2014年4月16日 (水) 掲載

◎渡島管内初 八幡小で土曜授業実施へ

 函館八幡小学校(大堂譲校長、児童379人)は本年度から、土曜授業を始める。文科省の土曜授業推進事業の実施校として指定を受ける見通しで、渡島管内の先頭を切って19日からスタートさせる。月1回の土曜授業を通じ、子どもたちの基礎学力や体力の向上を目指す。

 学力や体力の基本となる国語、算数、体育の3時間授業を計画。前後の行事予定や子どもたちの負担などを考慮しながら、夏季休業のある8月、冬期休業のある1月を除き、毎月1回、年に10回を予定。4、11、3月の土曜授業は保護者に参観してもらい、理解を促す。

 今年に入り、保護者への説明会を重ねるなど、準備を進めてきた。土曜授業では、普段の授業で時間を取りにくい復習や理解を深める学習に取り組む。国語や算数では、CRT(標準学力検査)補充問題などで応用力を伸ばし、体育では長縄飛びや鬼ごっこなどで体力づくりに重点を置く。

 大堂校長(59)は「問題が解ける、分かる子どもを1人でも多く増やしていくことが狙い。保護者や地域と連携し、子どもの学力、体力の向上に尽力したい」と話している。(虎谷綾子)



◎自衛隊の味 バル街に…イタリア料理店「ピアット」

 【八雲】八雲町内浦町のイタリア料理店「ピアット」(山添憲明オーナー)が、20日に開かれる函館西部地区バル街に「八雲スパゲティ」を引っ提げて参加する。航空自衛隊八雲分屯基地の隊員が考案した町の自然をイメージしたオリジナルパスタで、町外で提供するのは初めて。イベントでは自衛隊の味≠ニして注目を集めそうだ。

 八雲スパゲティは昨年、基地の隊員が試行錯誤を繰り返して完成させたご当地メニュー。デミグラスソースとホワイトソースの2種類の味を一度に味わうことができることが特徴。全国で唯一、太平洋と日本海の2つの海に面している町であることを表現した。具材にはホタテやホウレンソウなど町の農水産物をふんだんに使った。

 これまでは基地のイベントで提供したり、見学者らに試食してもらったりしていたほか、月1回基地の食堂にも登場。隊員に人気の一品となった。メニューに興味を持った山添さん(48)がバル街で提供できないかと考え、基地に相談。レシピを提供してもらうことになった。

 山添さんがアレンジを加え、「ピアット風八雲スパゲッティ」が完成。ホタテは稚貝を使用し、旬のエビも加えた。ホウレンソウの代わりにブロッコリーを入れ、デミグラスソースに八雲豚のひき肉を使う工夫も。

 試食した基地の隊員から「さらに味が進化している」と太鼓判をもらった。山添さんは「当日は八雲を代表する味、八雲の魅力を発信したい」と話した。バル街では池見石油ギャラリー(末広町)に出店する。(松宮一郎)



◎ハイカラ號 出発進行…今季営業運行始まる

 函館に観光シーズンの訪れを告げる復元チンチン電車「箱館ハイカラ號」の今季営業運行が15日、始まった。午後からは天候が悪化したため4便目が運休となったが、雨にぬれた路面に前照灯を反射させ、レトロな車体を揺らしていた。

 明治末から昭和初期に客車として運行していた当時の姿に復元したハイカラ號は1993年に運行開始。昨年は路面電車開業100周年に彩りを添える花電車として運行するなど活躍した。21年目も運転士と女性車掌が乗り込むツーマン運行で乗客を出迎える。

 初日の第1便は運行開始を待ち望んだ市電ファンが駒場車庫を訪れたり、観光客がカメラを向けるなど、今季も変わらぬ風景が沿道で見られた。午後からは走行途中に雨が降り出し、普段は運休となる条件下での走行となった。

 市交通部事業課は「今季も市民や観光客の皆さまにレトロな雰囲気を楽しんでもらいたい」としている。 10月31日まで、駒場車庫—函館どつく前など1日4往復運行。悪天候時と毎週火、水曜日は点検のため運休。問い合わせは同課(TEL0138・52・1273)へ。(今井正一)


◎江差線も居酒屋も楽しんで…湯ノ岱に開店 無料宿泊小屋も

 【上ノ国】郷土料理と温泉、山小屋に泊まっていい旅を—。5月11日限りで廃線となるJR江差線木古内—江差間の旅情を楽しむ人たちでにぎわう中、旅行者らにすてきな時間を届けようと湯ノ岱に居酒屋が開店した。店舗隣に山小屋風の大広間があり、無料で寝泊まりでき、「ゆっくりとした時間を楽しんで」としている。

 居酒屋は3月22日に開店。青森出身で帰省時に江差線をよく利用したという、布施てつえさん(64)が「居酒屋 長治(ちょうじ)」をオープンさせた。店名は大好きな俳優、高倉健さん主演の映画にちなみ「お客さんとの出会いを大事に、この湯ノ岱の田舎ならではの素晴らしさを少しでも実感してもらいたい」。5年ほど前に町内市街地で10年間スナックを経営していた。体調を崩して休んでいたが「健康を取り戻して、江差線のにぎわいが励みになった、わざわざ来てくれることがありがたくて」と笑う。

 現在、湯ノ岱地区には食堂や宿泊施設はない。鉄道愛好家らは湯ノ岱駅で下車し、町営温泉を訪れるコースが定番で「温泉近くに居酒屋があって寝泊まりできれば最高な旅になるでしょ」と布施さん。固定メニューを置かず、近隣で採れたギョウジャニンニクなどの山菜などご当地料理が中心だ。

 居酒屋は午後6時〜翌日午前1時。日曜日休み(予約あれば対応)。 山小屋はスギやヒノキなどの造りでまきストーブ、囲炉裏、浴室もある。湯ノ岱温泉・湯ノ岱駅から5分ほど。問い合わせは布施さん(TEL090・5956・0633)へ。(田中陽介)