2014年3月25日 (火) 掲載

◎北のまちづくり賞 「野外劇」の会最高賞

 創意あふれるまちづくりの取り組みを表彰する道の本年度北のまちづくり賞に、NPO法人市民創作「函館野外劇」の会(中村由紀夫理事長)が最高賞の知事賞に選出された。道南からの知事賞は2003年の江差町歴まち商店街協同組合以来2団体目。

 まちづくり賞の表彰は2001年度から行っていて、05年度からは隔年で実施。本年度は道内各地から21件の応募があった。

 同会は1988年から毎年、国の特別史跡・五稜郭を舞台に函館の歴史を題材にした創作野外劇を上演。7月〜8月上旬にかけて10回前後の公演をし、毎回500人前後の市民らがボランティアで出演している。

 長年にわたり地域の芸術文化の振興に寄与し、世代間交流や多様な組織と連携している点が評価された。

 今年の野外劇は、五稜郭築造150年記念、青函ツインシティ25周年事業の一環として7月11日から計10回の公演を予定。同会の里見泰彦事務局長(70)は「今年の記念公演に向けて弾みがつく賞。道内外に野外劇を知ってもらえるきっかけになる」と受賞を喜ぶ。

 同会はこれまで、道地域づくり優良事例知事賞(93年)や地域づくり表彰(国土長官賞、91年)、北海道ふるさと大賞(97年)、国土交通省手づくり郷土(ふるさと)賞(06年)などを受賞している。 (鈴木 潤)



◎大粒で甘み抜群 イチゴ「さがほのか」

 【北斗】北斗市開発の日景博美さん(67)方のハウス内に、イチゴ「さがほのか」がたわわに実っている。大粒で甘み抜群の果実を、妻の綾子さん(68)とともに丁寧に摘み取っている。

 さがほのかは形が良く、果実が大きい。日景さんはハウス4棟(12・5e)で栽培、昨年9月に定植し今年1月上旬から出荷を始めた。現在は日量50ケース(1ケースは300c入りパック×4)を出荷。全量JAを通じて函館市場へ。ピークは4〜5月で、6月いっぱい続く。

 暖房のほか、畝(うね)間と土中に設置したパイプに温水を循環させ、最適な気温と地温を確保。「今年は過去2年に比べて雪が少なかったが、暖房用灯油代が高くて大変だった」と博美さん。大豆油かすや米ぬかなどの有機肥料を使っており、糖度は抜群だ。

 北斗市内では、4月から春採りイチゴ「けんたろう」の出荷も始まる。(山崎大和)



◎寿都の史実1冊に 函館地方気象台職員の山本さん自費出版

 函館地方気象台職員の山本竜也さん(37)=市内美原3=が、後志管内寿都町の歴史をテーマにした新刊「寿都五十話—ニシン・鉄道・鉱山そして人々の記憶」を自費出版した。完成までかかった歳月は2年近くで、郷土教育や観光ガイドに役立ちそうだ。「函館にいる寿都にゆかりのある人が読んで、町のことを懐かしく感じてもらえたらうれしい」と話している。

 山本さんは寿都測候所に2006年4月から、閉鎖する08年9月まで勤務。寿都在住中は、町の歴史を調べてホームページや雑誌に寄稿していた。函館には12年4月から勤務しており、それ以前に「網走百話」(再版)の校正を手伝った経験や、渡辺一史「北の無人駅から」を読んで面白さにのめり込んだことがきっかけで、函館に来てから寿都を題材に似たような本を書くことを決心した。

 人口約3300人の小さな町では、郷土史を調べた人がおらず、埋もれた史実を掘り起こし、文章にまとめる面白さもあった。

 仕事後や休日を利用して函館市中央図書館のほか、東京、大阪、札幌の公共図書館で、寿都に関わる出版物や新聞などの資料を調べた。寿都にも2週間に1度足を運び、約100人から話を聞いた。最高齢では1912(大正元)年生まれの人にも出会った。

 50話の短編は全て新事実で、町史とは一線を画す。鉄道では、黒松内—寿都間の私鉄寿都鉄道(1920〜72年)を取り上げ、1万株を発行して50株以上を買った株主は51人おり、そのうち28人が函館の人であったと、函館との強い結び付きも記している。

 山本さんは「北海道の歴史に興味がある人に読んでほしい」と呼び掛ける。A5判784nで、1000部製作。価格は2400円(税別)。購入は山本さん(TEL090・5185・5723)へ連絡するか、通販サイト「アマゾン」で。市中央図書館で閲覧できる。(山崎大和)


◎思い出胸に270人巣立つ 未来大で卒業・修了式

 公立はこだて未来大(中島秀之学長)は24日、未来大体育館で、本年度の卒業式・大学院修了式を行った。卒業・修了生270人がキャンパスでの思い出を胸に、新しいステージに挑戦することを誓った。

 卒業したのは情報アーキテクチャ学科129人、複雑系科学科・複雑系知能学科99人、修了したのはシステム情報科学研究科42人。

 式では一人一人の名前が読み上げられ、中島学長が代表者に学位記を授与。続く式辞で「社会に出て活躍することを祈念します」とエールを送った。函館圏公立大学広域連合長の工藤寿樹函館市長、同連合議会議長の工藤恵美函館市議が祝辞を述べた。

 学生表彰では、成績優秀者らに函館市長賞、未来大学賞などを贈り、頑張りをたたえた。卒業生を代表し複雑系知能学科の五十嵐彩乃さん(22)=山形県出身=が「新しいことに対する期待と不安を感じるが、未来大での経験を土台とし、着実に前へ歩んでいきます」と決意を表明した。

 未来大によると、学部卒業生の就職内定率は96・3%(24日現在)。昨年度学部卒業生の就職内定率(最終)は98・1%で、本年度も今後変動する可能性がある。(山崎大和)