2014年4月17日 (木) 掲載

◎鮮やか、紫のライン…新幹線車両デザイン発表

 JR北海道は16日、2016年3月の北海道新幹線新函館(仮称)開業に向け、新型車両のデザインを発表した。名称は「H5系」で、東北新幹線のE5系をベースにした。内装や外装の一部を変更し、独自のデザインを採用、北海道らしさをアピールする。今秋には第1編成が完成する予定。

 名称のH5系は北海道のアルファベット表記の頭文字とした。車両は、JR東日本の東北新幹線E5系「はやぶさ」がベース。同社は約180億円を投入し、4編成40両を製作する。2月にメーカーに発注した。

 車両の色は東北新幹線と共通したイメージを持たせるため、上部が緑、下部が白といった基本的な構成は同じ。ただ、側面の帯の色は、E5系がピンクなのに対し、H5系はライラックやラベンダーといった本道の花を思い浮かべさせる紫とし、北海道らしさを打ち出す。

 車両のデザインコンセプトは「北海道への旅の序章として、その先の旅への想いを奏でる〜Prologue of the North Experience」で、「旅への期待や高揚感を演出する」(同社)という。

 新函館方面の先頭車両には、東北、北陸新幹線に続き、グリーン車より上級の「グランクラス」を採り入れ、乗り心地を向上させる。定員はグランクラスが18人、グリーン車(1両)は55人、普通車(8両)は658人。内装はナチュラルな白色で、普通車の床は雪の結晶をモチーフにしたデザイン。また、バリアフリー設備として、電動車いす対応の大型様式トイレと多目的室も設ける。

 E5系と同様、時速320キロで走行する性能は備えるが、道内での最高速度は260キロ。在来線との供用走行区間は当面、140キロで運行する。(松宮一郎)



◎ブルーマーメイド就航

 津軽海峡フェリー(函館市港町3、石丸周象社長)の新造船「ブルーマーメイド」(8820トン)が16日、函館―青森航路に就航した。函館ターミナル発午後5時半の初便には大勢の乗客が乗り込み、快適な船旅を満喫した。

 ブルーマーメイドは1990年就航で老朽化した「びるご」の後継。全長144メートルで、定員は583人。トラック71台、乗用車だと230台を積載でき、青函航路を3時間40分で結ぶ。

 船内は多様化する旅行スタイルに合わせて設計。海を眺めることができるリクライニングシートの「ビューシート」、豪華なスイートルームを新設した。救護室などを設け、「災害時多目的船」として活用できるようにしたことも特徴。

 出発時には同社の従業員が手を振って、ブルーマーメイドの出港を見送った。石丸社長は「観光シーズンは利用者増加に期待している。函館―青森は物流の基幹航路でもある。しっかりと役割を果たしていく」と話した。(松宮一郎)



◎農畜産物販売額が過去最高282億円

 【北斗】JA新はこだて(畠山良一組合長)は16日、北斗市総合文化センターで、第12回通常総代会を開いた。2013年度(13年2月〜14年1月)の農畜産物販売額が、過去最高の282億円(前年比2%増)となり、合併後初めて280億円を上回った。

 販売実績は、農産物が前年と同じ185億4000万円。このうち野菜は主力の長ネギとトマトの価格が好調に推移したことから、同6%増の103億2000万円と2年ぶりに100億円台を突破した。酪農・畜産が肉牛の高値推移や乳価アップにより同6・5%増の97億円。

 決算では、税引き前当期利益が2億7184万円。組合員への配当は、出資配当金と事業分量配当金を合わせて約1億円を確保した。

 総代会には406人(代理人、書面を含む)が出席、第4次地域農業振興計画・JA中期経営計画などを全9議案を原案通り可決した。TPP(環太平洋連携協定)など国際貿易交渉から北海道を守り抜く特別決議も行った。

 畠山組合長はあいさつで、最高裁で係争中のカーネーション共選料問題について「組合員の皆さまには大変心配をかけているが、農協運営の一翼を担う共選事業の在り方を理解してもらい、当分の間、訴訟の行方を見守ってほしい」とした。また、昨年発覚した共済契約に関わる不祥事について「心より深くおわび申し上げる。今後は配属期間が長期化している職員を中心に人事異動を行うとともに、コンプライアンス(法令順守)重視の強化に向けて不祥事防止の実現に取り組む」と述べた。(山崎大和)


◎江差の観光振興策探る、シンポ

 【江差】町内姥神町1の高級宿泊施設「旅庭群来(くき)」(棚田清社長)の開業5周年記念のシンポジウム「江差発の観光グランドデザインを考える」が16日、町内で行われた。棚田社長(72)と交流の深い、世界的デザイナーのコシノジュンコさんらの講演とパネル討論で、観光振興のあり方を探った。

 江差町と旅庭群来の主催で、近郊の観光関係者ら約80人が参加した。

 コシノさんは「(旅庭群来の)建築などの素晴らしさに呼ばれて今回で江差は3度目。親戚づきあいのようになると距離や時間は関係ない。このご縁でまたお手伝いしたい」と棚田社長の熱意にほれ込んで“江差ファン”になった経緯を伝えた。

 立花謙二桧山振興局長がコーディネーターのパネル討論で、コシノさんは「(首都圏から遠いことから)気合を入れないとここに来られない。そういうチャーミングなところがいい」。水嶋智観光庁総務課長は「江差について辛口で言うと整備されたいにしえ街道をどう生かすかが大事。外観をきれいにしただけで観光まちづくりは終わらない」と述べ。古田和吉JTB北海道代表は「こういうシンポジウムは心強く地元の動きが素晴らしい」と強調した。棚田社長は「多くの人にお世話になり5年を迎えることができた。何とかこれからも飛躍しなければと熱い思いになった」と感謝を述べた。(田中陽介)