2014年6月11日 (水) 掲載

◎「柏木ゆの」新制服で登場…市電1日乗車券

 函館市企業局交通部は10日、「路面電車の日」(6月10日)を記念した市電1日乗車券を発売した。箱館ハイカラ號の車掌が昨年度から着用している新制服姿にリニューアルした女性キャラクター「柏木ゆの」のイラストを採用した。

 路面電車の日は「6」(ろ=路面)「10」(テン=電車)の語呂合わせで制定された記念日。「柏木」は玩具メーカー「トミーテック」の人気シリーズ「鉄道むすめ」の一人で、函館市電関連では運転士の「松風かれん」がいる。路面電車の日の記念乗車券は2009年から毎年販売し、「柏木」の登場は同年以来で、「松風」も過去2回、採用している。

 新制服姿のイラストは今年4月に発売した模型雑誌で初公開され、交通部のグッズなどに使用するのは今回が初めて。イラストのネームプレートには実際の車掌が着用している「らっくる号」と「函館ロゴマーク」の缶バッジが描かれるなど細部も再現。「よりかわいらしくなり、部内でも好評」(事業課)という。

 乗車券の表面には、ハイカラ號の車体側面を背景に市内を走行する写真をあしらい、裏面には柏木ゆののプロフィルを乗せた。同課は「毎年夏ごろまでに完売する。全国の鉄道むすめファンにも購入してもらいたい」と話している。

 大人券(600円)のみ、1000枚限定。駒場乗車券販売所とインターネット(市のホームページ)で販売。問い合わせは同販売所(TEL0138・51・5171)へ。(今井正一)



◎運休中の「北斗」試運転

 JR北海道は10日、8月1日に運行再開予定の特急「北斗」などで使用する車両の試運転を開始した。

 同社は今月6日、2012年9月〜13年7月に千歳線や函館線で起きた出火・発煙の原因について、ディーゼルエンジンに送る燃料を調整する部品「スライジングブロック」に過度な負担がかかり、破損したことなどが原因と発表。部品の負荷軽減や多重防護対策を講じた。

 この日の試運転は、事故車両と同型エンジンを搭載する36両のうち、改良した5両を組み込んで実施。JR札幌駅で車両を報道陣に公開し、午前11時29分に出発。最高速度120キロで運転し、午後4時52分に函館駅に到着した。同社では試運転で動作状況を検査、安全性を再確認する。(山崎純一)



◎観光の経済波及効果1554億円…函館市と観光協調査

 函館市と函館国際観光コンベンション協会は、2013年度の観光アンケート調査結果をまとめた。観光客1人当たりの消費額は宿泊客が2万9585円、日帰り客が8025円。観光入り込み客数(推計値)の481万9000人を掛けあわせた観光消費額は1043億円、観光全体の経済波及効果は1554億円となった。

 調査は昨年4月から今年3月まで、市内主要観光ポイントでの対面聞き取りなどで実施し、1544人から回答を得た。このうち1497人が宿泊客だった。

 前年度と比べて1人当たりの消費額は宿泊客がほぼ同額、日帰り客は約1300円ほど減少。パック旅行商品を利用した人のパック料金以外の消費額は1万6419円だった。宿泊客の土産購入費は9771円、飲食費は6246円で、日帰り客と比べるとともに2倍以上の消費があり、滞在日数を伸ばすことが経済効果を高めることに直結する結果となった。

 全体の観光消費額は観光客数が約32万人増加したことに伴い、前年度比18億円増となった。経済波及効果は市独自の産業連関表を用いて算定した生産誘発倍率1・49倍を掛けたもので、同24億円の増加だった。

 来函者の居住地別では、道内が19%、東北18%、関東35%など。家族旅行で訪れた人が半数以上で、20歳代のみ友人らと訪れる割合が7割超となった。来函回数は初めてが38%で、3回以上訪れた人も34%いた。地域別にみると、道内、東北居住者は86%以上がリピーターで関東でも55%と再訪率は高かった。

 旅の行き先は道内周遊44%、函館のみ49%で、函館を選んだ理由は夜景、歴史的建造物、グルメと続き、函館観光の三大要素が占めた。目的とする観光ポイント上位はウオーターフロント(ベイエリア地区)、元町周辺、函館山、五稜郭となった。市内の移動手段は路面電車が最も高く、観光バス、徒歩が上位を占め、主要観光スポットが集積した函館の特性が移動手段からもうかがえるほか、路線バスも13%が利用した。


◎新島襄 脱国から150年…14日に碑前祭

 新島襄(1843〜1890年)が、1864(元治元)年に函館から国禁をやぶり米国に向けて渡航してから今年で150年。今年も14日に、海外渡航の地碑(大町11)で碑前祭(学校法人同志社主催)が開かれる。記念事業として全国からツアーを組んで来函するため、参加者は過去最大の100人超となる見込みだ。

 「新島の足跡をたどる」碑前祭ツアーと銘打ち、九州や関西、関東など全国から卒業生が集まる。同志社から大谷實総長、水谷誠理事長、村田晃嗣大学長ら過去に例を見ないような多くの幹部が来函。市からは片岡格副市長が参加予定。

 式典後、カフェペルラ(元町18)に移動し、村田学長と同志社社史資料センターの小枝弘和調査員が記念講演する。一般の人も参加でき、希望者は直接会場へ。夜には函館山山頂で交流レセプションも。

 一行は15日、寄港の地の青森県風間浦村を訪れる。 碑前祭は、原点の地函館で新島の志をあらためて心に刻むイベント。新島は同年6月14日(新暦7月17日)深夜、福士卯之吉の助力で記念碑のある地から小舟で沖に出て、米国商船ベルリン号へ乗り込んだとされる。(山崎大和)