2014年3月8日 (土) 掲載

◎函館朝市ひろば 4月12日オープン 旧渡島ドーム 市民集う場所に

 建て替え工事が進む函館市若松町の「渡島ドーム」が4月12日、「函館朝市ひろば」と名前を変えてオープンすることが決まった。生産者が生鮮野菜を直接販売するゾーンやフードコートを整備。市民活動に利用できるイベントホールなどコミュニティ機能を持たせ、観光客はもちろん、市民が集う施設を目指す。

 旧ドームは1963年に建設。渡島蔬菜(そさい)農業協同組合の運営で約50の店舗が軒を連ね、生鮮野菜や海産物などを販売。北海道新幹線の開業をにらみ、昨年秋から改築を進めていた。市の中心市街地活性化基本計画で、建設には国の補助金を活用。総工費は約5億5000万円。

 新施設は鉄筋造2階建て。外観はレンガ調で、ドーム時代とは雰囲気が一変。1階は農産物や海産物など扱う50店舗が入居する「物産街」と生産者らが生鮮野菜を直接販売する「産直市」がメーン。フードコートでは地場の野菜を使ったスープやフレッシュジュース、ラーメン、海鮮丼などを提供する。

 市民を呼び込むため、2階部分はイベントホールにした。料理教室やサークルや団体の利用を見込むほか、セミナーなど集会にも使ってもらう。観光客の利便性を高めるため、施設内はWiFi(公衆無線LAN)環境とし、各店では電子マネー、交通系ICカードで決済できるようにする。

 4月12日は午前10時からテープカットなどの式典を行う。早朝からの通常営業は13日から。同組合の伍楼進組合長は「オープンが近づき、商売をする人や市民の期待の高さを感じている。多くの市民に来てもらいたい」と話した。(松宮一郎)



◎ニシンのぼり 一般販売開始 江差の空に元気に泳いで…

 【江差】姥神大神宮で掲揚されている「ニシンのぼり」の一般販売が始まった。高級仕上げで1匹8万円。5日には大神宮で報告会があった。

 ニシンのぼりは体長2b。江差町歴まち商店街協同組合(室谷元男理事長)が用意。青森県大間のあおぞら組(島康子組長)のデザイナー・古川たらこさんが図案を手掛けた。

 ニシン漁で栄えた当時を表現する「江差の五月は江戸にもない」をテーマに、輝くうろこは銀ぱくで江差かもめ島の瓶子(へいし)岩や波、サクラ模様など雅(みやび)やかな雰囲気だ。

 報告会で古川さんらが、大間ではマグロのぼりが住民の心をつなぎ、前向きなまちづくりの原動力になっていることを伝え、「ニシンのぼりも江差の空を元気に泳いでもらいたい。海のニシンも戻って来てほしい」と激励した。

 町内のいにしえ街道のショッピングウィンドーで近日展示予定。問い合わせは同組合(江差商工会内電話0139・52・0531)へ。(田中陽介)



◎中島廉売活性化に期待 「ふれあいセンター」完成 4月オープン

 NPO法人日本障害者・高齢者生活支援機構(能登正勝理事長)が函館市中島町25に建設を進めてきた「中島れんばいふれあいセンター」が完成した。オープンは4月の予定。同NPOは「誰もが暮らしやすい地域づくりに貢献していきたい」としている。(金子真人)

 建物は5階建て、延べ床面積は1815平方b。同NPOが取り組んでいる障害者支援や起業家支援の充実を図り、中島廉売の活性化につなげる狙い。

 1階はカフェや図書館を設け、地域住民や買い物客らの交流の場として開放するほか、イベントスペースとして利用する。

 2階は企業家や個人事業主らがオフィスを共有する「インキュベーションスペース」とし、貸会議室3室のほか、仕切りで区切った5・5平方bのスペースを事務所として半年単位で貸し出す。3、4階は児童・生徒の放課後デイサービスや障害者の就労支援施設、5階は同NPO事務所。

 同NPOは「福祉サービスを充実させ、新たに企業家らを呼び込むことで、中島廉売で買い物をするきっかけをつくっていきたい」としている。


◎函館大の学生、高齢者向け料理を開発へ 

 高齢で歯が弱ってもおいしく食べられるメニューを開発しようと、函館大(溝田春夫学長)の「歯がいいはこだてプロジェクト」の学生メンバー3人が、新年度の試食会開催に向けて活動している。6日夜には、函大近くの高丘町会(武下秀雄会長)の協力でアンケートを行った。

 メンバーは2年の工藤大さん(20)、石井優慈さん(20)、山崎恵汰さん(20)の3人。図書館課長補佐の竹山久芳さんがコーディネーターを務める。

 活動は2012年11月にスタート。歯に関する知識を学んだ後、歯と食事について尋ねる12問のアンケートを作成。自分の歯が何本残っているかや、食べづらい物はどのようなものか、家庭料理で好きなおかずは何か—などを聞く内容で、ホテルやデイサービスなど7カ所を訪れてアンケートを実施。高丘町会は定例役員会の席上、17人に記入してもらった。

 約300件の回答が寄せられており、集計・分析を経て、系列の函館歯科衛生士専門学校と函館短大付設調理製菓専門学校の協力を得てメニューを試作。同町会と連携して試食会を開く予定だ。

 工藤さんは「活動では年上の人と接する機会が多いので、社会勉強になる。自分の祖母も食べにくいものが増えているので、料理ができたら紹介したい」、竹山さんは「函館発の高齢者向け料理を開発したい」と夢を膨らませる。(山崎大和)