2014年5月15日 (木) 掲載

◎ペシェ・ミニョンの菓子工場計画 暗礁に

 JR函館駅前の洋菓子製造工場を核とした商業施設の整備計画が暗礁に乗り上げている。洋菓子製造販売のペシェ・ミニョン(函館市湯浜町、中沢美樹社長)は、建設コストの上昇分を施設規模の縮小で補うことを軸に、予定地を賃貸する市などと協議を進めているが、テナント数の減少で開業後の収支計画の見通しが立たない状況だ。

 同社は2012年に駅前市有地の活用に向けた市の公募に応募。市とJR北海道が所有する約9800平方メートルの土地を借り受けて、菓子工場や物販、飲食店のテナント棟などを整備する計画を提案し、採用された。総事業費は11億5400万円で、当初計画では今年5月に着工する予定だった。

 市によると、同社から昨年10月に全国的な建設コスト高騰を背景に、同社から計画規模の縮小について相談があり、今年1月末には変更協議資料の提出を受けた。菓子工場を核とするコンセプトは変更せずに、市とJR、同社の3者による協議を進めてきた。

 ただ、事業費の高騰分を建物規模の縮小で補った場合、10店ほどを予定していたテナント数の減少につながり、収支計画が大幅に悪化する見通しとなった。市企画部計画推進室は「(規模縮小後も)建設コストは変わらず、収支計画は厳しい。経産省の補助金活用も検討したが難しい状況」とする。

 また、同室は「地域への恩返しという会社側の思いを応援するスタンスで進めてきている。一方で、市民財産である市有地での事業であり、確実性が求められる」とし、今後について「協議を進めている最中。拙速には進めない」としている。

 一方、同社は計画を変更するなどして事業継続を模索している。収支予想の悪化で計画実現は困難な情勢だが、同社は「現在は市やJRとの協議、調整を続けている段階。計画の断念など結論はまだ出ていない」としている。(今井正一、松宮一郎)



◎木古内で田植え始まる

 【木古内】木古内町で14日、田植え作業が始まった。今年は天候に恵まれ、雪解けが進んだため、町鶴岡の東出雅史さん(48)の水田では例年より1日、昨年より4日早い作業開始となり、午前8時から道南産のブランド米「ふっくりんこ」などの苗を植えた。

 東出さんの水田では46ヘクタールの作付けを予定。そのうち約30ヘクタールが「ふっくりんこ」で、このほか「ななつぼし」や「ほしのゆめ」、木古内町の地酒「みそぎの舞」の原料となる「ほのか224」も生産する。作業は5月いっぱいまで続く。

 4月18日から播種(はしゅ)し、ハウスで1カ月ほど育てた苗は10センチにまで成長。青々と輝く苗を、長男の雄太さん(25)が田植え機を使ってきれいに並べ植えた。

 雄太さんは「播種を始めてから天気もよく、いい苗が育った。消費者に喜んでもらえるようなおいしいコメを作りたい」と力を込める。雅史さんは「例年より早く田植えできるのは5年振り。今年は冷夏と言われているが、寒さに負けないでコメを作りたい」と話していた。(野口賢清)



◎ハクサイ出荷、柔らかく大玉

 【北斗】ハウスもののハクサイの収穫、出荷作業が北斗市内の農家で盛んだ。日照時間がたっぷりあったため、柔らかく大玉に仕上がっている。

 市内東前の佐々木弘光さん(46)方では、ハウスと露地トンネルを合わせて35eで栽培。12日に初出荷、14日もパートを含め6人で収穫、選別、箱詰め作業に追われた。Lサイズ(4玉)中心で、日量200〜250箱(1箱10キロ)をJAを通じ、札幌など道内市場へ出荷している。改行 現在の取引価格は1箱1000〜1200円。茨城産の品質低下により、道産への引き合いがあり、関東方面にも出荷予定。「春の日照時間が多く気温も高かったので、大玉傾向。柔らかく甘みも強い。実がしっかりしており、カット販売しやすい」と佐々木さん。

 佐々木さんが部会長を務める市野菜生産出荷組合はくさい部会は27戸。早い人はゴールデンウイーク明けの7日から出荷を始め、ハウスものは今月末まで、露地トンネルものは6月15日ごろまで続く。(山崎大和)


◎上ノ国で交通事故死ゼロ連続2000日で感謝状

 【上ノ国】町内での交通事故死ゼロが連続2000日を達成したとして14日、高橋昌弘江差署長が関係機関に感謝状を贈り、交通安全活動の継続を呼び掛けた。

 同町では2008年11月2日に車両単独死亡事故が発生して以来、死亡事故がなく、今年4月25日で連続2000日を迎えた。

 感謝状を受けたのは、上ノ国町交通案推進委員会(会長・工藤昇町長)、上ノ国交通安全協会(飛鳥正人会長)、大留交通安全協会(森田豊彦会長)、滝沢交通安全協会(古館幹雄会長)、湯ノ岱交通安全協会(三浦安則会長)。

 高橋署長は「春の交通安全活動などで朝早くから多くの町民が旗を振って交通安全を呼び掛ける姿に感動している。今後も悲惨な交通事故防止に協力を」と述べた。

 工藤会長は「2000日は途中経過で、3000日、4000日と全町民一丸となっての推進を誓いたい」ときっぱり。飛鳥会長(62)と森田会長(62)は「事故を起こさないように町内会としても頑張って何日も無事故を続ける」、古館会長(72)と三浦会長(69)も「年配者が多く日中の外出時の注意、交通安全意識の向上に努めたい」と話していた。(田中陽介)