2014年4月10日 (木) 掲載

◎学校給食に地場産ヨーグルト

 学校給食へ地場産食材や製品の普及を進めている函館市教育委員会は本年度から、函館酪農公社(中野町)が製造する「函館PGヨーグルト」を導入した。PGは糖タンパク質「プロテオグリカン」の略で、カルシウムの吸収や骨への定着にも作用するといい、市販化に先駆けて、9日から学校給食での提供が始まった。

 サケの鼻軟骨などから抽出できるPGは、医療や美容分野での活用が注目されている。同社は独自技術でヨーグルトへの配合研究を進め、2012年に高級ヨーグルト飲料として首都圏の百貨店などで販売を開始し、好評を得ている。

 これまでの開発技術を生かしてPGの配合量を変えて製品化。地場産食材の導入を進める市教委の意向とも合致し、採用された。同社の金子岳夫開発企画室長は「子どもたちや高齢者にも食べてもらいたい。PGは保水力が強く、ヨーグルトの離水が起きにくいのも特徴」と話し、スーパーなど小売店での販売に向けた準備も進めている。

 函館港小学校(平馬隆司校長、児童411人)では9日が今学期初の給食。子どもたちの人気筆頭格のカレーライスとサラダにPGヨーグルトが登場し、教室にはおいしい笑顔が広がった。4年生の中里望羽(みはね)さん(9)は「少し固めだけど滑らか。家でも食べたい」と話し、工藤優斗(まさと)君(9)は「普段食べているヨーグルトと違い、ちょうどいい甘さでおいしかった」と話していた。

 平馬校長は「食べることを通じて、地域の産業に興味を持ち、さまざまな仕事とのかかわりを知るきっかけにもなってほしい」と話していた。(今井正一)



◎大間提訴の寄付金1000万円突破

 函館市が提訴した、大間原発(青森県大間町)の建設差し止め訴訟に対する市への寄付金が、9日午後4時現在で258件、1245万円に達し、3月27日の受け付け開始から2週間で1000万円を突破した。

 市総務部によると、内訳は口座振り込みが168件、863万7953円、市への持参が51件、346万円、郵便書留が39件、35万7180円となっている。8日に市内の民間企業から200万円、9日にも企業から300万円と大口の寄付が寄せられた。同部は「短期間でこれほど来るとは思っていなかった。取り組みの大きな力になる」としている。

 本年度補正予算では訴訟費用として391万円を計上したが、市は寄付金を訴訟費用に充てることで税金を使わない方針。寄付金の振込先は、北洋銀行函館中央支店・普通口座4187083、名義は「函館市大間原発訴訟寄付金」。現金書留の場合は〒040・8666、函館市東雲町4の13、函館市総務部総務課大間原発訴訟寄付担当宛て。同課への持参も受け付けている。(千葉卓陽)



◎米の路面電車事業者団体が来月来函

 アメリカの路面電車事業者らで構成する団体「ERA」の会員が5月に函館を訪れることが決まった。3週間かけて日本国内各地を巡り、函館には43人が訪れる予定。市交通部は駒場車庫までの送迎に米国ブリル社製の台車を使用した「箱館ハイカラ號」を運行し、一行を歓迎する方針だ。

 道内での受け入れ準備を進めている札幌の市民団体「札幌LRTの会」のメンバー4人が8日、事前協議のために同部を訪問。同会副会長でERA会員の臼井寛さんによると、ERAは全米の路面電車など公営交通事業者の関係者やOBが会員の中心。定期的に世界各地での視察旅行を実施しており、今回は日本が旅先に選ばれた。

 一行は5月4日に来日。都市間の移動はJRを使用し、東京や富山、広島、鹿児島、愛媛など国内の主だった路面電車の走る都市を回る。函館には同20日に入り、翌21日は札幌を日帰りで訪れる。路面電車を楽しむ旅の締めくくりとして、22日に駒場車庫を見学し、24日に帰国する予定だ。

 同部は路面電車を目的にした海外からの団体客の受け入れは「おそらく初めて」とする。参加者は60歳代が中心で、「古い電車に乗りたい」という希望が寄せられていることから、往時の米国製台車を使用している「ハイカラ號」に乗ってもらうことで、喜んでもらう考えだ。臼井さんは「ハイカラ號の台車を懐かしく思う人もいるのではないか。日本の旅を楽しんでもらえるよう準備を進めていきたい」と話していた。(今井正一)


◎旧ロシア領事館の利活用考えよう

 旧ロシア領事館(函館市船見町17)の利活用計画をテーマにした国際コンペ「ハコダテ☆ものづくりフォーラム」設計競技2014(実行委主催)で、ウェブ上でのエントリー受け付けが始まった。27日には、応募登録者を対象に現場見学会を開催する。

 設計競技は今回で3回目で、国際コンペは初めて。同領事館の建物、敷地を含めた空間の再生を主題とし、所有者の市に提案する狙い。

 応募登録(7月7日締め切り)を済ませ、応募作品は同11日必着で受け付ける。一次審査で8点程度を選定し、8月23日に市中央図書館で最終審査(公開)を行う。同24日から同図書館を皮切りに、作品展示会を予定している。

 応募は1人(グループ可)1点。賞は1等1点(賞金30万円)、2等1点(同10万円)、3等1点(同5万円)、佳作5点(同1万円)、市民賞1点(賞品)。

 同フォーラムの石王紀仁代表は「今回は海外も含め100点以上の応募を目指す。函館の伝統的建築物を残したいという熱意を作品に込めてほしい」と呼び掛ける。

 エントリーは同フォーラムホームページ(http://www9.plala.or.jp/hmf-comm/)で。問い合わせは石王さん(TEL0138・82・2501)へ。(山崎大和)