2014年4月15日 (火) 掲載

◎七飯町長選に中宮氏3選 田村氏に181票差

 【七飯】任期満了に伴う七飯町長選は13日投票され、即日開票の結果、現職の中宮安一氏(59)=無所属=が7168票を獲得、新人で元町企画財政課長の田村敏郎氏(62)=同=を181票の小差で破り、3選を果たした。投票率は60・83%で、2010年の前回選挙より6・46ポイント下回った。

 前回に続き、現職対元町職員の一騎打ちとなった選挙戦は、北海道新幹線開業や福祉充実などに向けた地域活性化策が焦点となった。中宮氏にとっては、藤城小の桜の木の伐採問題や議会からの問責決議など、2期目に起きた問題の審判を仰ぐ戦いとなった。

 中宮氏は昨年9月に出馬表明。後援会組織を基盤に、連合北海道や建設業を中心とした企業約30社から推薦を受けたほか、町議の半数以上が支持した。

 選挙戦では健全財政の堅持や、老朽化が進む大中山小、学校給食センター、消防署の改築など2期8年の実績をアピール。新幹線開業を見据え、JR大沼駅に転車台を整備し、「SL函館大沼号」を活用することによる観光客増大や、峠下地区に商業施設の並ぶ「道の駅エリア」の整備、高齢者・障がい者・子育て支援対策、2020年の東京五輪に向けた合宿誘致の強化として、サッカー場の整備などを訴えた。

 田村氏は昨年9月に出馬表明し、地元会社役員や農業者らを中心に後援会を発足。特定の政党や団体の推薦を受けない「草の根」運動を展開した。「夢と活力のあるまちづくり」をキャッチフレーズに、女性目線での福祉の充実などを強調。高校生までの医療費無料化の拡大、パークゴルフ場などスポーツ施設の拡充、新幹線開業イベントとして、函館、北斗の2市と連携した「赤松街道フルマラソン」の開催などを政策に掲げたが、わずかに及ばなかった。

 当日有権者数は2万3564人(男性1万607人、女性1万2957人)。期日前投票は2170人だった。

 同じく行われた七飯町議補欠選(欠員1)は、新人で元道職員の無職川村主税氏(43)=無所属=が5475票を獲得し、初当選を果たした。

 補選には、川村氏のほか、いずれも新人無所属で保険代理業の三箇俊昭氏(64)、農業の池田誠悦氏(53)、金融専門職の進藤博紀氏(33)が立候補した。投票率は60・75%で、前回2011年4月の町議選を1・85ポイント下回った。(柏渕祐二)



◎大沼の遊覧船準備万端 15日から今季営業

 【七飯】大沼で観光遊覧船を運航する大沼合同遊船(小泉真社長)は14日、15日からの営業開始に向けて遊覧船5隻を湖に下ろした。湖に浮かべられた遊覧船は早速試運転が行われ、大沼の雪解けを知らせるエンジン音が響いた。

 今季の営業開始に合わせ、3月下旬から船の清掃、点検、塗装を行い準備してきた。

 作業は午前8時半ごろから開始。陸で保管していた遊覧船を社員や作業員が重機などを使い専用のレールに載せて、1隻ずつ湖へ下ろした。

 同社によると、昨シーズンは7万人が遊覧船を利用。同社の堀純さんは「昨年は夏以降、ゲリラ豪雨やJRの問題で来場者数が伸び悩んだ時期があった」とし、「台湾や韓国、タイからの利用客も多い。今年は8万人以上の利用が目標」と話していた。

 営業は15日から始まり、湖が結氷する12月中旬ごろまで運航を予定。料金は中学生以上1100円、小学生は550円。問い合わせは同社(TEL0138・67・2229)まで。(野口賢清)



◎「江差線の思い出 HPに」 桧山振興局が募集

 【江差】桧山振興局は、5月11日限りで廃線となるJR江差線木古内—江差間に関する思い出を募集している。200字以内の原稿や川柳、つぶやきなど形式は問わない。作品は公式ホームページ(HP)で公開し、廃線後も観光・誘客資源として活用したい考え。

 「JR江差線想い出教えてキャンペーン」と銘打ち企画。募集内容は、旅行(出張や訪ねた町での思い出など)と生活(通勤や通学など)の2部門。応募作品は個人が特定されないよう配慮した上でHPに公開する。写真は任意で希望すれば返却する。

 応募作品の審査はなく、抽選で20人に廃線記念のフェイスタオルや手ぬぐいを贈呈する。応募はHPか郵送で。締め切りは5月末消印有効。HPには、すでに応募作品の一部を掲載、読むことができる。

 住所や氏名、電話番号などを記入し、〒043・8558 桧山振興局観光振興係「江差線想い出」係。

 問い合わせは同振興局新幹線観光対策室(TEL0139・52・6642)へ。(田中陽介)


◎北海道新幹線 駅名問題 4カ月ぶり協議再開 月内にも方向性

 2016年3月開業の北海道新幹線新駅の名称をめぐる問題で、函館、北斗の両市による協議が14日、函館市内のホテルで4カ月ぶりに再開した。両市長、両市議会の正副議長が出席し、約40分で終了。今月中に再度、会合を持つことを確認したが、具体的内容については一様に口を閉ざした。過去の経緯をみても両市の主張に交わる点は見当たらず、「新函館」「北斗函館」の両論を併記した上でJR北海道に決断を委ねる形となりそうだ。

 函館から工藤寿樹市長、松尾正寿議長、斉藤佐知子副議長、北斗から高谷寿峰市長、池田達雄議長、野呂義夫副議長が出席。冒頭のみ報道陣に公開され、工藤市長が高谷市長の体調を気遣うなど、差し障りのない会話を交わした。

 終了後、工藤市長は「ざっくばらんに話ができた」と述べるにとどめ、高谷市長は「4月中にもう1回。いつまでも駅名問題をなげて(放って)おけない」とした。

 昨年12月の初会合では函館が「新函館」、北斗が「北斗函館」を主張する根拠や経緯を説明。今年1月に予定した2回目の協議は高谷市長の入院により、先延ばしとなった。不測の事態とはいえ、進展がないままの4カ月間が議論に与えた影響は小さくはない。当初から、互いの主張が平行線のままになることは予想されており、この日の会合でもどちらかが譲歩したり、新たな名前を提案する方向で話が進んだとは考えにくい。

 松尾議長は「(次回会合が)最後の詰め」と述べた。決定権を持つJRは今夏にも駅名を公表するとの見方が強く、両市に残された時間は少ない。両市議会の決議を尊重する形での決着が現実的と言えそうだ。(今井正一、千葉卓陽)