2014年5月3日 (土) 掲載

◎北斗の桜 幻想的 「回廊」を試験点灯

 【北斗】北斗市内にあるサクラの名所「桜回廊」のライトアップが3日から始まるのを前に2日夜、法亀寺のしだれ桜など3カ所で試験点灯が行われた。

 2016年3月予定の北海道新幹線開業に向けた観光振興の一環で、市や市観光協会が12年から、市内に点在するサクラの名所を「桜回廊」と称し、ライトアップなどの事業を行っている。

 2日は午後6時すぎから、市と同協会の職員が照明器具を設置し、実際に点灯させて照明効果を確認。法亀寺のしだれ桜は八分咲きとすでに見頃で、試験点灯が始まると見物人が続々と来場。暗くなり始めた午後7時すぎから、光に照らされたしだれ桜が優雅な趣を醸し出していた。

 今年の夜間ライトアップ期間は昨年よりも1週間延長し16日までの14日間。同寺と大野川沿いのサクラ並木(本町)の2カ所のほか、今年は新たに松前藩戸切地陣屋跡の桜並木も点灯する。ライトアップの時間は午後6時〜同9時。

 同協会は「今年は戸切地陣屋跡もライトアップし、回廊らしくなった。北斗の桜を堪能してほしい」とPRしている。(鈴木 潤)



◎初夏香る「新茶」お目見え

 新茶シーズン到来―。八十八夜の2日、函館市内の専門店や百貨店などの店頭にも新物がお目見えし、初夏の香りに包まれた。

 立春から88日目に当たり、茶摘みに最適な時期とされる。農家はこの日を境に霜害の心配がなくなり、作業が忙しくなる。

 市内に直営3店舗を展開する丸山園茶舗(本店若松町19、井ヶ田嗣治社長)では、4月17日から新茶を扱う。2日からは、福岡・八女産100c4000円、静岡産同5000円、同2500円、鹿児島産同1500円(いずれも税別)と、値ごろ感のあるお茶が並んだ。

 井ヶ田社長は「これから京都産や三重・伊勢産が入荷し、静岡産も生産量が増えてくるので、価格も安くなる。新茶の味をぜひ楽しんでほしい」と話す。

 主産地では、鹿児島が4月8日、静岡が同23日、京都が同26日から今年産一番茶(荒茶)の取引がスタートした。(山崎大和)



◎求人増の傾向続く 雇用失業情勢3月も改善0.81倍

 函館公共職業安定所がまとめた渡島、桧山管内の3月の雇用失業情勢によると、有効求人倍率は、前年同月を0・14ポイント上回る0・81倍となった。3カ月ぶりの0・8倍台で、46カ月連続前年を上回るなど求人の増加傾向が続いている。

 基調判断は6カ月連続で「一部厳しさがみられるものの、改善傾向にある」とした。有効求人倍率は上昇を続け、昨年10月から12月までは0・8倍台とバブル期以来の高い水準で推移。その後は伸びが鈍化し、1月は0・77倍、2月は0・79倍に。3月は0・81倍に戻した。

 新規求人数は前年同月比13・6%増の2738人で15カ月連続で前年同月を上回った。産業別では製造業や医療・福祉が増加。製造業のうち、水産加工を含む食品は同48・2%増の169人となった。卸売業・小売業は同13・8%増の429人。同職安によると、増税に伴う駆け込みの反動が懸念されたが4月入った後も落ち込んでいないという。

 新規求職者数は同8・3%減の2181人で2カ月ぶりに前年同月を下回った。先行きについて同職安は「消費税増税の影響を注視していく」としている。 (松宮一郎)


◎昨年急逝の芸術家ヨークさんしのび追悼作品展

 北斗市萩野を拠点に活動した現代芸術作家で、昨年5月に死去したヨーク・クリストさん(享年64)をしのぶ作品展が、3日から函館市弁天町14の旧大黒湯で開かれる。生前親交のあった市内在住の芸術家、ささきようすけさん(33)との二人展で、ヨークさんが生前残した素材を使って芸術家仲間らが作品を制作。「ヨークさんの世界に触れてほしい」と来場を呼び掛けている。13日まで。

 ヨークさんはドイツ出身で、世界各国を渡り歩いた後、1985年に旧大野町が気に入り移住。使い古された雑貨や廃材などを使った作品制作に取り組んでいたが、昨年5月、自宅の火災で亡くなった。

 ささきさんは4年前に四国から函館に戻り、芸術活動を通じてヨークさんと知り合い、互いに廃材を使うなど共通点があったことから意気投合。2012年に西部地区などで開かれたアートフェス「函館トリエンナーレ」の際、ヨークさんから「一緒に展示がしたい」と申し出があり、ともに気に入っていた大黒湯での二人展を約束していた。急逝から1年がたち、思い入れのある場所で追悼イベントを開くことにした。

 二人展でささきさんは、「地獄めぐり」をテーマに作品を発表。かつて銭湯だった会場の作りを生かし、アルミ板にペンで描いたドローイングや、七福神をイメージした絵画などを展示する。

 一方のヨークさん側は、親交のあった作家ら9人が、ストーブの煙突など、ヨークさんが残した素材を用いて作品を制作。制作者の一人、小宮伸二さん(53)はヨークさんの作品について「自由でありながら作り込み過ぎず、シンプルにまとめていた」と話す。

 二人展は午前11時から午後7時まで。一周忌の14日には、ヨークさんの自宅跡で無料の追悼パーティーを開くほか、15日午後7時からは市芸術ホールで、青森市在住の舞踏家、福士正一さんによる追悼舞踊公演(入場料1000円)も開かれる。問い合わせはささきさん(電話090・6280・0623)へ。 (千葉卓陽)