2014年4月12日 (土) 掲載

◎登山道開通 春の函館山に続々

 冬季通行止めとなっていた函館山登山道(道道立待岬函館停車場線)が11日午前11時に開通した。登山ゲートが開くのを待ち望んでいたドライバーたちは、一斉に走り出し、春の函館山をいち早く満喫した。

 12台が車列を作り、開通を待ちわびる中、青柳町会が「無事に帰る」という思いを込めた手作りのカエルのお守りをドライバーに配布。山火事が懸念される時期であることから、元町婦人防火クラブ(江頭久栄会長)が、火の取り扱いの注意を呼びかけながら、パンジーの鉢植えなどを手渡した。江頭会長(75)は「魅力あふれる自然をドライバーの皆さんにも大切にしてもらいたい。防火を意識し、ドライブを楽しんでほしい」と話していた。

 例年1番乗りで登山道開通を待っているという、北斗市の会社員、山本博幸さん(43)は「昨年は雪まみれだったが、今年はどんな景色が広がっているか楽しみ。毎年いただくお守りもうれしい」と笑顔を見せ、札幌から旅行で函館を訪れた岡田昭江さん(43)は「開通がきょうだと偶然知り、せっかくなので来てみました」と話していた。

 同登山道は13日まで、夜間凍結の恐れがあるため午後5時〜午前9時を通行止めとするほか、25日から10月15日までの間、混雑防止のため午後5時〜同10時が通行禁止となる。(虎谷綾子)



◎四季の杜公園 「ちびっこ広場」がオープン

 道立道南四季の杜公園(函館市亀田中野町)で11日、未就学児向けの室内遊戯施設「ちびっこ広場」がオープンし、親子連れが伸び伸びと遊ぶ姿が見られた。同公園は本年度から通年開園しており、四季を楽しめるイベントを充実させていく考えだ。

 ちびっこ広場は、同公園の管理事務所がある丘の家の多目的集会室(164平方メートル)を改修。クッション性のある床に張り替え、ボールプールや滑り台、幼児専用のクライミングウオールなどを新設した。利用無料で、夏季(4〜10月)は毎週金、土曜日に開放。冬季(11〜3月)は毎日利用できる。利用時間は午前10時から午後4時まで。

 11日は午前10時のオープンから親子連れが訪れ、元気に体を動かしていた。市内本通の前田佐知子さん(37)は1歳の長女と訪れ「あまり広くないので子どもに目が届くし、飽きたら外でも遊べる。こういう場所は市内にあまりなかったので、助かります」と話していた。

 同公園は冬期間、管理する市住宅都市施設公社が駐車場など一部を開放していたが、ちびっこ広場の設置をきっかけに本年度から通年開園を開始。水田やスゲ田などがある「小川の里ゾーン」で、休憩施設「里の舎(いえ)」を冬場も開放し、スノートレッキングの拠点として使ってもらう考え。

 また、管理事務所の丘の家には子ども向けの読み聞かせスペースを新たに設置し、月1回程度読み聞かせの会を開く予定。

 冬場にはスノーキャンドルの製作体験なども行う考えで、同公園の戸田雅信所長は「通年開園を機に、春夏秋冬を楽しめるイベントを企画していきたい」と話している。(千葉卓陽)



◎初弁論 7月3日で調整…大間訴訟で函館市

 函館市が大間原発(青森県大間町)の建設差し止めなどを求め、国と電源開発(東京)を相手取り東京地裁に起こした訴訟について、市が7月3日に初弁論を行う方向で調整していることが11日、分かった。初弁論では工藤寿樹市長が自ら法廷に立ち、意見陳述を行う予定としている。

 市は4月3日に提訴。市総務部によると、東京地裁から市の代理人に対し、6月中旬以降の初弁論を打診する連絡があった。市は6月に定例市議会があるため、議会終了後の7月に開くことで弁護団との調整を進めている。

 弁護団は市長に対し意見陳述を求めており、市長も応じる考え。被告の国と電源開発は初弁論までに答弁書を提出し、争点が明らかになる見通し。

 工藤市長は10日に日本外国特派員協会(東京)で記者会見を行い、外国人記者に提訴の経緯などを説明。司法の場で▽避難計画を義務付けられる30キロ圏内の市町村まで同意権を拡大する▽建設や稼働の際は実効性のある有効な避難計画の策定を条件にすべき▽原子力規制委員会の審査をクリアするまでは建設を中断すべき—と主張する考えを、あらためて示した。

 また、市の弁護団長を務める河合弘之弁護士(東京)は、裁判中に大間原発の建設が進んだ場合に、同地裁に建設や運転差し止めを求める仮処分の申請を検討していると明らかにするとともに、「世論や裁判の動きによって、電源開発が建設をあきらめることも十分にあり得ると考える」と述べた。(千葉卓陽)


◎江差町長選 照井氏が出馬表明

 【江差】8月7日の任期満了に伴う町長選に、元会社員の照井誉之介(よのすけ)氏(29)が11日、出馬表明した。4人目の出馬表明で、江差町長選では過去最多となる。

 照井氏は横浜市出身で早大卒。2009年7月から3年間北海道新聞江差支局に在籍、その後帯広支社に勤務、4月に退職した。

 江差について「町民の古里への思いは強く、記者生活での触れ合いを通じて私も同じ思いを育み、忘れたことはない」と強調。雇用の少なさを危惧し「若者が離れざるを得ない現状の打開策を」と、政策に▽産業振興▽教育・子育て支援▽職員の能力を最大限に生かす「役場改革」を挙げる。

 給食問題などの不祥事には「再発防止が大事。30年、50年後をどう考えるかが問題で、一丸のまちづくりで、そのまとめ役になって新しい風を起こしたい」と述べた。

 支援は江差の30〜40代中心の商工業者ら約10人といい、「草の根的に町民と対話していく」とする。

 町長選をめぐっては、元町議で無職の田畑豊利氏(58)と現町議の横山敬三氏(69)、現職の浜谷一治氏(69)が出馬表明済み。このほか出馬を模索する動きがある(田中陽介)