2014年4月8日 (火) 掲載

◎大門地区の催し・美化活動 若者の関心高く

 函館駅前・大門地区の催しや美化活動などについて、若年層の参加意欲が高いことが、はこだてティーエムオー(渡辺良三社長)が行ったアンケート結果で分かった。一方、10、20代が同地区を訪れる頻度は月1、2回が最も多く占め、若者のニーズを捉えたコンテンツづくりが商店街活性化のカギになりそうだ。

 同社が昨年6〜8月、市民と観光客を対象に同地区の利用状況などを調査。市民へ2075枚配布し、回収率は61%。観光客には聞きとり調査を行った。

 その結果、同地区の利用頻度について市民の32%が「月に1、2回」と回答。「半年に1、2回」が19%、「全く行かない」が13・1%と続き、訪れる理由は「何となく」が31%で最も高かった。

 満足度については、年齢層が上がるにつれ「不満」と回答する人が多く、特に60代以上の年齢層は利用頻度が高いものの、「やや不満」「不満」と回答する人が55%と大半を占めた。不足と感じる点では「店舗の数や業種」、「買い物や飲食以外で楽しめる施設」、「品ぞろえ」が上位を占めた。

 年齢別では、20代の40%が美化・清掃活動に、イベントや催しについても50%が「参加したい、まあ参加したい」と回答。同社は「若者の関心の高さがうかがえ、大門に対するイメージが少しずつ変わってきているような印象を受けた。市民のニーズに少しずつでも応えていけるよう、企画などを考えていきたい」とする。

 今後は若年層のアンケート結果をまとめ、分析。専門家などを交えたまちづくり戦略会議を立ち上げ、同地区の方向性などについて協議していく考え。(平尾美陽子)



◎春の彩り カタクリ咲く

 【七飯】町大沼の高橋山野草公園でカタクリが咲き始めた。今月中旬には見ごろを迎え、園内の斜面をピンクの花が覆う美しい光景を楽しめそうだ。

 同公園は近くに住む高橋久雄さん(83)が30年以上前から趣味で整備してきた。100種類以上の植物が植えられ、季節ごとにさまざまな花を楽しめることから、シーズンを通して多くの人が訪れる。

 高橋さんによると、カタクリは数日前から咲き始めた。開花時期としては平年並みという。付近ではエゾエンゴサクやイチゲも開花し始めており、園内は徐々に彩りを豊かにしている。入場無料。観覧は午前9時から午後3時ごろまで。(森裕次郎)



◎消費税増税 農漁業にも荒波

 消費税増税により、道南でも水産業や農業への影響が避けられそうにない。燃油や資材価格が高騰する中での3%分上乗せが、経営に重くのしかかるからだ。来年10月には税率10%に引き上げられる方針で、生産者としての対策にも限度があり苦悩している。

 消函館漁港(入舟町)には現在、6月から始まる今季のスルメイカ漁を控え、整備に出す前の漁船が係留されている。市漁協(橘忠克組合長)によると、組合員に販売するA重油価格は1日現在、前月より1円上がって1g当たり98・2円(税別)。8%の消費税がかかれば同100円を優に超す。

 消燃油高に加え、発泡箱や氷、針などの資材も上がっている。市漁協は「イカ釣り漁業者ほど増税の影響が大きい」と心配する。

 消北斗市内でイチゴを作る農家(67)も「生産資材が高騰する中、仕入れにかかる分が全て8%だから大変」と嘆く。ハウスに使うビニールやマルチは定期的に交換が必要で、肥料や果実を詰めるパック、段ボール箱なども購入が欠かせない。「ハウス暖房に使う灯油代は年間100万円もかかって以前の3倍以上に。経費がかさむといっても、イチゴが3倍の値段で売れるわけではない」。10%への引き上げは政府が経済情勢を見極めて判断するが「国のやることだから従うしかないよね…」とため息をつく。

 消JA新はこだて(北斗市)の畠山良一組合長は「増税分は、じわじわと響いてくる」と懸念。農家は通常、年末の精算後に手元に残ったお金を貯金するが、昨年末から貯金に回さず、増税後を見据えてトラクターや軽トラックなどの高額品を買う動きが全道のJAで見られたという。畠山組合長は「経費は目に見えてかかってくるが、生産物の値段は日々変動しているので、還元の実感が薄い」と話す。(山崎大和)


◎道南の公立小中学校で入学式

 渡島、桧山管内の公立小・中学校計166校で7日、本年度の入学式が開かれた。このうち函館市内では、新しい学校生活への期待を胸に、46小学校に1709人、28中学校に1888人が入学した。

 ○…函館八幡小(大堂譲校長、児童379人)は、同校体育館で行った。新入生75人が6年生に手を引かれ、元気良く入場。1年生が3クラス編成になるのは5年ぶりで、多くの保護者や教職員が見守った。

 大堂校長は「自分のことは自分ですること、担任の話を聞いて勉強や運動を頑張ること、大きな声であいさつすること、この3つを守って楽しい学校生活を送ってほしい」とあいさつ。

 2年生は歓迎アトラクションで、ダンスや演奏を交えて学校行事を紹介。石澤拓千君(6)は「国語と算数が好きなので、頑張りたい」と笑顔を見せていた。

 ○…函館戸倉中(木村雅彦校長、生徒300人)は同校体育館で行い、103人が入学。新しい制服を着た新入生は、一人ずつ名前を読み上げられて起立し、中学生としての自覚を新たにした。

 木村校長が「人はそれぞれ自分とは違う何かを持っていることを認め合い、多くのことを吸収して大きく成長してほしい」と式辞。在校生を代表し生徒会長の佐藤駿生君(3年)は「最初は戸惑うこともあると思うが、焦らず一歩ずつ乗り越えて」と励ました。

 新入生代表の坂本奈々絵さんは「戸倉中の歴史に恥じぬよう、努力を惜しまず成長していくことを誓います」と決意を示した。このほか、在校生が校歌紹介や、同校オリジナルのYOSAKOIソーラン演舞を披露して歓迎した。(虎谷綾子、斎藤彩伽)