2014年3月7日 (金) 掲載

◎函館市、ふるさと納税大幅増

 函館市への本年度の「ふるさと納税」が1月末現在で1466万円と、前年度に比べて大幅に増加していることが分かった。市財務部によると、本年度の増加は700万円の大口寄付金が大きな要因だが、「寄付者自体も増えており、これまでのPR活動の成果や制度の浸透が図られてきている」(管理課)とみている。

 ふるさと納税は好きな自治体に寄付ができる制度。地方税法改正に伴い、2008年度から実施している。好きな自治体に2000円以上の寄付を行うと、現在住んでいる市町村の住民税、所得税が控除される仕組み。

 本年度の「納税額」は、函館市議会第1回定例会の個人質問で、吉田崇仁氏(市政クラブ)の質問に山田潤一財務部長が答えた。今年1月末現在、98人から1466万2100円が寄付されており、過去最高だった12年度(54人、529万6140円)を大幅に上回っていると説明した。

 市はJR函館駅や函館山ロープウェイなど、人の集まる場所にパンフレットを設置しているほか、首都圏や関西にある函館ゆかりの団体の会合に合わせてパンフを配布して、アピールに努めている。

 市は寄付者に対して礼状を送って寄付の継続を呼びかけるとともに、記念品を贈呈。12年度からは金額に応じて函館産の海の幸をプレゼントしており、寄付金額に応じて最大1万円相当の海産物や、水産加工品などを贈っている。(千葉卓陽)



◎ホビットが介助犬デビュー、田畑さん「心強いパートナー」

 函館市千代台町の学生田畑つかささん(23)の生活を支えるホビット(雄、2歳)が先月、名古屋市で行われた認定試験に合格し、介助犬としてデビューした。手足にまひがあり、車いすを使う田畑さんは「身の回りの小さな補助とともに、ホビットはとても心強いパートナー」と話している。

 ホビットはラブラドールレトリバーとゴールデンレトリバーのハーフ犬。昨年2月末から介助犬としての訓練を重ね、9月からパートナーとなる田畑さんと合同訓練を開始。先月13日に名古屋市内で実技試験などに望み、合格した。介助犬は身体障害者補助犬法に基づいて認定され、道内では3匹目。道南では初めてという。

 介助犬は身体の不自由な人のために、日常生活の動作を助ける。ホビットの主な任務は布団をかける作業や扉の開閉など。田畑さんは日本介助犬協会(横浜市)の紹介を受け、ホビットと出会った。

 以前は「誰かの支えが必要で、1人で外出しにくかったが、ホビットが来てからは1人で外出する勇気がついた」。介助犬に合格後、初めて飛行機に搭乗した際は「訓練士さんもいなくて緊張や不安はあった。でもCA(キャビンアテンダント)さんが親切に声をかけてくれ、ホビットと一緒に無事に乗ることができた」という。

 介助犬と書かれたベストを着た犬は、交通機関や公共施設などでの同伴が認められるが、中には入店を断る飲食店があるのが現状という。田畑さんは「介助犬の認知度はまだ低いので、社会全体に広がってほしい。外でのホビットは仕事を頑張っているので、見かけても触れたりせず優しく無視してもらえると助かります」と話している。(平尾美陽子)



◎海外の魅力知って、HIFが22日に蔦屋書店でイベント

 函館市は22日午後1時から、函館蔦屋書店(石川町)で、日本を代表する映像作家・フォトグラファーの貫井勇志さんをゲストに招いた「第2回Let’s Go 海外フェア」を開く。企画・運営を担当する北海道国際交流センター(HIF)は「貫井さんの講演は海外に興味がある方だけでなく、映像や写真が好きな方にとっても貴重な機会。ぜひ足を運んでほしい」としている。

 海外留学やインターンシップについて気軽に情報収集できる場をつくろうと昨年11月に初開催した。今回は、日本と海外を拠点に活躍するゲストから海外の魅力について話を聞く趣向。

 午後1時からの第1部はスペシャルゲストの貫井さんによる講演会。貫井さんは20歳で渡米後、ロサンゼルスを拠点にファッション誌やスポーツ誌に作品を提供するなど幅広い分野で活躍。近年は世界遺産を定点撮影する作品「αCLOCK」の制作で知られる。

 同2時過ぎからの第2部は同店の「旅のコンシェルジュ」坂本幹也さんと貫井さんが海外渡航の目的や仕事についてパネルディスカッションを展開する。

 このほか、市内の大学に在籍する留学生による現地情報の相談ブースなども設ける。入場無料で事前予約が必要。問い合わせは同センター内GCサポート函館(電話0138・22・0770)まで。(森裕次郎)


◎大間原発反対の思い歌に込め、高島さんが制作

 函館在住のシンガーソングライター高島啓之さん(44)が、反原発ソング「届くんだよ。だから…」を制作した。自分の大好きなまちの景色を守るため、大間原発(青森県大間町)の即工事中止を求めるメッセージソングだ。9日に千代台公園で開かれる集会「フクシマを忘れず、大間原発を止めよう!」(実行委主催)で初披露する。

 高島さんが反原発をテーマに歌を作ったのは初めて。東日本大震災から丸3年となる11日に、大間から1000個の風船を飛ばす計画に合わせ、テーマソングを作ろうと実行委メンバーに相談したところ、賛同を得た。自ら作詞・作曲を手掛け、2週間かけて制作した。

 啄木小公園や大森浜、いさり火、路面電車…。函館の日常の何気ない風景を歌詞に登場させ、暮らすことの幸せを表現。「この景色から飛ばそう 平和でふくらんだ風船を」と、放射能を心配しない生活がしたいと訴える。高島さんは「大間でもし事故が起きれば、大好きな景色が失われる。そうならないことを歌を通じて伝えたい」と話す。

 集会は午後1時半から、集会後に千代台公園から五稜郭公園までデモ行進する。参加自由。問い合わせは高橋さん(080・5590・4117)へ。(山崎大和)