2014年4月22日 (火) 掲載

◎道議選まで1年…函館市区は民主、自民の擁立焦点

 来春の道議選まで1年を切った。道内有数の激戦区である函館市区(定数6)では、民主党現職の斉藤博氏(63)の引退が決まり、同党の候補擁立や他党の動向が焦点となっている。一方で、道議会では議員定数削減に向けた協議が進められており、協議の行方次第では各党の候補擁立にも影響を与えるとみられる。

 函館市区では過去3回、定数6に9〜10人が出馬しており、保守系候補の乱立などから民主党が3議席を得る結果が続いている。改行 自民党は、現職の川尻秀之氏(68)と佐々木俊雄氏(63)の出馬が確実視されている。党道連は各支部に対し、党勢拡大に向けての候補者擁立を指示した。定数6なら公認候補3人が必要となってくる。

 ただ「過去の選挙で保守系無所属や第三極政党の候補の出馬で票が割れ、結果として民主3議席を許した経緯がある」(関係者)。現在は8区支部内で協議している段階で、支部長の前田一男衆院議員は「道連が定めた目標を達成するため、支部一丸となって取り組んでいく」と話す。

 民主党は、函館市区で前回同様に3候補の擁立を目指す。現職の平出陽子氏(65)、高橋亨氏(60)の出馬が濃厚なほか、引退する斉藤氏の後継候補の選定作業を進めている。

 当初は4月中の候補者確定を目指していたが、知事選候補と道議選の一次公認候補が6月下旬の党道連臨時大会で決定する見通しとなった。同支部の道畑克雄幹事長は「依然として民主党に対する厳しい状況は変わらない。斉藤氏の後継選びに向け、関係者との協議を急ぎたい」とする。

 公明党は函館市区で1議席を堅持している中、現職の志賀谷隆氏(60)の2期目出馬が確実視されている。党函館総支部の茂木修支部長は「党としては厳しい戦いになるとの前提で臨んでいきたい」と話す。

 共産党は函館市区で過去2回、議席獲得に失敗、3期ぶりの奪還に燃える。ただ、候補者は現段階で決まっておらず、党函館地区委員会の三国武治副委員長は「3月中に決める予定だったが、延び延びになっている」と、選考作業を急ぐ。民主党が政権から転落した一昨年の総選挙以来、野党票の受け皿にもなっていることから、「保守乱立と民主の3人擁立が進めば、共産党の議席回復も見える」(関係者)との声もある。

 ■定数削減の協議も

 道議会では現在、各会派の代表者が集まって定数削減の検討を進めている。選挙区の定数は国勢調査の人口を基に算出しており、現在の函館市区の定数が議員1人あたりの人口からみて適正かどうかの観点で議論されることが予想される。

 道議会事務局によると、定数削減の協議が進めば今年9月の第3回定例会に議員提案する方向で調整が進められている。仮に函館市区が削減対象となれば各党の戦略にも影響し、情勢は流動的となる。(松宮一郎、今井正一、千葉卓陽)



◎春の空スイスイ、五稜郭タワーにこいのぼり

 5月5日の「こどもの日」に向けて、五稜郭タワー(函館市五稜郭町43、中野豊社長)に恒例の巨大こいのぼりが登場した。春風を浴び、気持ち良さそうに泳ぐ3匹が観光客らの目を楽しませている。5月5日まで。

 19日から掲揚予定だったが、強風で中止となり20日から掲げている。

 21日は、長さ12bの「まごい」などが春風に吹かれて地上約70bの空を泳ぐ様子に、訪れた人たちが盛んにカメラを向けていた。

 帯広から観光で来ていた女性は「大きいので見応えがあり、春らしく、爽やかな感じがする」と話していた。

 26日からは、青森県大間町でまちおこしに取り組むグループ「あおぞら組」が製作した巨大マグロのぼりが仲間に加わる。

 こいのぼりの掲揚は午前9時〜午後5時。強風や雨天の場合は中止。(宮西翔平)



◎今年の冬も楽しませて 五稜星の夢

 昨年12月から今年2月末まで、国の特別史跡・五稜郭をライトアップで楽しませた「五稜星の夢(ほしのゆめ)」の実行委は20日、五稜郭公園で電球の撤去作業を行った。市民約40人が参加し、堀沿いに設置した土のうなどを片付けた。

 五稜星の夢は冬の函館観光を盛り上げようと1989年に始まったイベント。節電協力のため2012年度は中止となったが、昨年12月に復活。堀の内周に取り付けた約2000個の電球で星形を浮かび上がらせ、多くの市民や観光客を楽しませた。

 作業は午前9時すぎから1時間ほどで終了。ボランティアの市民らが電球を取り付けた板や土のうを撤去した。実行委は「多くの皆さんからの寄付金が寄せられ、再開して良かったと声も届いている。五稜郭も春を迎え、電球の撤去で花見客を出迎える準備が進む。今冬も継続できるよう支援をお願いしたい」としている。 (今井正一)


◎レンタカー2社出店へ、観光交流センター内に

 【木古内】2016年3月の北海道新幹線開業に合わせ、町が駅前に開設する「観光交流センター」内に、ジェイアール北海道レンタリース(札幌市)とタイムズモビリティネットワークス(広島県広島市)のレンタカー会社2社が出店することが決まった。北斗市を含め、北海道新幹線開業に向けた駅前への企業進出決定は今回が初めて。

 レンタカー事業者の参入は、木古内駅からの二次交通の核として、センターの設計にも盛り込んでおり、レンタカー用の駐車スペース14台分を確保している。

 21日、「ジェイアール—」の田坂哲司常務と「タイムズ—」の薮本誠北海道支店長が町役場に訪れ、大森伊佐緒町長と懇談した。

 薮本支店長は「木古内だけを考えるとマーケットとしては厳しいが、新幹線開業後の道南地区全体の二次交通を担っていきたい」、田坂常務は「JRと連携した割引などで利用客を取り込む」と話した。

 同センターは渡島西部、桧山南部9町の広域観光情報の発信拠点として整備する。今秋の着工、2016年1月の開業を目指す。施設内には、レンタカー事業所ほか、レストラン、特産品の販売ブースなどが入り、観光コンシェルジュ(案内人)も常勤する。(金子真人)