2014年3月3日 (月) 掲載

◎買い物バス「便利」…朝市協同組合連合会が運行開始

 函館朝市協同組合連合会(井上敏広理事長)は2日、市内各地と朝市を結ぶ無料送迎買い物バスの運行を開始した。運行は3月の毎週日曜限定で、市内4コースと週替わりの市外1コースで地元客を呼び込む。初日から約110人が利用。到着時の振る舞い鍋のサービスも好評だった。

 地元住民の集客を図り、駅前地区の活性化させることが狙い。市の元気いっぱい商店街等支援交付金を活用、函館バスが協力した。市内の運行は、昭和営業所や湯川、陣川、日吉営業所をスタートする4コース。この日の市外コースは江差町からで、約50人が乗車した。

 朝市到着時にメンバーが「ゆっくり買い物を楽しんで」などと話し掛け、熱々の振る舞い鍋を手渡して歓迎した。北美原の藤川由紀子さん(67)は「とても便利。朝市で買い物をした後は駅前も見て回りたい」と笑顔。江差町の大谷昌子さんは「朝市に来たのは20年ぶり。買い物と食事を楽しみます」と語った。

 運行は23日まで。朝市での買い物だけではなく、駅前地区への移動だけでも利用できる。市内は行きが3便、市外は1便。問い合わせは同連合会(TEL0138・22・7981)へ。(松宮一郎)



◎冬・アート展開幕 26人表彰

 市民美術展「第14回はこだて・冬・アート展」(函館市文化・スポーツ振興財団など主催)が2日から、函館市芸術ホールで始まった。書や絵画、彫刻など函館市や近隣市町から173点の出品があり、初日から大勢の来場者が鑑賞した。入賞者の表彰式とギャラリートークも行われた。9日まで。 (鈴木 潤)

 「はこだて・冬・アート賞」や「はこだて・冬・アート展ポスター賞」など6部門に26点の作品が選ばれ、表彰式では、受賞者は同財団の佐々木茂理事長らから表彰状を受け取った。

 審査員の柳英克委員長は「若い人たちの書の作品が展覧会全体に活気を与えた」と講評。「色・空」という鉛筆絵画作品で昨年に続き「はこだて・冬・アート賞」を受賞した北斗市の藤枝和政さん(65)は「今年はどうかなと思っていたので受賞はうれしい。今後の創作の励みになります」と笑顔を見せていた。

 ギャラリートークでは、受賞者が自分の作品に対する思いや日頃の活動について語った。

 アート展は入場無料。午前10時〜午後7時(最終日は午後5時まで)。

 入賞者は次の通り(敬称略)。

 ▽はこだて・冬・アート賞=佐々木理子(油彩)野田玲菜(染織)藤枝和政(鉛筆絵画)

 ▽NHK函館放送局長賞=三上道昭(陶)

 ▽函館市文化団体協議会会長賞=橋本千央(書)

 ▽はこだて・冬・アート展ポスター賞=加藤春香

 ▽優秀賞=飯塚秀男(書)小林勝彰(陶器)佐々木優衣(書)竹内比奈乃(書)成田紗妃(切り絵)西山紀子(デザイン)野中加穂(書)山崎幹夫(水彩)

 ▽奨励賞=青島俊子(パステル)阿部貴之(書)飯田せつこ(油彩)大泉三郎(水彩)鎌田佑花(書)佐藤礼実(書)白瀬善美(折り紙)田中志歩(油彩)遠山嘉孝(写真)西岡優菜(書)西村藍(書)長谷紀子(墨絵) P説 初日に行われた表彰式



◎17市町と協定締結へ…函館市 定住自立圏推進で 

 生活機能を整備して定住促進を図る国の定住自立圏構想に関し、函館市は3月末をめどに、渡島・桧山管内の17市町と協定を結ぶ。新年度からのドクターヘリ導入に伴う広域救急医療体制や、北海道新幹線開業を見据えた交通アクセスの充実などに関し、連携を一層強化するのが狙い。9月には具体的な事業を盛り込んだ「共生ビジョン」を策定する考えだ。

 定住自立圏構想は人口減少や高齢化を見据えた取り組みで、人口5万人以上などの条件を満たす中心市と、生活圏を同じくする周辺自治体が連携して生活機能や経済基盤の維持を目指す。函館市は昨年9月に「中心市宣言」を行っており、17市町は各市町議会の議決を経て、必要な事業で市と個別に協定を結ぶ形となっている。

 連携する分野は▽生活機能の強化▽結びつきやネットワークの強化▽圏域マネジメント能力の強化—の3点で、市は具体的な連携項目として広域救急医療体制の充実、滞在型観光促進に向けたメニューの開発、交通ネットワークの形成など8事業を用意した。

 市企画部によると、8事業のうち夜間急病センターの運営などを盛り込んだ初期救急医療体制の充実に関しては北斗市、七飯町のみとし、それ以外は全市町と協定を結ぶ見通し。

 今年4月には共生ビジョンを協議する「圏域共生ビジョン懇談会」を設け、9月の策定に向けて具体的な協議を進めていく。他地域では事業を数多く盛り込んだことで手が回らなくなった地域もあるといい、市企画部は「コンパクトな内容でスタートさせる。事業は毎年増やすことができるので、小さく生んで大きく育てていきたい」(国際・地域交流課)としている。(千葉卓陽)


◎6次産業化推進へ検討会…渡島総合振興局、新年度から

 渡島総合振興局は、管内の関係機関・団体で構成する「渡島6次産業化推進検討会」を設置することを決めた。情報共有を図るとともに、効果的な支援方法を学ぶのが狙いで、新年度から具体的に動きだす。

 6次産業化は生産から加工、販売までを手掛け、一次産業が2次、3次の付加価値も得る。国の政策的な後押しもあり、全国各地で事例が増えている。

 約45人が参加した会合では、マーケティング会社「マインドシェア」(東京)の今井祥雅社長と、北海道観光まちづくりセンター(札幌)の宮本英樹代表役員が「地域資源を活用した6次産業化の推進」と題して講演。今井さんは6次化について「自分の商品に責任を持って、直接お客さまに届けようという仕事の仕組み」と解説。マーケティングに必要な4要素(プロダクト=製品、プライス=価格、プレイス=流通戦略、プロモーション=販売促進)を理解する大切さを説いた。その上で「誰に、何を、どのように」を明確にすべきだとした。

 管内の先進事例として、渡島農業改良普及センターの山羽法子主査が、在来種「函館赤かぶ」を使った千枚漬けについて紹介した。(山崎大和)