2014年5月8日 (木) 掲載

◎朝市〜ベイエリア愛称…「開港通り」に決定

 函館国際観光コンベンション協会は7日、函館市西部地域振興協議会と募集した朝市からベイエリアへ続く市道の愛称を「開港通り」に決定したと発表した。新幹線開業後には現在よりも多くの観光客が通りを歩くことから、愛称決定を手始めとして魅力アップ、歓迎ムードを高めるための事業を展開していく。

 愛称を募集したのは函館朝市から国際ホテル、ベイエリアへと続く市道約1・5キロ。正式名称は「中臨港線」「二十間坂通り」だが、新幹線開業の機運を盛り上げようと企画した。市民から511点の応募があり、大学教授や近隣町会の会長、函館市、函館商工会議所などでつくる選考委員会が候補を絞り込んだ。

 「開港通り」には複数の応募があったため、抽選で市内の団体職員、吉田史彰さん(45)を命名者に選んだ。選考委員会は「聞き取りやすさと分かりやすさ。函館のイメージをとらえており、歴史も感じさせる」と決定理由を挙げた。吉田さんは「通りには高田屋嘉兵衛、北洋漁業など開港に関連した歴史がある。観光客や市民に親しまれる通りとなることを期待している」と喜びのコメントを寄せた。

 6月までに命名式を行う予定という。(松宮一郎)



◎好天GW 人出も満開

 函館・道南の今年のゴールデンウイーク(GW)は、サクラ満開の時期とも重なり多くの観光施設で客足が順調に伸びた。特に、まとまった休みとなった3〜6日は各所とも観光客で混み合った。

 函館地方気象台によると、4月後半は晴れた日が多く、GW後半の3〜6日はぐずついた日もあったが、降水量が少なく、気温が高めに推移した。4日には、函館で最大瞬間風速18・8メートルを記録し「雨が降って風も強かったので、サクラが早く散った」としている。

 ■五稜郭公園8万人増

 五稜郭公園管理事務所によると、同公園の来場者数(4月29日〜5月6日)は前年同期より約8万人多い14万7825人。管理事務所は「天候が良く、暖かかった。サクラの満開時期と重なったほか、五稜郭築造150年のイベントもあったことが要因」という。

 第67回松前さくらまつり開催中の松前公園では、4月26日〜5月6日の11日間で、来場者数は同2万6400人増の約11万4100人。「昨年は雨の日が多く、サクラの開花も遅かった。今年は天気が良く、開花が早くて見ごろだった」と松前観光協会。

 ■五稜郭タワー8.7%増

 主要観光施設の観光客の入り込みは「飛び石」だった前半は例年並みだったが、1日に五稜郭公園のサクラが開花、花見が重なったこともあり、3日からの後半に集中した。

 五稜郭タワーのGW期間中(4月26日〜5月6日)の利用者は前年同期比8・7%増の5万4021人。4日には1日の利用者が5年ぶりに1万人を超えた。同社は「満開のサクラ、好天、五稜郭築造150年祭のイベントで利用者が増えた」と分析。函館山ロープウェイは個人客の割合が増加。前年比ほぼ横ばいの7万555人だった。

 金森赤レンガ倉庫を運営する金森商船によると、客足は4、5日がピーク。周辺に駐車場が増えたにもかかわらず、車の長い列ができた。消費動向については「増税の影響を懸念したが、感じられなかった」。

 函館朝市は「朝市ひろば」(旧渡島ドーム)のオープン効果がみられた。朝市ひろばやどんぶり横丁などでは買い物客があふれる盛況ぶり。函館朝市協同組合連合会は「前半は例年並みだったが、後半は一転数年ぶりの混み具合。昨年と違い、サクラの開花が重なったことが要因。夏場も期待したい」。

 ■森で最長9キロ渋滞

 道警函館方面本部によると、国道5号の渋滞ピークは函館に向かう森町赤井川―同町姫川間で、3日午後3時5分ごろ〜同6時15分ごろの9キロが最長。前年同期より約2キロ長く、平日の約2倍に相当する約1万5000台が走行したという。道央道では同日、大沼公園IC(インターチェンジ)出口から函館方向に2〜3キロの渋滞が起きた。

 札幌に向かうピークは5日で、正午から午後1時50分ごろと、同4時半から同5時5分ごろの2回で4キロの渋滞が発生。交通課は「交通量は多かったが、管内は幸い重大事故がなかった」としている。(山崎大和、斎藤彩伽、松宮一郎、小林省悟)



◎豪華客船 今月は3隻

 豪華客船の入港が好調な函館港に5月は3隻が寄港する。12日には「セレブリティ・ミレニアム」(マルタ、9万963トン)が初寄港。13日は函館でもおなじみの「ぱしふぃっくびいなす」(2万6594トン)、21日には小型客船「カレドニアン」(バハマ、4200トン)が寄港する。

 「セレブリティ・ミレニアム」は米国の客船会社セレブリティ・クルーズが運航。全長294メートル、全幅32・2メートルで、乗客・乗員の定員は3000人超。6月に11万トン級の客船寄港が予定されているが、同船の入港時点では、函館港に寄港した最大の客船となる。

 極東・大西洋横断クルーズの途中で、横浜を10日に出港し、室蘭、ロシア・ペトロパブロフスクなどを経て、カナダのバンクーバーに向かう。12日午前9時に港町埠頭に入り、午後7時出港を予定する。

 翌13日午前9時から午後7時までは西ふ頭に日本クルーズ客船(大阪)の「ぱしふぃっくびいなす」が停泊。昨年5月にも寄港した「カレドニアン・スカイ」はイギリスのノーブル・カレドニア社が運航する客船で、小型の特性を生かして、さまざまな港に寄港できるのが特徴。21日午前6時から正午まで西ふ頭に滞在する。(今井正一)


◎夫婦愛 高校生が朗読/手紙コンクール発表会

 【松前】夫婦の手紙第7回全国コンクール(実行委主催)の公開発表会が6日、松前公園の夫婦(めおと)桜前の特設広場で開かれた。美しく咲く桜の下、松前高校の生徒3人が入賞作品を朗読。夫婦のさまざまな思いがつづられた手紙が読み上げられた。

 ソメイヨシノと南殿が接ぎ木によって一つの根で結ばれたのが「夫婦桜」と名付けられた由来。今年は47都道府県と海外6カ国から合わせて690通の応募があり、町民約100人が審査して選んだ。

 作品を朗読したのは同校3年の伊藤優生君と鍋谷双葉さん、同2年の秋本望さんの3人。夫婦が築いた絆や思い出が込められた手紙を、感情を込めながら読み上げた。会場に集まった約100人の観客は、愛情あふれた言葉に聞き入った。

 最優秀賞に選ばれたのは宮城県気仙沼市、感王寺美智子さん(53)の作品。乳がんや肝炎などの病気を抱えて心が折れそうになったとき、自分とともに生きることを選んでくれた夫に宛てたもので、感謝の気持ちを伝え、力強く生きていく決意を込めた手紙。

 朗読の大役を果たした鍋谷さんの父、悟さん(51)は「とても感動した。日ごろ感謝の気持ちを持っていても、実際に思いを伝えるのは難しい。それでも改めて気持ちを伝えることの大切さを実感した」と話していた。(野口賢清)