2014年3月31日 (月) 掲載

◎「海峡鱈子」北のハイグレード食品に

 【鹿部】上質な道産加工食品を選定する道の「北のハイグレード食品+(プラス)2014」に、鹿部町鹿部68のイリエ船橋水産(船橋吉右衛門社長)の「海峡鱈子(たらこ)」が道南で唯一選ばれた。粒子がしっかりしており、口の中でさらっと流れる。吉右衛門さん(62)は「これまでの努力が報われてうれしい」と喜んでいる。

 噴火湾の中でも、好漁場として知られる松谷沖で捕れるスケトウダラの上質卵を使う。水揚げされた魚体を見極め、一匹一匹手で触れて卵の状態を確かめる。製品化では卵を塩漬け、天然由来の調味料を使い、添加物も極力抑える。3日間、定温庫で熟成させて完成。保存料は使っていない。

 吉右衛門さんは「昔と何ら変わらない製法で、食べてもらえれば違いが分かる。子どもからお年寄りまで抵抗なく食べられると自負できる」という。

 タラコ製品では初の選定となり、吉右衛門さんは「同業者が多い中で、うちの商品が選ばれるとは」と謙遜する一方、「ぶれずにわが道を進んできて良かった」と笑顔。営業部長で妻の敦子さん(62)は「ようやく認められてうれしいと思う半面、責任の重さを感じた」と気を引き締める。

 吉右衛門さんは「本物志向のお客さまを中心に、もっと多く人にこのタラコを知ってほしい」と話す。

 北のハイグレード食品は2011年度以降、毎年選定。道南からは初年度に3品、13年に1品選ばれている。審査員は食の専門家17人で、最上級の道産品としてお墨付き≠得たことになる。

 海峡鱈子は300cで3000円、500cで5000円(いずれも税別)。道どさんこプラザ札幌店や丸井今井函館店、東京・歌舞伎座で販売している。問い合わせは船橋水産(TEL01372・7・2010)へ。(山崎大和)

ていく考えだ。ラーメン店やそば店など、さまざまなジャンルの店からの問い合わせがあるという。

 全店4月1日から、ドリンク、サラダを付けて1080円で提供する。また、スタンプラリーも実施。5店舗のイカナポリタンを食べてスタンプを5つ集めると加盟店で2カ月間何度でも使える会計10%割引パスポートをプレゼントする。

 問い合わせは、カルドカルチョ(TEL0138・54・3737)まで。(金子真人)



◎「そこのみにて光輝く」 カクテルに

 ロワジールホテル函館(函館市若松町14、岡村匡支配人)は4月1日から、映画「そこのみにて光輝く」の公開(4月12日)に合わせて2階レストランホールで映画パネル展を開く。また、13階のバー「エステラード」では、映画にちなんだオリジナルカクテルを提供する。いずれも5月31日まで。

 同映画は、函館市出身の小説家・佐藤泰志(1949〜90年)の小説が原作。昨年6月下旬から約1カ月かけて函館市と北斗市で撮影された。

 パネルは「はこだてフィルムコミッション」と配給の東京テアトルから提供されたもので、綾野剛さんや池脇千鶴さんら出演者の写真など20枚を展示する。改行 カクテルは映画を見たバーテンダーの工藤正樹さんが、登場人物をイメージして考案した「TATSUO」「CHINATSU」「TAKUJI」の3種類。いずれもジンがベースで、すっきりとした飲み口が特徴だ。各1000円で映画の半券を提示すると半額になる。

 工藤さんは「底に沈む色はそれぞれの人物が持つ希望の光として表現した。映画を見た後の余韻とともに味わってもらいたい」と話している。(金子真人)11時半)など6カ所を巡回する。(鈴木 潤)



◎「認知症カフェ」道南でも 19日に初開催

 認知症の人や家族が集い、お茶を飲みながら語り合う「認知症カフェ」が全国的に広がっている。家に閉じこもりがちな患者や介護者が安心して過ごせる場所をつくるとともに、地域の支援の輪を広げる狙いもある。函館市内でも「物忘れカフェどうなんでしょうの会」(大橋美幸代表)が発足し、開設に向けて準備を進めている。

 認知症患者は全国で推計462万人(2012年時点)。高齢化の進行に伴い、今後も増え続けていくとされ、患者に対する地域での支援体制づくりが課題となっている。

 厚生労働省は本年度からの「認知症施策推進5か年計画」(オレンジプラン)に、認知症カフェの普及を盛り込んだ。支援策として公的に位置づけられたこともあり、各地で開設が相次いでいる。

 市内では函館大准教授の大橋さんと、「認知症の人を支える会」代表の佐藤悠子さんが中心となり「物忘れカフェ」を始める。

 毎月1回、函館市総合福祉センター(若松町33)で、参加者がコーヒーやお茶を飲みながら語り合う。患者や家族だけではなく、地域住民や学生らも参加することができる。

 佐藤さんは「気軽に来て、世間話や愚痴などを言える場をつくりたい。また、地域の人たちに認知症への理解を深めてもらう機会になればうれしい」と話している。

 初回は、4月19日午後1時半から午後3時半まで、同センター3階会議室で開く。参加費は300円(お茶菓子代含む)。問い合わせは、事務局の佐藤さん(TEL090・6871・9489)まで。(金子真人)


◎湯川漁港に憩いの場…交流広場 あす一般開放

 函館市が函館湯川漁港内に整備を進めてきた交流広場の工事が完了し、4月1日に供用を開始する。津軽海峡を眺めることのできる遊歩道や駐車場、トイレなどを整備。観光客や市民が水辺で遊んだり、漁業を身近に感じることのできる場所として、さまざまな活用が期待される。

 湯川漁港は2001〜10年度に整備。都市型漁港として、人々が水辺で楽しめるように配慮した「親水護岸」を備える。当初から環境整備施設用地に「ふれあい機能」を持たせることが計画に盛り込まれていた。

 市は昨年度から交流広場の整備に着手し、今年1月に工事が完了した。約2750平方bの敷地内に36台分の駐車場やトイレ、あずまや、ベンチなどを整備した。周辺にはカイヅカイブキやハマナスを植えた。事業費は総額7488万円で国の補助率は2分の1。

 同漁港には毎年8月に開かれる「湯の川温泉いさり火まつり」では花火見学のスポットとして多くの市民が訪れている。市水産課は「津軽海峡を眺めながら散策できる。漁業者の協力を得ながら漁業体験の場としての活用も検討していきたい」としている。(今井正一)