2014年6月15日 (日) 掲載

◎JR 一部で運転再開

 JR北海道は14日、胆振管内の大雨の影響などで12日から運休していた函館―札幌間の特急を、午後3時台のスーパー北斗から2日半ぶりに一部運転再開した。乗客からは「無事に動いてよかった」と安堵の声が上がった。15日から平常運行に戻る予定。

 道内の天候が回復したことから、同社は午後3時13分函館発札幌行きスーパー北斗11号から、室蘭線経由の特急列車の運行を再開。

 同便に乗車した札幌在住の柿澤幸雄さん(57)は「明日から仕事があるので無事に帰れそうでよかった。天気の影響による運休は仕方ないと思うが、運転を再開するならもっと早く知らせてほしかった」、東京から帯広へ向かう途中の70代の夫婦は「今朝東京から函館に来て運休を知り、驚いた。3時間待ったが、無事に乗れてよかった」と話していた。このほか、14日は函館―札幌間の特急3便を運行した。

 同社は13日に、14日の特急終日運休を発表し、社員が窓口を訪れる利用者に説明。観光で函館を訪れた愛知県在住の鈴木克也さん(70)と妻の和江さん(67)は「団体ツアーの途中で札幌と宗谷に行く予定だったが、このまま関西、九州の方に行くことになった。宗谷岬に行けなくなったのが残念」と話した。14日は、小樽回りで函館―札幌間の臨時列車1往復2便運行したが、札幌間の特急12本が運休となった。

 道内全体では特急・急行23本を含む97本が運休、1万2700人に影響が出た。(平尾美陽子、能代俊貴)



◎奥尻ムーンライトマラソンに500人

 【奥尻】夕暮れから夜が舞台の「第1回奥尻ムーンライトマラソン」(実行委主催)が14日、島内東側の海岸線で行われた。全国から集まった約500人が、奥尻ならではの美しい景色の中で快走した。

 開会式で航空自衛隊の松岡克治さん(38)が「この島のすべてに感謝し、最後まで楽しく走ることを誓います」と選手宣誓した。選手は島内中央から北部を経由して南下する形で青苗地区のゴールを目指した。

 早朝から小雨模様で、月明かりを見ることはできなかったが、沖合のイカ釣り漁船の集魚灯が夜空を照らし、初夏の風情を演出。沿道では町民が小旗などを振って声援。給水所でもスタッフが丁寧に対応し、大会を支えた。

 道南初開催のフルは男子181人中156人、女子64人中61人が完走。ハーフは男子150人中140人、女子112人中106人がゴールした。フルの男子1位は札幌市の会社員京谷和央さん(49)=2時間39分45秒。女子1位は神奈川県の松谷恵美さん(48)=3時間11分38秒。ハーフの男子1位は札幌市の石井憲さん(42)=1時間17分37秒、女子1位は札幌市の佐藤朋子さん(46)=1時間40分10秒。(田中陽介、野口賢清)



◎JRA函館競馬開幕

 日本中央競馬会(JRA)の北海道シリーズ「函館競馬」が14日、函館市駒場町の函館競馬場で始まった。7月20日までの毎週土、日の計12日間、2歳の新馬戦など計144レースを行う。

 この日の函館の最高気温は5月下旬並みの17・6度と肌寒く、時折雨が降るあいにくの天気となったが、レースが始まるとスタンドのゴール前にはファンが並び、ターフやダートコースで繰り広げられるデッドヒートに声援を送った。

 函館市中道の会社員、斎藤浩二さん(33)は「やっぱり生のレースは見て面白い。毎週来たい」、千葉県八千代市から訪れた主婦、森崎梨麻(りお)さん(38)は「函館競馬は4年ぶり。予想以上に寒いが函館グルメと一緒に楽しみたい」と話していた。(山崎純一)


◎新島襄が密出国150年、同志社が碑前祭

 新島襄(1843〜1890年)が、函館から米国へ密出国して150年の節目を記念し、学校法人同志社(京都)は14日、函館市大町の「海外渡航の地」碑前で碑前祭を開いた。原点の地に全国から卒業生ら130人が集まり、新島の志を胸に刻み、継承への決意を新たにした。

 大谷實総長が「新島の志を継承、進化させるためにこん身の努力を続ける」とあいさつ。来賓の片岡格副市長も「さらに同志社との交流が深まってほしい」と期待を込めた。大谷総長、同志社の水谷誠理事長、片岡副市長が碑に献花し功績をたたえた。

 その後、FMいるか2階のカフェ・ペルラに移動し、講演会を開催。村田晃嗣同志社大学長が「新島の志と同志社の今後」と題し、少子化や猛烈なグローバル競争に直面する大学の生き残り策について話した。村田学長は同志社のアイデンティティーとして京都に位置し、創立者の教育理念が明確であり、キリスト教を基盤にしている点を挙げ「オール同志社で21世紀に生き残るグローバル化教育を進めていきたい」と強調した。

 交流レセプションは函館山ロープウェイ山頂レストランで開き、同志社側から函館市に、新島が函館港から出国した米船ベルリン号の模型が贈られた。

 函館市が誘致を目指す医学部(医科大学)設置について、大谷総長は函館新聞の取材に「チャンスがあれば、いつでもやりたいという気持ちに変わりはない」と強調。ただ、東北での設置申請を見送ったことを踏まえ、「当分の間は(国の認可が)見込めないだろう。学内の医学教育を展望する部会で情報収集を進めていく」と述べるにとどめた。(山崎大和)