2014年5月19日 (月) 掲載

◎白兵戦に観客沸く…五稜郭祭最終日に維新行列

 第45回箱館五稜郭祭(協賛会主催)の最終日は18日、函館市中島町—五稜郭町間でメーンイベントの維新行列などが行われた。沿道に集まった観客が、函館の幕末の歴史を表現した総勢1100人のパレードや箱館戦争の白兵戦パフォーマンスを楽しんだ。

 維新行列は、榎本武揚率いる旧幕府軍と新政府軍の衣装に身を包んだ市民らが出演。中島廉売で出発式が行われ、黒田清隆役を務めた中野豊実行委員長が「今年は五稜郭築造150年の節目を迎えた。元気にパレードしていこう」とあいさつし、出発した。

 開陽丸など艦船を模した山車には、片岡格副市長や渡島総合振興局の宮内孝局長らも幕末の志士役となって”乗船”。千代台運動公園からは市内の吹奏楽部やマーチングバンド10組が音楽パレードに参加した。

 本町の行啓通では、恒例の白兵戦パフォーマンスを披露。大砲が打ち鳴らされると、刀を持った出演者が一斉に格闘シーンを展開。前日の土方歳三コンテストで優勝した小林良紀さん扮(ふん)する土方も登場し、華麗な殺陣と壮絶な討ち死の場面を見せ、盛り上げた。

 その後、五稜郭公園内で、無血開城のシーンを再現した開城セレモニーが行われ、榎本が黒田に「海律全書」を手渡すシーンなどが再現された。

 両親とともに来場した札幌市の東生野さん(56)は「函館が歴史のあるまちだということをあらためて実感した。ずっと続けてほしい」と感激していた。(鈴木 潤)



◎函大有斗V 全道へ…高校野球支部予選

 第53回春季北海道高校野球大会函館支部予選(道高野連など主催)最終日は18日、函館市千代台町のオーシャンスタジアムで決勝を行い、函大有斗が7―2で知内を破り、2年ぶり32回目の優勝を飾った。同校は26日から札幌円山球場で開かれる道大会に出場する。

 函大有斗は3回に先制して試合の流れをつかみ、終盤の7回に2点、9回に3点を追加し、知内の反撃ムードを断ち切った。知内も最終回までランナーを出す粘りを見せ、両校の好試合にスタンドから大きな拍手が送られていた。

 大会は支部加盟26校のうち24校が出場し7日に開幕し、計23試合の熱戦を繰り広げた。(山崎純一)



◎「懸念払しょくに努力」大間原発訴訟で石破幹事長

 自民党の石破茂幹事長は18日、同党道8区支部の定期大会出席のため来函した。函館市が4月に提訴した大間原発(青森県大間町)の建設差し止め訴訟について記者団に対し、「党として懸念や不安の払しょくに努力したい」と述べるにとどめた。

 石破幹事長は、工藤寿樹函館市長から提訴について説明を受けたと明らかにし、「市民の代表が建設再開に当たって懸念や不安、手続きについて問題意識を持っている」と述べた。その上で「党として国とは別の立場で動きができないか、地元自治体や前田一男衆院議員と相談しながら懸念や不安の払しょくに努めたい。裁判の行方を注視したい」とした。

 また北海道新幹線に関し、在来線との共用走行区間を時速140`に制限することに対し「ダイヤ編成上の工夫ができないか、議論を詰める余地がある」と言及。新函館(仮称)—札幌間の工期短縮を求める声については「安全性を確保しながら工期短縮ができるのか、地元意見を踏まえて可能な限り努力したい」と述べた。

 ホテル函館ロイヤルで開かれた講演会では約500人(主催者発表)を前に、来年の統一地方選での支援を呼びかけた。終了後は渡島総合開発期成会など9団体から要望を受けた。(千葉卓陽)


◎汐首岬で大間原発反対デモ行進

 大間原発(青森県大間町)建設をめぐり、市民団体「バイバイ大間原発はこだてウォーク」は18日、戸井地区で反対ウオークを行った。約80人が北海道と本州最短の地汐首岬周辺をデモ行進し「事故が起きれば、水産業に影響が出る」と中止を訴えた。

 汐首岬は大間町から最も近い18`で、原発建設地からは23`という。事故によって戸井地区で盛んなマグロやコンブ漁への影響が懸念される。反対の機運を盛り上げようと、同地区で初めて企画した。

 参加者は汐首漁港を出発し、汐首岬の先まで1・5`を「マグロを守ろう」「大間原発止めろ」「フルMOX危険」などと声を張り上げて歩いた。

 参加した元戸井町議で釜谷町の無職、太田正太郎さん(79)は「町議会として何度も要請したが、電源開発は説明をしないままに原発を造りだした。燃料を入れる前に止めさせるしかない」と語気を強めた。

 汐首町の主婦、奥野敬子さん(67)は「事故があれば漁業者がもろに被害を受ける。言葉には出さなくても(反対という)気持ちはみんな同じだと思う」と代弁した。(山崎大和)