2014年5月18日 (日) 掲載

◎土方歳三コンテスト 迫真の演技…五稜郭祭開幕

 戊辰戦争終結の地、五稜郭を舞台にした「五稜郭築造150年記念第45回箱館五稜郭祭」(同協賛会主催)が17日、開幕した。五稜郭タワーアトリウムで開かれた恒例の「土方歳三コンテスト全国大会」では、東京都練馬区の会社員小林良紀さん(38)が優勝を飾った。

 同コンテストは27回目。参加者は男性8人、女性7人の計15人で、東京や千葉、愛知からの参加もあった。今年は出陣を前にした土方が市村鉄之助に写真を託し、戦場で官軍に撃たれるシーンを再現。正統派の演技で殺陣を決める人や、スマートフォンで写真を撮りながら登場して笑いを取るなど、それぞれが工夫を凝らした演技を披露した。

 優勝の小林さんは一昨年が準優勝、昨年が3位で、3年目で栄冠をつかんだ。近藤勇らへの思いをセリフに盛り込み、刀や拳銃を用いた迫真の演技を披露。小林さんは「昨年まではギャグ路線だったので、今年は土方がどう戦いを挑んでいったのか演出面を考えた。パレードでは沿道の人に応えながら、土方の格好良さが出せれば」と話した。

 準優勝の市内の准看護師丸山彩さん(21)は、官軍に撃たれ、あおむけに倒れ込んで客席を沸かせ、「土方の仲間を思いやる優しさや守るべきものへの思いを表現した」と話した。3位の箱館五稜郭祭賞は、時事ネタを盛り込んだ名古屋市の宮崎準也さん(47)が受賞した。

 この日は同コンテストに先立ち、市内4カ所で碑前祭が行われ、箱館戦争の戦没者をしのんだ。18日は維新行列のパレードが行われ、小林さんと丸山さんも参加。午後1時に中島廉売通りをスタートし、行啓通では戦闘シーンの再現、午後3時ごろには五稜郭公園特設ステージで開城セレモニーがある。(今井正一)



◎くまモン登場に歓声…棒二森屋「九州・沖縄 大物産展」

 棒二森屋本館7階催事場で開かれている「第2回九州・沖縄 大物産展」に17日、熊本県の人気観光PRキャラクター「くまモン」が登場し、約350人の客でにぎわった。

 くまモンは、2011年の九州新幹線全線開業に合わせて熊本県がつくったゆるキャラ。「2011ゆるキャラグランプリ」で1位を獲得して話題となり、現在は熊本県の営業部長として全国を飛び回っている。

 特設ステージを多くの観客が取り囲む中、くまモンは午後に2度登場。公式テーマ曲「くまモンもん」や「くまモン体操」を元気に踊って来場者を楽しませた。

 札幌市からくまモンを見に来たという、中谷仁彦さん(36)と武藤真友さん(33)は「とてもかわいかった。これから買い物をしていきます」と笑顔で話した。

 くまモングッズやおやきなど約30店が並ぶ物産展は21日まで開催。午前10時〜午後7時。最終日は午後4時まで。(斎藤彩伽)



◎廃棄物からエコ資材…函高専生「浄水汚泥」の活用研究

 函館高専(岩熊敏夫校長)の学生3人が、水道水の浄水処理時に発生する「浄水汚泥」の有効活用に向けて研究に乗り出した。処分に困る厄介者≠逆転の発想で有用な資源と捉え、雑草が生えにくい砂と畑用の土として実用化の可能性を探る。市民に知ってもらう第一歩として、この砂と土を24日に無料配布する。

 浄水汚泥は水道水を作る際に発生、川の水に含まれる土砂を沈殿させて乾燥させたもの。函館市によると、市全体で年間1000立方b出て、処理費用は同1200万円。新たなリサイクル法の開発が課題となっている。

 研究は創造実験という授業で、依頼したのは浄水汚泥の有効活用に取り組む戸沼岩崎建設(函館)。専攻科2年の黒島彩さん、村上晃さん、蛸島直樹さん(いずれも21)が、4月から半年間かけて研究を進めている。

 雑草が生えにくい砂は、浄水汚泥をそのまま利用。沈降剤として使ったアルミニウム成分が残っており、植物の生育を阻害する効果がある。玄関周辺など、雑草が気になる場所に使うことができる。

 畑用の土は農地や園芸用に利用できるが、通常の土より重いことが難点。今後さらに改良が必要という。

 無料配布は24日の午前10時〜午後3時、戸倉町14の同高専で。1袋15リットル入りの砂を15袋、土を30袋用意し、なくなり次第終了。利用者アンケートを取り意向を把握。好評なら第2弾の配布も検討する。

 村上さんは「廃棄物の処理にお金が掛かっており、リサイクルできるようになればと思う。エコなものとして市民に知ってもらいたい」と話す。

 市浄水課は「有効利用法を考えていかなければならないので、研究はありがたい。市民の関心や理解が深まれば」と期待を込める。(山崎大和)


◎ベルサイユサミット 「料理」再現…仏料理店「イリュージョン」

 函館市白鳥町17のフランス料理店「イリュージョン」は、1982年にフランスで開かれたベルサイユサミットの晩さん会で、実際に各国首脳が味わったコース料理を再現し、6月から1カ月間限定で提供する。各国首脳が舌鼓を打った料理6品を再現し、サミットならではの味と雰囲気を紹介する。

 オーナーシェフの岩城浩司さん(63)は、同サミットで料理総指揮官を務めたミシェル・パスケ氏と友人で、2008年には洞爺湖サミットに合わせてパスケ氏からレシピや盛りつけを教わり、同サミットのメニューを提供。サミット料理の再現は今回で4度目で「前回(12年)来られなかった方にも味わってほしい」と話す。

 サミットは82年6月4〜6日にベルサイユ宮殿で開かれ、ミッテラン仏大統領やレーガン米大統領、鈴木善幸首相ら各国首脳が参加した。メニューは3度あった晩さん会のうち、「活オマール海老の貴腐ワインソース」「極上霜降り和牛肉のロースト」など2日間の献立を組み合わせた6品を再現。「ベルサイユのビロード グランマニエール酒風味」は6層のスポンジを重ねた濃厚なチョコレートケーキで、3日がかりで作るという。

 これに加え、前菜として店独自のオードブルが1皿付く。さらに、歴史的な食器を使った晩さん会にならい、同店のコース料理でも18世紀後半のナイフやフォークを用意して、雰囲気を演出する。

 岩城さんは「各国の首脳は食事にかける時間がなかったため、一品一品にボリュームがある。じっくりと味わってほしい」と話している。料金は1人1万2000円(税別)で、2日前までの予約(2人以上)が必要。営業は午前11時〜午後2時と午後5〜10時。水曜定休。問い合わせは同店(TEL0138・40・3703)へ。(千葉卓陽)