君(15)は「点数が思うように伸びず、つらい受験だったが、友達と勉強してきてどうにか合格。部活に力を入れたい」と声を弾ませ、新生活への期待に胸を膨らませていた。(虎谷綾子)


◎水産学部附属練習船 5代目命名「おしょろ丸」

 北大(山口佳三総長)が建造を進めている水産学部附属練習船「おしょろ丸」代船の船名が「おしょろ丸」に決まった。今回が5船目。今年7月に竣工(しゅんこう)予定で、8月以降の航海から使用する。

 14日に、三井造船玉野事業所(岡山県玉野市)で命名・進水式を行った。北大からは山口総長、村田直樹理事・事務局長、嵯峨直恆水産学部長、佐伯浩前総長ら24人、三井造船からも26人が出席。支綱切断の後、船が船台を滑り降りて進水した。祝賀会も開き、船主を代表して山口総長があいさつした。

 今後、船内の機械や設備の設置、内装を施した上で竣工、引き渡される。6月2日にオープンする函館市国際水産・海洋総合研究センター(弁天町)に隣接する岸壁に係留される見込み。

 現Y世は1983年に建造、学生の実習や調査研究を担ってきた。老朽化や船室の狭さなどから新造船を計画し、国が2012、13年度の2カ年で約67億円を措置。総トン数1600トン、全長が約78メートル、幅が約13メートル、定員が99人(うち学生60人)。現船にはない航行時の揺れを低減する「フィンスタビライザー」の設置など、学生の安全確保や研究意欲を高める工夫をしている。(山崎大和)