2014年4月2日 (水) 掲載

◎50年の歩み記念誌に…高文連道南支部新聞部

 函館市内の高校新聞部の元顧問ら6人が、昨年10月に発行した「高文連道南支部新聞部50年の歩み」を、函館市中央図書館に寄贈した。市立函館高新聞局顧問の橋本孝夫教諭は「当時の高校生の考えや様子、社会とどのような関わりを持ってきたのかが分かる1冊。市民の皆さんにもぜひ読んでほしい」と話す。

 高文連道南支部新聞部の設立50年の節目に向けて以前から記念誌の制作を構想し、2年かけて完成。道南の各高校新聞部が制作してきた新聞記事の抜粋や、現在活動している新聞部の活動などを紹介。約200部を発行、同図書館には3月28日に寄贈したほか、高文連加盟校の新聞局や図書館に配った。

 制作は函館ラ・サール高新聞部元顧問の東郷征二さん(故人)を中心に、各校の戦前から現代までの新聞を収集。東郷さんの発案で「当時の高校生の生の声」を重視して新聞記事を抜粋し、年代ごとにまとめた。

 年表の始まりは1927年の函館商業高の記事で、50年代は高校再編成や男女共学、60年代は安保闘争や高校生のデモ参加、ベトナム戦争など、その時代の高校生の声が書き記されている。

 記念誌の制作を終え、旧函館東高新聞部の顧問を30年以上務めた俵浩治さん(82)は「東郷さんの尽力もあり、やっと念願を果たせた。高校の新聞部が減りつつある今、高校生たちの財産、手本の一つとして活用してほしい」と期待を込め、函館ラ・サール高新聞部顧問の川村和男教諭(46)は「思い入れの濃いものになった。道南の新聞部の発展に役立てばうれしい」と話している。(虎谷綾子)



◎新ゴーカート走り始め…梁川交通公園営業開始

 函館市梁川町24の梁川交通公園が1日、今シーズンの営業をスタートさせた。新しい動力式ゴーカート5台がお披露目され、子どもたちが早速、走り初めを楽しんだ。

 約500メートルのゴーカートコースを走りながら、信号や横断歩道などの交通ルールを学べる同公園。今年は市がゴーカートを2台導入したほか、函館セントラルロータリークラブ(坂下賢二会長)が創立10周年記念事業として3台(総額226万円)を寄贈した。

 午前10時過ぎに贈呈式が行われ、工藤寿樹市長は「大いに楽しんで、交通マナーを十分学んでください」とあいさつ。同RC会員らが交通安全の旗を振る中、子どもたちは真新しいゴーカートに乗り込み、青空の下で気持ち良さそうに運転した。函館八幡小6年の三浦杏華さん(11)は「最初は緊張したけど、乗りやすくて楽しかった」と話していた。

 開園期間は10月末までで、営業時間は午前9時から午後5時。入場無料で、月曜定休。(千葉卓陽)



◎消費税8% 「買い控え」各業界懸念

 消費税率が1日、5%から8%へ引き上げられ、函館・道南でも生活必需品をはじめ、公共料金やガソリンなど大半の商品が一斉に値上げとなった。店舗関係者は表示張り替えなどの対応に追われながら、先月までの駆け込み需要の反動による買い控えを懸念している。

 公共料金は電気、ガスをはじめ、函館、北斗両市の上下水道料金などが値上げ。ガソリンは地球温暖化対策税の増税も重なり、1リットルあたり約5円上がった。

 交通機関はJR北海道の最低区間が160円から170円に。函館バスと市電もおおむね10円の値上げとなり、ともに5月から改定料金を適用する。

 函館市内などのタクシーは、小型の初乗りが550円となり、増税分20円を上乗せした。初乗りを超えた部分の加算料金は80円のままだが、距離はこれまでより短縮され、ほとんどの事業者が1日早朝の運行から新料金に切り替えた。函館タクシー(日乃出町)は「運賃の問い合わせは今のところないが、乗客にはドライバーが説明するようにしている」とする。運賃変更後も乗車率は普段と変わらないというものの、「今後は乗り控えが懸念される」とした。

 スーパーも対応に追われた。コープさっぽろはこの日、値札やポップを切り替える準備のため、道内の全店で開店時間を2時間遅らせて正午にオープン。担当者は「普段の同じ時間帯に比べても客数は少ない。増税前の買いだめの影響だろう」と話した。反動減を抑えるため、積極的にセールを展開していくという。また、ホクレンショップ函館昭和店(昭和1)はテナント店舗以外を休んで値札などの切り替えに充てた。浜田将宏店長は「10日間は様子を見ながら、今月中旬から対策を立てたい」。


 安さが売りの飲食店も、値上げに踏み切った店が多い。中島廉売内の「しげちゃん寿し」(中島町14)は、人気のワンコインランチ(10カン、500円)を600円に値上げした。「6年ほど500円で続けてきたが食材費もかさみ、今回ばかりは必然だった」と店主の宗山滋さん(53)。しかし「お客さんに迷惑はかけたくない。今後10%に上がるかもしれないが、しばらくはこの値段で頑張ります」と話した。

 駄菓子を扱うバラエティショップあさひや(千代台町)でも増税分を上乗せ。大坂昭夫店主(43)は「単価が安いので子どもたちは気になっていないようだ」としながらも「仕入れにかかる送料が上がっている。七夕飾りなどは本州方面から仕入れるので、送料がかさみそう」と話した。(千葉卓陽、松宮一郎)


◎「若い力で活性化を」…函館市 新職員に辞令交付

 函館市は1日、本年度の新規採用職員75人に辞令を交付した。工藤寿樹市長は一人一人に辞令を手渡し、「今日の気持ちを忘れず、多少の緊張感を持って仕事をしてほしい。フレッシュな感覚、若い力で職場を活性化させてほしい」と激励した。

 2年連続で70人超の大量採用。職種別の内訳は一般事務職員が62人で、土木、建築、電気、化学の各技術職員が計9人、獣医師が4人の計75人。

 工藤市長は「失敗を恐れずに取り組み、分からないことは先輩や上司に何度でも聞いていい。前例踏襲ではなく、今までのやり方のままでいいのか、疑問を持てる職員になって」と期待を込めた。また、函館再生に向けたまちづくりの取り組みを紹介し「人口が減っても活力があり、元気な街にしたい。函館の魅力ある原石を見いだして、磨きをかけてほしい」と述べた。

 干場衣知乃さん(26)は「市民や函館市に対しても貢献できる職員を目指したい。(訓辞を聞いて)やる気になりました」と話していた。(今井正一)