2014年4月27日 (日) 掲載

◎五稜郭築造150年祭開幕

 特別史跡「五稜郭」築造150年を記念するイベントが26日、開幕した。箱館奉行所前でオープニングセレモニーと箱館戦争の激戦の様子を再現する「箱館戦争抜刀隊」があり、熱のこもった演技を披露。集まった観光客らから拍手喝采を浴びた。来年2月までさまざまな催しを繰り広げ、観光客や市民を楽しませる。

 市内の団体、企業でつくる実行委の主催。オープニングセレモニーで小笠原勇人実行委員長が「五稜郭築造150年は歴史的にもまちづくりの観点からも大きな意義がある。イベントを観光の目玉にし、五稜郭を全国、世界へ発信する機会にしたい」と述べた。

 「抜刀隊」に出演したのは箱館五稜郭祭で殺陣を担当する箱館稜雲社と函館野外劇の殺陣チームのメンバー約20人。軍服に身を包み、両軍入り乱れた白兵戦を展開。銃撃シーンや土方歳三の最後、旧幕府軍の降伏などの見せ場で観客を楽しませた。

 神奈川県から訪れた樋渡敏雄さん(66)と頴子(えいこ)さんの夫婦は「タイミングよくイベントを見ることができてよかった。演技は迫力満点、面白かった」と満足そうに話した。ゴールデンウイーク期間中は27、29日、5月3〜5日も午前11時と午後2時からの2回披露する。

 また、幕末の衣装を着て観光客をもてなす「幕末見廻隊」もあり、好評だった。10月19日まで土、日、祝日に行う。(松宮一郎)



◎「SL函館大沼号」春の運行

 春の道南路を走る「SL函館大沼号」が26日、スタートした。時代を超えて愛される蒸気機関車「C11型」がけん引し、北の大地に新しい時代を創る北海道新幹線の駅舎の近くや、大沼国定公園の大自然といった「夢とロマン」の世界へ乗客を案内する。

 同列車は道南の活性化を願う地元の要請を受けるなどし、JR北海道が2001年4月から運行を始めた。春の運転は5月6日までの毎日、函館|森間を1往復する。往路は赤井川経由で、復路は鹿部経由のため、駒ケ岳を一周する形だ。

 往復とも、渡島大野駅に停車する。ホームに降りると、新幹線の駅舎や車両基地で工事する音が聞こえる。往路ではその後、仁山駅まで急勾配を力強くかけ上る。函館を出発して約1時間後、トンネルを抜けると大沼国定公園に入る。進行方向左には小沼と湖上に駒ケ岳が広がる。列車はゆっくり進むため、雄大な景色を存分に楽しめる。

 終点の森では到着後、石炭の燃えかすを落とす「カマ替え」と言われる作業と給水を線路わきから間近で見ることができる。復路ではアトラクションもあり、たくさんの思い出を作ることができる。

 往路の函館発は午前8時54分、大沼公園同10時12分着、森同10時41分着。復路は森午後1時39分発、函館同3時41分着。全席指定。函館―森大人1750円。予約の問い合わせはTEL011・221・1489(JR北海道電話予約センター)へ。(山崎純一)



◎「フードカン」移転オープン

 道南産品アンテナショップ「フードカン」(ノーステック運営)が26日、「がごめ昆布ねばねば本舗」(函館市若松町19、田中理絵店長)内に移転オープンした。約1カ月ぶりの営業再開となり、待ちわびたファンが足を運んだ。

 3月末まで営業していたJR函館駅構内の店舗を閉め、ねばねば本舗(58平方メートル)内で2店舗が一緒に営業。アイテム数はそれぞれ120とし、スタッフはねばねば本舗が2人、フードカンが3人。田中さんがフードカン店長を兼務する。

 店内には王様しいたけ、たま福来甘納豆、函館豆乳しふぉんなどの人気商品が並び、来店者が品定めしていた。

 再オープン記念として28日まで、みよい農園(森町)の高糖度カボチャ「くりりん」を使った特製コロッケを1日30個限定(1個100円、税別)で販売するほか、5月7日まで毎日先着30人に、ガゴメコンブを使った浅漬けのもとをプレゼントする。

 田中さんは「商品を充実させ、いつ来ても飽きさせない店づくりをしたい」と抱負を話した。

 営業時間は午前10時〜午後6時。毎月第2水曜が定休。駐車場が2台分ある。問い合わせは同店(TEL0138・27・4777)へ。(山崎大和)


◎市内で連合メーデー

 労働者の祭典「第85回函館地区連合メーデー」(実行委主催)が26日、函館市千代台町の千代台公園で開かれた。好天に恵まれ、家族連れでの参加も多く、主催者発表で81団体1884人が参加した。

 実行委員長で函館地区連合の荒木敏安会長は「貧困や格差が拡大している。安倍政権は解雇の金銭解決制度など、労働者保護ルール改悪の動きを活発化している。政府と巨大与党の暴走を許さず、保護ルールの改悪阻止を社会のうねりとするため、積極的に活動を展開していく」と述べた。

 民主党の逢坂誠二前衆院議員は「大間原発は電力確保の面で必要はなく、使用済み核燃料のリサイクルの機能も果たせない。私たちの社会に必要な原発だとは思えない」と述べた。さらに「安倍政権は労働者を人ではなく部品として扱おうとしている。人としての尊厳を持って仕事ができなくなる」と指摘した。

 大会では、民主主義の根幹を揺るがし、日本国憲法を脅かすとして「特定秘密保護法の廃止に向けた取り組みを強化する特別決議」と「労働保護ルールの改悪に断固反対する特別決議」を採択。荒木会長の「頑張ろう」三唱の後、参加者はデモ行進に出発。大間原発建設反対や、労働環境改善を訴えた。(今井正一)