2014年4月9日 (水) 掲載

◎五稜郭タワー50周年事業、地域活性化の拠点完成

 五稜郭タワー(中野豊社長)が地域で活動する団体の拠点にしてもらおうと整備を進めていた「五稜郭櫻交流ハウス」が完成し、10日から利用を開始する。今年創業から50周年を迎える同社の地域貢献事業で、函館野外劇など五稜郭地区を盛り上げるイベントや市民の活動をサポートする。

 施設は木造平屋、床面積は207平方b。タワーの向かいにある観光バスの駐車場に隣接する場所で、昨年11月に着工した。総事業費は約6000万円。

 利用対象は「函館野外劇」と「五稜星の夢」「五稜郭祭」の3団体。会議室や倉庫を備えており、会議やイベントの準備、事務所として利用してもらう。

 観光バスの駐車場のそばにあるため、昼間は運転手やバスガイドらの休憩場所も兼ねる。同社は「活動の拠点として利用してもらうことで、一緒に五稜郭を活性化させていきたい」とした。

 同社はこのほかにも創業50周年記念の行事や事業を展開する。まずは5日から入場券をリニューアル。これまでは1種類しかなかったが、11種類に増やした。四季の五稜郭、新旧タワーが並んだ写真を使い、五稜郭の魅力をアピールする。

 また、11月26日には函館市芸術ホールで記念コンサートを開く。35年前の創業15周年記念音楽会で演奏した「カンタータ『函館幻想』」を再演する企画だ。12月には市民向けの感謝イベントも行う。同社は「市民に函館の文化や歴史の素晴らしさを再認識してもらう1年にしたい」としている。(松宮一郎)



◎旧グルメシティ解体着手、安全祈願祭

 2009年5月の閉店以来、空きビルとなっていた函館市本町の旧グルメシティ五稜郭店の解体工事が今月中旬から本格化する。8日に関係者による工事の安全祈願祭が同ビルで執り行われた。10月末には解体が終わり、2016年12月には地上19階建てのマンション併設の商業ビルとして生まれ変わる予定だ。

 旧ビルは地上7階、地下1階で、地場スーパー「ホリタ」の中核店舗として1970年に開業。ダイエー、グルメシティと店名を変え、09年に閉店した。

 市中心市街地活性化基本計画で本町地区の中心事業「優良建築物等整備事業」として、再開発が盛り込まれ、昨年1月に設立した特別目的会社「SPC函館本町開発」(布村隆二社長)が土地、建物を取得し、準備を進めてきた。

 新たなビルは地上19階、地下1階で高さは60数bとなる見込みで、市内で最も高い複合ビルとなる。4階以下に商業施設が入居し、5階以上はダイワハウスが手がける分譲マンションとなる。また、市は4階部分を取得し、文化芸術活動や起業家育成の拠点施設「市民交流プラザ」を整備する。

 現在、外壁の落下を防ぐ工事を先行して進め、今月中旬から工事が本格化し、10月末に完了を予定。引き続き、新ビルの建設に入る。総事業費は約46億円を見込み、市は事業費の補助金として2億2860万円を本年度予算に計上している。

 安全祈願祭には事業者や市の関係者24人が出席。布村社長は「函館のためになる新たなビルをつくるためにも、解体工事が安全のうちに終わることを第一に願っている」と話した。 (今井正一)



◎七飯町長選告示、田村氏、中宮氏が立候補

 【七飯】任期満了に伴う七飯町長選は8日、告示された。届け出順に、新人で元町企画財政課長、田村敏郎氏(62)=無所属=と、現職で3選を目指す中宮安一氏(59)=同=が立候補し、13日の投開票日まで5日間の舌戦が始まった。

 前回に続き、現職対元町職員の一騎打ち。町の発展を左右する北海道新幹線開業を見据えたまちづくりが本格的に進められることから、それぞれの地域活性化策などが注目される。

 田村氏は「夢と活力のあるまちづくり」をキャッチフレーズに、町の特産品をPRするアンテナショップの拡充、町内起業の促進、医療費無料化の高校生までの拡大、大沼での自然観察施設の建設、役場組織と町議会の連携強化などを公約に掲げる。草の根運動を展開し支持拡大を進め、企業訪問にも力を注ぎ、着実な浸透を図る。

 中宮氏は「夢と希望と可能性を目指して」をスローガンに、連合北海道や建設業を中心とした企業、多くの町議員の推薦を受け、組織力の強化に取り組んできた。町地域防災計画の見直し、大中山小など公共施設の建て替え事業の着手など2期目の成果をアピールするほか、峠下地区での商業エリアの整備、大沼の水質浄化などを訴える。

 両候補とも町役場で届け出を済ませた後、選挙事務所本部前で第一声を上げた。その後、遊説に向かい、田村氏は大沼、大川地区など5カ所で、中宮氏は本町、藤城地区の2カ所で街頭演説を行った。

 また、町議補欠選(欠員1)も告示され、いずれも無所属の新人で、保険代理業の三箇俊昭氏(64)、元道職員で無職の川村主税氏(43)、農業の池田誠悦氏(53)、金融専門職の進藤博紀氏(33)=届け出順=の4氏が立候補した。

 町選管によると、7日現在の選挙人名簿登録者数は2万3911人(男性1万797人、女性1万3114人)。(柏渕祐二)


◎交通安全街頭啓発、「思いやり運転」呼び掛け

 新入学期の交通安全大型街頭啓発が8日、函館市美原1のMEGAドン・キホーテ前で実施され、通行人やドライバーに事故防止を呼び掛けた。

 「春の全国交通安全運動」(6〜15日)関連行事。函館中央署、函館中央地区交通安全協会連合会、函館地区トラック協会、各町会などの関係団体、函館中央小学校の新入学児童も参加し、計約200人が集まった。

 児童は函館中央署の堀内巖署長、函館中央地区安全協会連合会の山那順一会長らと手をつなぎ、腕を上げながら横断歩道を渡った。このほか「思いやり運転を」などと書かれた旗を持って沿道に立ち、走行するドライバーに安全運転を呼び掛ける「旗の波作戦」を実施した。  堀内署長は「町会の人も熱心に取り組み、力強く思う。児童や高齢者に交通事故の注意を呼び掛け、運転手にも指導など声を掛けていきたい」と語り、山那会長も「初心に戻って、歩行者は安全に横断歩道を渡り、ドライバーも周囲に気を配った運転をしてほしい」と話していた。(小林省悟)