2014年3月4日 (火) 掲載

◎タイから観光客 新年度に誘致強化 函館市、関連予算に計上

 函館市は新年度、タイを中心とした東南アジアからの観光客誘致活動を強化する。昨年、初めて実施した官民トップによる訪問団の活動成果もあり、市場拡大が大きく見込めるため。旅行会社関係者の招請や、トップセールスの展開など観光関連経費のほか、物産展開催経費も予算案に計上。現地との関係強化や知名度向上を図る考えだ。

 日本政府観光局(JNTO)の統計によると、昨年1年間のタイからの来日者は45万3600人で、前年比の伸び率は18カ国中最高。市内の外国人宿泊客数でみても、2012年度の2346人が、本年度上半期(昨年4〜9月)は4217人に増加している。

 市の公式観光情報サイト「はこぶら」のアクセス数にも変化がみられ、タイからのアクセスは12年の2005件から8668件に増加し、国別で前年の5位から台湾、香港に次ぐ3位に浮上。シンプルウェイの阪口あき子社長は「昨年は国内外問わず、アクセス数は大幅に増えた。英語版、中国語版と同様にタイ語ページの内容充実を検討している」とする。

 市が初めて実施した昨年11月のトップセールスでは副首相との会談が実現、タイ国際航空からチャーター便運航に前向きな回答があるなどの成果があった。2月には教育大臣が人材交流促進のために視察に訪れるなど、さまざまな分野での波及が期待されている。

 今年も11月にトップセールスを予定し、市内の教育機関関係者も同行を予定。この際に函館の四季の写真を使った、タイ語の卓上カレンダーを製作(予算額154万円)し、配布する。クリスマスファンタジー開催時期にはタイとインドネシアの旅行会社、メディア関係者を招く経費として297万円を計上した。観光コンベンション部ブランド推進課は「タイ市場をめぐる地域間競争は激しいが、これまで築いた人脈を大切にしながら誘致を進める」とする。

 一方、経済部はタイ国内で開かれる物産展参加経費として200万円を計上。昨年11月に初参加したタイでの物産フェア「うまいっしょ!北海道」では、イカめしやさきいかなどの反応が良かったという。新年度は同フェアか、百貨店での物産展参加を検討中だ。商業振興課は「ジェトロなどを通じて現地の情報を把握し、市場の拡大につなげていきたい」としている。(今井正一)



◎生活保護不正受給 市民の通報一元化 函館市、新年度にホットライン新設

 函館市は新年度、生活保護の不正受給に関する市民からの情報を受け付ける「不正受給ホットライン」を新設する。嘱託職員が応対し、これまで分散していた市民の通報を一元化する。

 2012年度の生活保護費の不正受給で、1件当たりの平均金額が前年度3万4千円増の52万2千円と過去10年で最多となり、市民からの不正受給に関する通報が年々増えていることを受けた取り組み。

 不正受給に関する通報は本年度1月末で前年度比100件増の400件。このうち、不正受給と認定されたのは303件で、悪質な17件は支給打ち切りになった。情報提供の手段は電話が最多の237件、来所が28件など。中には生活保護者に対するねたみや中傷などの情報もあるという。

 市は本年度から、警察官OBとケースワーカーの不正受給に対応するチームを配置。ホットラインは、新たに嘱託職員を1人増やした同チームが担当する。通報内容を精査した上で、悪質なケースは刑事告発も視野に入れている。

 また、市ホームページの生活保護に関する部分を一新し、不正受給に関する市民の情報の処理状況などを掲載する予定。同課は「1件1件の通報を慎重に調べ、不正受給者の減少につなげたい」としている。(平尾美陽子)



◎高校生6人が留学体験語る 8日に蔦屋書店でイベント

 函館市内の高校生6人のグループが8日午後3時から、石川町の函館蔦屋書店で留学体験を語るイベントを開く。中学、高校時代に留学やホームステイで見聞を広めたメンバーが、海外での経験や日本文化との違いについて語る。参加は無料。

 メンバーは全員3年生で、市立函館高の齋涼太朗さん、朱田理沙さん、遺愛高の宮谷由貴奈さん、木村萌夢さん、白百合高の今野瑛美梨さん、ラ・サール高の田辺凌祐さん。

 6人は中学時代に函館市の海外派遣事業でオーストラリアに留学したときからの仲間。高校生になってからは相馬報恩会の留学奨学制度でオーストラリアに渡った。帰国後に報告会を開いたが、もっと多くの人に海外での体験を伝えようと、今回のイベントを企画した。

 タイトルは「函館から世界に羽ばたこう 高校生たちの留学体験記」。当日は3組に分かれ、それぞれ留学したときのエピソードや感想を紹介。同店の旅行コンシェルジュ、坂本幹也さんも加わり、メンバーとトークを繰り広げる。ほかにゲームや座談会も行う。

 メンバーの齋さんは「留学することの意義や異文化を理解することの楽しさを発信したい。それぞれが感じたことを語ります」と意気込む。

 午後5時まで。申し込みは不要。直接会場へ。(松宮一郎)


◎搭乗無料や記念写真 五稜郭タワー15日から新小学1年祝うイベント

 五稜郭タワー(函館五稜郭町43)で15日から、新小学1年生を祝うイベント「新入学おめでとう! 親子でのぼっタワー」が始まる。新1年生の料金が無料になるほか、同タワー展望2階で記念写真を撮影する。4月7日までの期間限定。

 市内と道南在住の新小学1年生が対象。タワーから臨む美しい景色を背景に、新入学の記念にしてもらおうと毎年開催。昨年は150組を超える家族連れが訪れた。同タワー搭乗課では「思い出作りの一環に、家族そろって足を運んでほしい」としている。

 新小学1年生の家族も1割引で、大人760円、中高生570円、小学生380円。写真は後日郵送する。希望者は展望チケット購入の際、団体カウンターへ。問い合わせは同タワー搭乗課(電話0138・51・4785)へ。(虎谷綾子)