2014年4月7日 (月) 掲載

◎寒さなんの山頂まで一気 サイクリング協会が初の函館山ライド

 函館山の山頂まで自転車で駆け上がる「函館山サイクルライド」(函館サイクリング協会主催)が6日、初めて開かれた。スタート前には雪がちらつくあいにくの天気だったが、参加者34人は寒さをものともせず登山道を疾走した。

 昨年初めて行う予定だったが、悪天候で中止となったため。今年が初めての開催となった。コースは11日に冬期通行止めが解除される函館山登山道(4キロ)。

 大会には市内、近郊をはじめ、埼玉県、青森県、札幌市からも愛好者が集まった。開会式で金沢浩幸会長が「春の函館山の景色を楽しみながら走って」とあいさつ。登山道入り口で一斉にスタートし、参加者は力強くペダルを漕ぎ、山頂を目指した。

 市内の会社員赤石直樹さん(46)は「ペダルを漕いでいると寒さは気にならない。とても気持ちが良い」と満足そうに話した。同協会は20日に七飯町で「城岱ヒルクライム」、6月には函館から江差まで往復100キロを走るチャレンジランを行う。(松宮一郎)



◎五稜郭病院の保健師・尾関さん医療福祉連携士取得

 函館五稜郭病院の保健師・尾関幸子さん(39)が、日本医療マネジメント学会の認定資格「医療福祉連携士」を取得した。医療と福祉、介護との連携・調整をする役割を担う資格で、道内からの合格者は2人目という。

 同学会が2011年に、地域の医療と福祉機能の効率化を図ることを目的に認定制度を創立。看護師や医療ソーシャルワーカー、社会福祉士らが取得し、医療・福祉・介護の連携を図り、患者が必要なサービスを受けながら住み慣れた地域で暮らす手伝いをすることが主な役割。

 尾関さんは同院の「退院サポート室」で、退院後も継続する医療サービスや介護の問題などについて患者や家族と相談しながら、退院後の生活を一緒に考える業務を担当している。病院から在宅へ医療やケアをつなぐためには、介護など各分野との連携、幅広い知識が必要といい、よりスキルアップを図るため受験した。

 昨年7〜12月にかけ、東京で医療や福祉などに関する講義を受講。そのほか地域医療支援病院、介護老人保健施設など4カ所で実習に臨んだ。「他の施設の現場を見ることはなかなかないので、実習を通して現場を見れたことは大きな財産になった」と振り返る。

 高齢化が進み、保健、医療、福祉サービスを関係機関が連携して一体的に提供する「地域包括ケアシステム」の必要性は高まっているといい、「医療福祉連携士はそのシステムの構築に携わる資格。地域で資格を取る人が増え、地域全体がスキルアップしていけば、函館市にいい形の地域包括ケアを築いていけると思う。資格の認知度を広げていきたい」と話している。(平尾美陽子)



◎景観守り新築・改修17件 奨励金制度10年目

 函館市西部地区の都市景観形成地域内で、景観に配慮した建物の新築や改修に市が200万円を上限に奨励金を交付する「景観形成住宅等建築奨励金制度」が10年目を迎えた。過去9年間の利用は新築、改修合わせて17件で、函館らしさを受け継ぐ新たな建物が周囲の景観の維持、保全の一助となっている。市は本年度も800万円の予算内での申請受け付けを開始した。

 都市景観形成地域は、弥生町と大町の全域と、船見町、弁天町、末広町、元町、豊川町の一部の約120ヘクタールで、開港以来の歴史や文化を受け継ぐ函館らしい建物が数多く残る。

 制度は2005年度に創設し、景観アドバイザーと協議しながら、周囲と調和するような基準を満たした建物を新築する場合などに200万円を上限に助成。12年度からは新築は和洋折衷様式に限定したが、既存建物の外観の改修にも適用できるよう改めた。

 これまでに新築では和風2件、洋風10件、和洋折衷3件の計15件と、改修は2件の制度利用があった。同地域内全体の新築件数は年間10件前後のため、約1割が制度を活用している計算となる。過去2年間、新築はなかったが、現在、新築、改修合わせて2件の相談を継続中という。

 1階が和風、2階が洋風の和洋折衷様式の建物で奨励金を受ける場合には、1階の木製面格子窓、2階の縦長格子窓、分節部分にひさしを設けることなど細かな基準があり、工事着手前の協議や申請手続きに時間が必要となる。

 市都市建設部まちづくり景観課は「建築専門家の景観アドバイザーと協議をしながら建物の外観を決める作業を進められるのも制度の利点。西部地区はあこがれを持って移り住む人も多い地域。函館の町並みに貢献できる制度を活用してほしい」としている。問い合わせは同課(TEL0138・21・3388)へ。(今井正一)


◎山菜採りクマに注意 複数で行動 グッズ携帯を

 今月4日にせたな町で発生したヒグマによる負傷事故を受け、道警函館方面本部地域課は、ギョウジャニンニクなど山菜採りで入山する人に対策を取るよう注意喚起している。山では単独行動を避け、音の出るクマよけグッズを携帯するなど準備が必要。函館市内のホームセンターでは、多彩なグッズが店頭に並び始めている。

 同課によると、同本部管内での昨年のクマ目撃情報や負傷件数は159件184頭。昨年4月16日には、同町で死亡事故が起きており、死傷者数は道内5方面本部で最も多い計3人となった。

 今年は3月24日に厚沢部町でクマの足跡が見つかったのを皮切りに、4月4日までに森町、長万部町も合わせて目撃、負傷が5件(前年比3件増)となっている。

 4月5日には、七飯町大沼町で体長1・3メートル、体重80キロ、推定3歳のクマを捕獲。同課は「腹をすかせたクマの活動が活発化している。ラジオ、鈴などクマに遭遇しないための準備を十分にしてほしい」と強調する。

 重大事故を防ごうと、ジャンボイエロー港店(港町3)では、クマよけ用の鈴やバクチク、火薬で鳴らすおもちゃのピストルなどを陳列。ラジオを使うことも効果的だという。いずれも音を出すことで、クマが警戒して近づかないようにする。同店は「暖かくなり、山菜採りのために入山する人が増えると、商品が動きだす。人の存在をクマに知らせることが最も重要」と呼び掛ける。

 クマによる被害のほか、遭難にも注意が必要。同本部によると、昨年4〜9月の山菜採りなどの山岳遭難件数は11件。うち1人がいまだ行方不明。昨年は4月の遭難が4件と多かったことを踏まえ、「採ることに夢中になり、どこを歩いているのか分からなくなることもある。防寒具や軽食を持ち歩くことも大事。知らない山には単独で入らないようにすべきだ」と注意を促す。(小林省悟、山崎大和)