2014年4月5日 (土) 掲載

◎「亀」が守る子供の安全 商工会議所銭亀沢地区女性部

 7日の小学校入学式を前に、函館商工会議所銭亀沢地区女性部(林田鶴子部長)は3日、地域の小学校に入学する児童の安全を願って、手作りのお守りを贈った。銭亀沢の地名にちなんで亀をかたどったお守りで、25年前から贈り続けている。メンバーは「これからも地域ぐるみで子供たちの安全を見守っていきたい」と話した。

 お守りを贈ったのは12人が入学する東小と、1人だけの石崎小の2校。かわいらしい亀のデザインで、アサリの貝殻を甲羅に見立てた。準備は半年がかりで、児童のことを考えながらメンバーが手作りした力作。渡す前には銭亀八幡神社で交通安全の祈祷も済ませた。

 この日、林部長と佐藤栄子副会長の2人が両校を訪問。東小では「新1年生が事故に遭わないように願っています」などと語り、榊博之校長に亀のお守りを手渡した。榊校長は「地域の人たちに子供たちがしっかりと見守られていることを実感する」と感謝した。

 25年前から続く女性部の恒例行事。ただ、子供の減少で作る数も減った。佐藤副部長は「昔と比べて少なくなっているが、子供たちは地域の宝。これからもしっかりと見守っていく」。林部長は「『亀』をランドセルに付けていれば交通事故に遭わない。御利益は抜群」と笑顔で語った。(松宮一郎)



◎朝市ひろば12日オープン 外国人、新幹線利用客便利に

 函館市若松町の「函館朝市ひろば」(旧渡島ドーム)では12日のオープンに向けて準備が着々と進んでいる。新しい施設では年々増加する外国人や、新幹線利用客に対応するため、国内初となる決済システムを導入するなど、観光客や市民の利便性を高める工夫を凝らした。関係者は「どんな客にでも対応できる環境を整備した」と自信をのぞかせる。

 旧渡島ドームが老朽化しことから、北海道新幹線の開業をにらんで昨年秋から改築を進めていた。新施設は鉄筋造2階建て。1階は野菜や物産を販売するゾーン、フードコートを整備。生産者が生鮮野菜を直接販売するほか、フードコートでは地場の野菜を使った料理を味わうことができる。また、市民活動に利用できるイベントホールなどコミュニティー機能を持たせた。

 建物はドーム時代とは雰囲気が一変。それに加えて決済システムに最新の設備を導入したことも特徴。増加する外国人観光客向けに国際ブランドのクレジットカード、電子マネーのほか、自国と現地どちらかの通貨を選べる「多通貨決済」にも対応できる仕組みにした。整備を担当した三井住友カード(東京)は「1台の端末で全てのサービスに対応するのは国内初」とする。

 また、導入した端末ではスイカなどほとんどの交通系ICカードも利用できる。施設を運営するまちづくり会社「函館朝市まちづくりの会」は「開業後を見据え、新幹線利用客の利便性を高めた。支払い方法も多彩で地元客の買い物にも便利」とした。  (松宮一郎)



◎持続可能な発展へ全力 渡島総合振興局の宮内局長が着任会見

 

 渡島総合振興局の宮内孝局長(57)が着任し、3日、記者会見を開いた。宮内局長は2年後に開業する北海道新幹線を生かした振興策を最重要課題に掲げ、「道南の魅力である食と観光を軸とした取り組みを道南の地域の方々と手を携え積極的に進めたい。未来志向で渡島の持続可能な発展のため全力を尽くす」と抱負を述べた。

 開業を見据えた取り組みについて、2次交通の整備が地域の発展に欠かせないとし、「高速交通のネットワークを図ることで新幹線効果が隅々まで行き渡る。一人一人が幸せだなと実感できる地域社会の実現につなげたい」と述べた。

 新函館(仮称)駅、木古内駅周辺に建設予定の道営住宅を活性化策の一助とみており、市、町と連携し子育て支援に特化した整備をする考えを示した。

 江差線の第三セクター会社設立については「安全性を最優先に関係市町と連携を密に取り組む所存」とし、函館市が原告として提訴した大間原発建設差し止め訴訟に対しては「訴訟の推移を注視していく」と述べるにとどめた。

 宮内局長は日高管内浦河町生まれ。1980年4月道庁入りし、建設部建築局計画管理課参事、同部まちづくり局都市環境課長、同部住宅局長などを務めた。道南勤務は初めて。  (鈴木 潤)


◎支え合い勉強 看護専門学校

 函館看護専門学校(舘山圭子学校長)の入学式が5日、ベルクラシック函館で開かれ、50人の新入学生が医療現場での活躍を目指し、勤勉を誓った。

 式では名前を一人一人読み上げられ、入学が許可された。野又学園の野又淳司常務理事が「さまざまな人と関わって、相手の立場にたって感じたり、考えたりすることはとても大切。その人の背景にある生活状況や社会情勢を深く知っておくことも必要。実習では自分の知識と体験を密着させながら、新たな学び方を知ってほしい」と式辞を述べた。

 新入学生を代表し、三浦奏さん(18)が「苦しいことや立ち止まることもあるかもしれないが、同じ目標を持つ仲間とともに互いに助けあい、支え合いながら成長し、学業に精励することを誓います」と述べた。 (平尾美陽子)