2014年3月26日 (水) 掲載

◎JR 青函一体で観光PR…16年夏からDC展開

 【青森】JRグループと青森県は25日、2016年7月から9月にかけて行う「デスティネーションキャンペーン(DC)」の対象エリアを同県と道南地域にすると発表した。同年3月開業予定の北海道新幹線を活用し、青函圏が一体となって広域観光を強力にPRする。新幹線が開業してから最初の夏で、開業効果の拡大が期待できそうだ。

 DCはJRグループと自治体が協力して行う大規模な誘客、送客キャンペーン。期間は3カ月間で、全国の主要な駅などにポスターを掲示し、旅行商品も販売する。集中的に宣伝されることから効果は絶大だ。

 青森県が対象エリアになるのは新青森開業後の2011年以来。この時は東日本大震災発生した直後で、当初想定したキャンペーンが展開できなかった。16年夏のDCは、新函館(仮称)開業の効果を取り込もうと道南地域を加えるようJR側に要望していた。

 県がJR側に提案した道南側の対象地域は、函館市をはじめ、北斗市、木古内町、江差町など渡島と桧山の11市町。県は各自治体と調整を続けている。

 同日県庁で記者会見した三村申吾知事は「両地域は歴史、文化的にも深いつながりがあり、ひとつの旅行エリアとして全国に発信する大きなチャンスになる」と述べた。今夏にもDC実施に向けて道南の自治体も参加する推進委員会を立ち上げる予定。青函圏が一体となって受入体制の整備に着手する考えだ。

 青函圏でのDCが決まり、道南の関係者から期待の声が上がった。函館市観光コンベンション部の伊与部隆次長は「青森と道南圏の周遊観光の新たな需要を喚起する機会になる。率先してDCに参加していきたい」と語った。  函館国際観光コンベンション協会の藤森和男専務は「開業後すぐのトップシーズンで観光客増加に期待できる。全面的に協力したい」とした。また、新幹線駅ができる木古内町の中尾敦新幹線振興室長は「正式決定ではないが、前向きに検討しているところ。青森県側と一緒に汗をかいていく」と意気込みを語った。 (松宮一郎、今井正一)



◎青函フェリー新造船「はやぶさ」28日就航

 函館―青森航路で「青函フェリー」を運航する共栄運輸(北村隆社長)の新造船「はやぶさ」(2949d)が完成し、函館港北埠頭で25日、お披露目会が開かれた。乗客定員を大幅に増やしたほか、客室を充実させたことが特徴。今後は貨物輸送に加え、旅客にも力を入れる考えだ。28日に就航する。

 新造船のはやぶさは、老朽化した現在のはやぶさの後継船。13年ぶりの新船導入で、国の北埠頭耐震岸壁整備に合わせた。建造費は約26億円で、函館どつく室蘭製作所に発注し、昨年6月に建造に着手。3月16日に完成した。

 全長114b、幅19bと、現はやぶさよりも大型となる。トラックは34台が積載可能で、約10台分輸送能力がアップする。乗客の定員も80人から300人に。ベッドを備えた豪華な個室を4室設け、女性専用室も新設するなど旅客に力を入れた。これまでは物流輸送に注力していたが、はやぶさ導入で旅客需要を掘り起こしていく。

 お披露目会には関係者ら160人が出席。北村社長はあいさつで「今後はさまざまニーズに応えることができる。道南と東北の地域経済発展に貢献したい」と述べた。28日午後6時の函館発が初便。旅客の予約も好調だという。(松宮一郎)



◎春合宿シーズン 北斗に選手続々

 【北斗】春合宿真っ盛り——。北斗市の春合宿受け入れが24日から始まり、札幌市などから訪れた市外の高校、大学の陸上部が運動公園陸上競技場(押上)で強化練習に励んでいる。

 道南地域の雪解けの早い利点を生かして市は、2011年度から宿泊費の補助制度を創設してスポーツ合宿の誘致に力を入れている。市は3月上旬から除排雪し、春休み期間中の合宿を受け入れている。今年は4月6日まで陸上、野球、バスケットボールの約20団体が市内で合宿する。

 25日は東海大学や白樺学園高校など5団体が同競技場で練習。朝から晴れ間が広がり、春めいた陽気の中、選手たちは久々のグラウンドの感触を確かめながら走路を疾走していた。

 このうち北翔大陸上部(重成敏史監督)は2年連続の市内合宿で、中長距走の選手17人が25日から30日の日程で滞在。400b、800b専門の赤間信也さん(3年)は「この合宿で手応えをつかみ実戦に臨みたい。今季の目標は北海道インカレで男女総合優勝」ときっぱり。長距離専門の山下裕未さん(2年)も「十分走り込みをし、2年連続の全日本学生駅伝出場と個人種目でインカレ出場を果たしたい」と意気込みを見せていた。 (鈴木 潤)


◎「リング」2路線を統一

 函館バス(森健二社長)は25日、5月1日からのバス路線再編案を明らかにした。神山・美原地区で運行している買い物バス「リング」で、2路線を統一するとともに100円均一を取りやめるほか、循環路線「レクサ」の名称変更と路線の一部見直しを行う。

 同日開かれた市生活交通協議会(木村健一会長)で示し、了承された。

 「リング」は同社唯一の100円均一バス。「年々利用者が減少し、1998年の運行開始当初に比べて燃料が高騰し、収支が厳しい」として、大人100円均一を取りやめ、初乗り同140円に変更する。これに伴い、バス・市電共通カードや回数券、高齢者・障害者専用カードが利用可能になる。

 併せて現在の神山線と美原線を統一し、1日10便運行。函館蔦屋書店と藤岡眼科(ともに石川町)に乗り入れる一方、利用者が少なかった美原4、5丁目と北美原2丁目、公立はこだて未来大学の経由を廃止する。

 「レクサ元町」は観光客の利用が多いことから「元町・ベイエリア周遊号」に名称を変更。1日32便運行するとともに、利用の少ない摩周丸前、東浜桟橋前などバス停8カ所を廃止する。「レクサ五稜郭」も名前を「日乃出・五稜郭循環バス」に改め、14便中3便はバスセンターまで乗り入れる。

 一方、函館国際水産・海洋総合研究センターへの路線を供用開始の6月に新設。月・金曜日に函館駅前から1便、函館どつくから7便運行する。また、赤川と昭和営業所を結ぶ55—1系統(1日4往復)を新設し、公立はこだて未来大学に乗り入れる。

 廃止は8系統(日吉営業所—函館駅前)の急行便と、函館江差線のうち五稜郭と亀田支所を経由する1便。また、西部地区を運行する「お元気バス谷地頭号」は月・金曜日の運行にし、1日1便に減らす。 (千葉卓陽)