2014年5月27日 (火) 掲載

◎青函リンゴでロールケーキ 五島軒

 函館市末広町の老舗レストラン五島軒(若山直社長)は、2016年3月の北海道新幹線開業をにらみ、青函両地域のリンゴを使ったロールケーキの本格的な製造、販売に乗り出す。北洋銀行などが出資するファンドから資金を調達し、本店の売店スペースの拡大や工場の設備投資も行う計画だ。

 同社に出資し、事業拡大をサポートする「青函活性化ファンド」は、北洋銀行と青森銀行、地域経済活性化支援機構などが23日に設立した官民連携ファンド。両行は新幹線開業を見据えて12年に連携協定を締結しており、ファンド設立で両地域の産業振興や地域活性化を目指す。

 同社への投資が第1号案件。青函両地域の素材を使った商品を積極的に開発していたことから、ファンドの目的と合致した。同様の枠組みは他地域にもあるが、投資に至ったのは国内初という。投資額は5000万円。

 調達した資金で本格的に製造、販売を行うのは「函館ロール」というロールケーキ。クリームの中に青森産リンゴ、表面には七飯産リンゴを使った商品。新幹線時代の青函連携のシンボル的な商品にしたい考えだ。

 ロールケーキを土産物とするため、急速冷凍機を導入する。ほかにも本店売店スペースを拡大し、販売を強化する計画。玄関前の資料室「蘆火野ホール」を改修し、これまで本店で販売していなかった生菓子も販売するという。改修は6月上旬からで、7月の3連休までにグランドオープンの予定。

 若山社長は「新幹線時代の目玉商品にしたい。物産展にも積極的に参加して売り込んでいく」と意気込んでいる。(松宮一郎)



◎箱館奉行所 かわら版発行 新館長・田原さん

 五稜郭の観光・学習施設「箱館奉行所」は、情報発信を強化しようと「かわら版」の発行を始めた。4月から館長に就任した田原良信さん(61)=元市立函館博物館長=が、かわら版発行日と同じ日にあった出来事を紹介。幕末から明治にかけての話題を振り返りながら、奉行所がどのような役割を果たしたかを伝えている。

 箱館奉行所は19世紀初め、蝦夷地防衛などの目的で江戸幕府が設置。当初は現在の元町にあったが、日米和親条約による箱館開港を経て五稜郭に建設された。幕末の箱館は江戸幕府の直轄地で、奉行所は徳川家の出先機関だった。

 そうした関係を理解できるのが、4月17日のかわら版「五稜郭の鎮守府である東照宮の造営」だ。1865年、箱館奉行所の北東に東照宮が造営されたが、これは江戸城の北に徳川家康をまつる日光東照宮が造営されたのと同じであることを伝える。

 奉行所が江戸城の代行機関であることを伝えるのがが、4月22日の「箱館奉行・杉浦兵庫頭の五稜郭着任」。1866年の奉行交代の儀式に臨む杉浦の衣装や、どの部屋に誰が控え、新旧奉行の引き継ぎが行われたかを伝える。

 1869年の「箱館戦争終結、五稜郭の明け渡し」を伝えるのは5月18日のかわら版。16日までの新政府軍の猛攻撃で、旧幕府軍は全面降伏を決定。17日に旧幕府脱走軍総裁・榎本武揚、陸軍奉行・大鳥圭介らが、新政府軍へ五稜郭を明け渡すことを約束した。18日、7カ月に及ぶ箱館戦争が終結する。

 いずれも当時の文書や日記などの史料を基に、田原館長がまとめた。「奉行の交代式は江戸からの指令通りに動き、儀式で徳川家への忠誠を誓っている。また、奉行所と東照宮の関係から、徳川家康に対する崇拝が強かったことがわかる。そうした情報を発信し、奉行所に足を運んでくれる人が増えてくれれば」と願っている。  (高柳 謙)



◎家庭ごみ2年連続増 函館市昨年度排出量

 函館市は26日、2013年度の家庭ごみ排出状況を発表した。前年度比103d(0・2%)増の6万4289dで、2年連続で増加した。燃やせるごみが減少した一方で、燃やせないごみや粗大ごみが前年度から増えている。

 市の家庭ごみは02年度から有料化するとともに、プラスチック容器包装の分別収集を進めており、有料化以降は01年度の年間8万8200dから減少。過去5年間は6万4000d台で推移している。

 市環境部によると、昨年度は総量の7割以上を占める燃やせるごみが4万9980dで、前年度から263d減少、04年度以来9年ぶりに5万dを割り込んだ。プラスチック容器包装は同7d減の2975dと、ほぼ横ばいだった。

 一方で、燃やせないごみは同255d増の5561dで、燃やせるごみの減少分をほぼ相殺した形。粗大ごみも同82d増の781dとなった。この結果、市民一人あたりの排出量は640cで、前年度から7c増えた。

 同部は増加要因について「4月から消費税率が引き上げられたことで耐久消費財の買い替えが進み、それに伴って粗大ごみや燃やせないごみの排出が増えた可能性がある」と推察。さらに、市内の人口が減少している中で単身世帯が増加傾向にあり、世帯ごとに一定量のごみが出ている点も挙げている。

 市は昨年度、新たな廃棄物対策として携帯電話やデジタルカメラなど小型家電のリサイクルを試験的に実施。半年間で約7dを集めており、本年度から本格的に取り組む。同部は「燃えないごみを再資源化する取り組みを進めながら、総量の減少を進めたい」(環境推進課)としている。 (千葉卓陽)


◎料理を美人≠ノ撮影 ウイニングホテル

 ウイニングホテル(函館市末広町)は25日、プロのカメラマンが料理の撮影方法を指導するイベントを開いた。カメラの基本技術からスタートし、料理をおいしそうに撮影するコツを伝授した。

 同ホテルの企画「おとなの部活動」の1回目。写真撮影が趣味の市民約20人が参加。講師は七飯町在住のフォトグラファー、児山毅さんが務めた。最近は料理を撮影してフェイスブックなどに写真を投稿する人が多いことから、初回のテーマを料理の撮影方法にした。

 児山さんはカメラの構え方やシャッタースピードと絞りの関係といった基本から話を始め、「離れたり、近づいたり、アングルを少し変えるだけで被写体は違って見える。料理が美人に見える角度を探して」などと語った。

 参加者は一眼レフカメラやスマートフォンを持って料理撮影に挑戦。撮影したものを児山さんに見てもらいながら、アドバイスを受けた。イベントは2カ月に1回のペースで行う予定。同ホテルは「写真に興味のある人はぜひ部員≠ノ」と呼び掛けている。 (松宮一郎)