2014年5月17日 (土) 掲載

◎米ミサイル巡洋艦が寄港 函館日米協会が歓迎式

 米海軍横須賀基地所属のミサイル巡洋艦「シャイロー」(1万900d、乗組員400人)が16日、函館港に入港し、港町埠頭(ふとう)に接岸した。函館日米協会(加藤清郎会長)による歓迎式が行われた。

 米海軍軍艦の入港は2012年2月の掃海艇「パトリオット」以来。入港目的は「親善」で、21日までの滞在中、ペリー来航160周年記念行事や箱館五稜郭祭への参加、バスケットボールを通じたスポーツ交流などを予定する。

 歓迎式には同協会関係者や中林重雄副市長、在札幌米国総領事館のジョエレン・ゴーグ首席領事らが出席。海上自衛隊函館基地隊、ホストシップとして同埠頭に停泊中の同大湊基地所属の護衛艦「すずなみ」の隊員も参加した。

 加藤会長は「ペリー提督は、多くの欧米文化を函館に残した。短い滞在だが、市民との交流を深めてほしい」と歓迎。同艦艦長のクルーシュ・F・モリス大佐は「160年前にペリー提督がこの美しい街で紡いだ絆をより強めていきたい」と応えた。

 式終了後、同艦の主要装備であるミサイルの垂直発射システムやイージスシステムのコントロール室などが公開された。報道陣の取材に対し、モリス大佐は、安倍首相が集団的自衛権行使容認に向けた取り組みを進める考えを表明したことにかかわり、「日本国民が決めることで、海軍将兵としてコメントする立場にない」とし、「海上自衛隊と米海軍は非常にいい関係を持ち、相互運用性に優れている。その関係はこれからも続くだろう」と述べた。 (今井正一)



◎「おしょろ丸」知って 北大総合博物館が20日から企画展

 北大水産学部附属練習船「おしょろ丸」X世の新造に合わせ、北大総合博物館(札幌)は20日から、函館キャンパス内の水産科学館(館長・矢部衞教授)で企画展「学船 洋上のキャンパスおしょろ丸展」を開く。研究者や学生を乗せて活動する姿を広く知ってもらう狙い。6月27日まで。

 おしょろ丸にゆかりのある船籍港板、測距儀、作業日誌、報告書、初代〜W世の模型など約50点を展示。昨年行ったW世の北極調査の様子やX世の建造風景なども映像で紹介する。

 6月7日には、同キャンパスで北大大学院水産科学研究院の木村暢夫教授による関連講演会(午後2時〜同3時)を開くほか、学生による展示解説(同3時〜同4時半)も。展示解説は同21日(同2時〜同4時)も予定している。

 函館開催の後、総合博物館に会場を移し7月11日〜11月3日に開く。

 同館の河合俊郎助教は「日常では目にすることのない現場の様子を映像で楽しんでほしい」と来館を呼び掛けている。

 X世は総トン数1600d、全長が約78b、幅が約13b、定員が99人(うち学生60人)。8月1日に竣工(しゅんこう)予定。

 2会場とも入館無料、函館は午前10時〜午後4時半。土・日曜休館。問い合わせは水産科学館(рO138・40・5553)へ。(山崎大和)



◎中島三郎助まつり開幕

 中島廉売恒例の祭り、中島三郎助まつりが16日、函館市内の同廉売で開幕した。17日までスイーツの販売やスープの振る舞い、各店の特売などさまざまな催しが開かれる。

 中島町商店街振興組合(川崎正博理事長)主催。町名の由来となった幕臣、中島三郎助の供養を目的に毎年5月に開き、今年で21回目。

 初日は中島れんばいふれあいセンター前で、中島三郎助祈願祭が行われ、関係者ら9人が出席。川崎理事長が「廉売の情報を発信し、たくさんの市民に利用してもらえるようにしていきたい」とあいさつ。僧侶による読経の中、同組合の役員らが順番に焼香した。

 また、歩行者天国が解除されてから初の開催で、安全面の配慮から中止となった「もちまき」にかわり、今回はまんじゅうが配布された。先着150人に配られ、開始前から買い物客の長い行列ができていた。

 17日は午前10時からスイーツまつり、同11時からは縁日コーナーなど。午後1時から先着100人にスープを振る舞う。問い合わせは同組合(TEL0138・51・0026)へ。  (平尾美陽子)


◎開業見据え意見交わす 「全道一丸 連携重要」

 2016年3月の北海道新幹線新函館(仮称)開業に向け、函館と室蘭、伊達、登別の商工会議所の関係者が16日、函館市内のホテルで懇談会を開いた。函館側が開業に向けて取り組んでいる事業や課題を説明。胆振側は参考にしようと盛んに質問をした。

 函館を訪れたのは登別商工会議所の上田俊朗会頭をはじめ、3商工会議所の約10人。弘前市を見学した後、函館を視察した。函館側は西村憲人、境勝則の副会頭2人と新幹線開業対策、観光・飲食、広域連携などの担当者が迎えた。

 上田会頭が「日胆地域で官民連携組織をつくり、魅力を高める取り組みを進めているところ。新幹線が通らないマチとして何ができるかを考えている」とあいさつ。西村副会頭が「全道一丸で新函館開業を成功させることが重要。連携を強化しよう」と呼び掛けた。

 懇談会では函館市や商工会議所などでつくる北海道新幹線新函館開業対策推進機構が展開する事業を説明。「開業まで2年を切り、認知度は高まった一方で事業者のアクションにはつながっていないのが現状」とした。そのうえでプロモーションや要望活動、人材育成事業を紹介していった。

 胆振側も開業効果を取り込もうと真剣で、それぞれの事業について活発に質問。双方から「情報交換を活発にすべき」「機運を高めていこう」といった意見が上がり、連携強化の必要性を確認し合った。 (松宮一郎)