2014年6月1日 (日) 掲載

◎スルメイカ漁 きょう解禁 小売店も豊漁期待

 1日に始まる今季の道南スルメイカ漁について、函館・道南の小売店から豊漁を願う切実な声が相次いでいる。冬から春にかけて主役のヤリイカ漁が不振だったからだ。イカ漁の大黒柱となるスルメイカの良好な水揚げを待ち望んでいる。

 「ヤリイカが例年より少なかったので、スルメイカは豊漁であってほしい」。はこだて自由市場のイカ専門店「富田鮮魚店」(富田貞雄社長)は祈るような気持ちだ。5月31日までヤリイカを販売し、初水揚げの2日からスルメイカが店頭に並ぶ予定。ヤリイカは高値が続き売れ行きは鈍かったという。「イカが捕れないと生活ができない」と打ち明け、スルメイカ漁に期待を掛ける。

 中島廉売の紺地鮮魚の紺地慶一社長(52)も「スルメイカは夏の商材として欠かせず、店頭が活気づく」という。ただ、日本海側ではスルメイカの北上の遅れが指摘されており、心配が尽きない。

 函館朝市「えきに市場」の名物「元祖 活いか釣堀(つりぼり)」はヤリイカ漁の不振で一時、代役として噴火湾産ボタンエビを入れた。その後ヤリイカに戻ったが、異例の対応を取らざるを得なかった。2日からはスルメイカが水槽内を泳ぐ見通しで、釣り堀で働く小野寺透さん(52)は「名物なので、たくさん捕れてほしい。濃厚なイカゴロ(イカ内臓)を目当てに来るお客も多い」と話す。スルメイカが始まると、1日200人、ピーク時には同300人の客でにぎわう。

 市農林水産部によると、市水産物地方卸売市場でのヤリイカの取扱量(1月〜5月20日現在)は前年比43%減の76・8トン。1キロ当たりの平均価格は同160円高い1082円。今年は低水温の影響で松前沖などで不漁だった。(山崎大和)



◎食の大切さ実感 親子ら救援米作付け

 【北斗】連合渡島地域協議会(荒木敏安会長)、「食・みどり・水を守る労農市民会議」(長谷川義樹議長)は5月31日、食糧難に苦しむ海外の人たちに送るアジア・アフリカ救援米の作付けを市内東前の水田で行った。親子連れら約60人が参加し、苗を丁寧に水田に植えた。

 毎年、地元農家の山本隆治さんから水田25アールを借りて、「ななつぼし」を作付け。例年1000〜1300キロの収穫がある。長谷川議長は「世界では毎日4万人が飢えでなくなっている一方で、日本では食糧を輸入に頼りながら多くの食べ物を捨てている。飢餓の問題は私たちの食生活とは無関係ではない」と話した。

 参加者は山本さんから田植えの手順の説明を受けて、はだしになって水田の中へ。子どもたちはカエルや水生昆虫に歓声を上げながら、苗を植えた。参加した上磯小学校5年の福村真人君(10)は「田植えをするのは初めて。田んぼの中はぬるっとしているけれど気持ちがいい。秋の収穫が楽しみ」と話した。父親の浩幸さん(41)は「普段食べているお米がどのような苦労があってできるのかを知ってもらいたいと参加した。食について少しでも大切に思ってもらえたら」と話していた。(今井正一)



◎食や文化…桧山の魅力PR

 桧山振興局は5月31日、管内7町の見どころを紹介する観光プロモーションを五稜郭タワーアトリウムで開いた。第41回江差追分全国大会(2003年)優勝の寺島絵里佳さんによる民謡や、奥尻のワインや江差のにしんそばなど特産品が当たるビンゴ大会などで、市民や観光客に桧山の魅力をPRした。

 民謡ステージでは寺島絵里佳さんと妹の絵美さんらが鮮やかな着物姿で登場。「北海盆唄」「道南口説」など、道南ゆかりの歌を中心に披露。絵里佳さんは江差追分を前唄から歌い上げた。

 続いてのPRステージでは、江差、上ノ国、乙部の職員やキャラクターたちが各町の見どころを紹介。6月以降に行われる、夷王山(いおうざん)まつり(上ノ国、6月14、15日)、かもめ島祭り(江差、7月5、6日)、元和台マリンフェスティバル(乙部、同27日)、姥神(うばがみ)大神宮渡御祭(江差、8月9〜11日)といったイベントへの来場を呼び掛けた。

 桧山振興局商工労働観光課の松本高幸観光振興係長は「函館からも近く、桧山にしかない魅力を知ってもらいたい」と話していた。イベントは1日も午後1時から民謡ステージ、同2時からビンゴ大会などを実施する。入場無料。(今井正一)


◎大沼に初夏の香り フジ棚見ごろ

 【七飯】七飯町の大沼国定公園では、自然公園財団(東京)が運営する駐車場付近の休憩所に咲くフジ棚の花が見ごろを迎え、紫や白に染まった花が来園者の目を楽しませている。

 1911年8月、大正天皇が皇太子時代に行啓された記念として植栽された。以来、多くの来園者に愛され続けている。

 頭上を花のカーテンが覆い、その下にできた木陰で涼を取るのに最適。来園者は体を休めながら、写真を撮ったりして初夏の香りを満喫していた。(野口賢清)