2014年5月4日 (日) 掲載

◎旧松前線工事で強制労働、専念寺で慰霊法要

 【松前】第2次世界大戦中の旧国鉄松前線建設工事で犠牲になった朝鮮人労働者らを追悼する慰霊法要が3日、町唐津の専念寺(福島憲成住職)で営まれた。参列者は犠牲者の冥福を祈りながら、平和への誓いを新たにした。

 旧松前線は軍事物資の運搬を目的に戦前から工事が始まり、1000人近い朝鮮人や中国人が動員された。過酷な労働環境の中、約50人が命を落としたとみられ、うち11人が同寺に埋葬されている。

 慰霊法要は地元有志が1985年に同寺の境内に慰霊碑を建立して以来、憲法記念日の5月3日に開いており、今年で30回目となった。

 この日は関係者や地元住民ら約100人が出席。松前仏教会の僧侶9人が読経を唱える中、参列者は犠牲者の名前が刻まれた慰霊碑の前で焼香し、手を合わせた。

 また、法要30回を記念して、石山英雄町長や地元の園児たちが境内にサクラの木を植樹したほか、函館市のバンド「ひのき屋」によるコンサートも開かれた。

 石山町長は「生活環境の異なるこの地で過酷な工事に従事し、完成を見ることなく殉難されたことはまことに痛ましく慰めの言葉もありません」と追悼の言葉を述べた。(金子真人)



◎もりまち桜まつり開幕

 【森】桜が見頃を迎えた森町の青葉ケ丘公園では3日、もりまち桜まつり(森観光協会、実行委主催)が開幕した。18日まで。改行 初日はオープニングセレモニーが行われ、森観光協会の石岡眞喜雄会長や梶谷恵造町長らがテープカットした。

 特設ステージで吹奏楽の演奏会が開かれ、縁日コーナーは輪投げやホタテ釣りなどに挑戦する子どもたちでにぎわった。茅部汁、カボチャ団子が無料で振る舞われたほか、表千家流松浦社中による茶会や森町食品加工研究会による創作桜ゼリーの無料試食コーナーもあり、客足を誘った。

 期間中、園内の桜ガイドなどを行う観光ボランティアガイドの幹事、長谷川清さん(63)は「また来たいと思ってもらえるよう、おもてなしをしたい」と意欲。サクラ開花中に初めて同公園を訪れた函館市の田中国生さん(71)は「見応え十分。来て良かった」と感激していた。

 同公園にソメイヨシノが植樹され今年で節目の100年に当たり、18日は記念行事として町民お花見会を開催。11日は正午からメーンイベントの歌謡ショーが特設ステージで開かれる。(鈴木 潤)



◎函大生が無料観光案内所、実証実験始まる

 函館大学の学生による中古コンテナを活用したビジネスモデル構築の実証実験が3日、函館市大手町のはこだてビール中庭で始まった。6日までコンテナを設置し、無料の観光案内所と休憩所を開設。初日は人通りはあるものの、案内所の利用者は少なく、学生らは「集客方法を改善したい」としている。

 初期投資を抑えた小規模店舗を営業するビジネスモデル構築の実験。コンテナ内で無料Wi−Fiの利用や観光パンフレット配布など、観光客が休憩場所として利用できるようにした。

 午前11時〜午後2時に案内所前の歩行者数を計測したところ、1時間当たり400人弱程度。午前は函館駅からベイエリア方向に向かう人が多く、午後には流れが逆転した。開設した約4時間の利用者は十数人にとどまったが、携帯電話の充電のために利用する観光客がいるなど、潜在的な需要はうかがえた。

 はこだてビールの遠藤光広店長(47)は「毎年、連休2日目以降の方が人が増える。学生が主役になるプロジェクトが函館全体で盛んになってほしい」とエールを送る。4年生の山田潤さん(21)は「人を呼び込む工夫が足りなかったことが反省点。4日以降は人通りがさらに増えると聞いているので集客方法を改善して取り組みたい」と話していた。4日以降も雨天時を除き午前11時〜午後4時に開設する。(今井正一)


◎サラキ岬チューリップフェア開幕

 【木古内】国道228号沿いのサラキ岬で3日、「サラキ岬チューリップフェア」(実行委主催)が開幕した。早咲きの「プリシマ」といった品種が咲き誇っており、訪れた人々の目を楽しませている。18日まで。

 サラキ岬には60種、約5万本のチューリップが植えられている。岬に眠っているとされる江戸幕府の軍艦、咸臨丸がオランダで造られたことから、地元の民間団体が2004年にチューリップを植えており、イベントは今年で11回目。

 3日は黄色や赤、オレンジの早咲き品種が鮮やかに咲いており、午前中から来場者でにぎわった。函館市から訪れた岡本久美子さん(37)は「本当にきれい。まだ咲いていない品種もあるので、来週も来てみたい」と話していた。

 6日までの連休中と18日までの土日は、地元商業団体などがホタテやカキの網焼きや焼き鳥などを出店。5日は午前11時から「第11回チューリップ祭り」として、ジンギスカンや歌謡ショーなど多彩な催しを企画している。ジンギスカンの予約は10人以上で、1人1600円。問い合わせは町商工会(TEL01392・2・2046)へ。(千葉卓陽)