2014年6月16日 (月) 掲載

◎節目祝う「150」…五稜郭築造記念

 特別史跡「五稜郭」の築造150年を祝う記念イベントが15日、五稜郭公園と五稜郭タワーで開かれた。市民や観光客が伝統芸能ステージやコスプレフェスなどの催しを満喫。約1500人で挑んだ人の鎖のギネス記録も塗り替え、節目に花を添えた。参加者は人文字でくっきりと「150」の文字を浮かび上がらせ、感動を分かち合った。

 実行委の主催。1864(元治元)年6月15日、五稜郭内に箱館奉行所が完成し、事務の取り扱いを開始したことにちなんでいる。

 タワーアトリウムで開かれた記念式典で開幕。小笠原勇人実行委会長があいさつで「イベントを契機に市民や観光客にもっと愛される五稜郭にしていきたい」と述べた。

 伝統芸能ステージでは松前神楽などを披露し、観光客らに地域の文化を紹介した。コスプレフェスには地元や東京などからコスプレファンが集結。自慢の衣装で公園内をかっ歩し、注目を集めた。グルメイベントもあり、ブースの前に長い列ができた。

 大阪市から訪れた浦出節子さん(59)は「歴史的な日に来ることができてよかった。函館、五稜郭を楽しめた」と満足そうに話した。(松宮一郎)



◎朝市で「大間原発反対」…バイバイウォーク

 大間原発(青森県大間町)建設に反対する函館の市民団体「バイバイ大間原発はこだてウォーク」は15日、市役所前での集会と若松町周辺でウオークを行った。

 市が東京地裁に起こした建設差し止め訴訟の第1回口頭弁論(7月3日)で法廷に立つ工藤寿樹市長を応援しようと約150人が参加し、デモ行進した。

 集会では「大間原発訴訟の会」(竹田とし子代表)弁護団代表の森越清彦弁護士が、5月に大飯原発運転差し止めを命じた福井地裁の判決を説明。「素晴らしい判決。東京地裁が大飯原発の趣旨に乗っ取った判決を出してくれるように、函館市を応援したい」と呼び掛けた。

 デモ行進ではJR函館駅前や朝市前を歩き、「工藤市長頑張れー」「子どもたちに綺麗な海を残そう」などと声を張り上げ、市民に訴えた。行進後は訴訟費用寄付金として「イカイカ募金」を募ったほか、「ゴーゴー市長!応援メッセージカード」を参加者に配った。

 実行委メンバーのピーター・ハウレットさん(59)は「市の訴訟を応援したい気持ちが参加した人数にも表れている。朝市でも多くの人たちが高い関心を持って聞いてくれていた」と話していた。(小林省悟)



◎運転手気分で「出発」…路面電車運転体験会

 函館市企業局交通部は15日、駒場車庫構内で、路面電車運転体験会を開いた。道内外から多くのファンが訪れ、実際に電車を走行させて興奮の様子だった。

 「路面電車の日(6月10日)」の記念事業の一環として2007年から毎年行われている。参加者は、映像や資料を見ながら運転操作、機器取り扱い、歴史などを学んだ後、乗務員養成所運転実習室に移動し、模擬運転台で操作教習を受けた。

 一通りの講習を終えた参加者は早速、指導運転士に見守られながら運転を開始。車庫構内の100b区間の走行を、目を輝かせながら楽しんだ。

 体験会のために札幌市から駆け付けた公務員笹島健二さん(42)は「今回で10回目の参加だが、スムーズに減速させるのが難しかった」と話していた。

 廣瀬弘司施設課長は「路面電車の特徴を知り、さらに親しみを持ってくれればうれしい」と語った。


◎映画も音楽も垣根越えて…七飯でユニバーサル祭

 【七飯】第9回ユニバーサル上映映画祭の七飯上映会が15日、町文化センターで開かれた。音声ガイドや要約筆記を施したユニバーサル仕様の会場で、来場者が映画や音楽を存分に楽しんだ。

 実行委(島信一朗代表)や町などが主催。

 今回の上映作品は、指揮者の小林研一郎さんと、障害を抱える演奏家たちとのオーケストラコンサートの過程を追ったドキュメンタリー作品「天心の譜(しらべ」を午前、午後の計2回上映。視覚・聴覚障害者も楽しめるよう、日本語字幕や音声ガイド、ミュージックサイン、手話通訳、要約筆記などが付いた。

 上映後は七飯高校吹奏楽局、町内の就労支援センターメンバーでつくる音楽グループ「ToMoブレンド」とミュージックサインわたげによる地域交流演奏会を開催。函館白百合中高吹奏楽局も応援出演し、映画「アナと雪の女王」の挿入歌「Let It Go」や、「世界に一つだけの花」などを演奏した。観客も手拍子で後押しし、一体感あふれるステージを繰り広げていた。(千葉卓陽)