2014年6月17日 (火) 掲載

◎北大水産学部練習船「おしょろ丸」最終出港

 北大水産学部附属練習船「おしょろ丸」W世(1396d)が16日、役目を終え、函館港中央埠頭(ふとう)から最終出港した。北大生らが31年にわたり教育・研究を支えたW世に感謝し、別れを告げた。X世は7月28日に竣工(しゅんこう)予定。

 吹奏楽サークルほくすいブラスの演奏、応援団のエールに続き出港式を行った。安井肇学部長が「海での最高の学習・研究の場を提供してくれた。W世の姿はわれわれの心にずっと残っています」とあいさつ。高木省吾船長に花束を贈り、船員の労をねぎらった。高木船長は「30年と6カ月、函館の港で育てていただきありがとうございました」と謝辞を述べた。

 色とりどりの紙テープが舞う中、午後4時すぎ、三井造船玉野事業所(岡山県)に向けて出港。1983年の竣工から今回で271回目の航海となった。

 元函館キャンパス事務長の藤井照雄さん(83)=札幌在住=は「W世が出来たとき、玉野で進水式を盛大に開いたのが思い出。誕生に立ち会ったので、なくなるのは寂しい。長年教育の現場で活躍してもらい、感謝したい」と話した。

 X世は総トン数が1600dで、全長が約78b、幅が約13b、定員は99人(うち学生60人)。船の揺れを和らげる「フィンスタビライザー」で荒天時でも海洋観測を継続できる。7月22日に函館港に入港、8月1日に竣工披露式・祝賀会を開く。同2日には一般公開も予定している。(山崎大和)



◎ホッキ突き漁が解禁

 【北斗】上磯郡漁協上磯支所のホッキ突き漁が16日から北斗市内の沿岸部で始まった。

 ホッキ漁は産卵期の4、5月を禁漁期間と定め、その年の抱卵状況を見て漁の開始時期を決めている。漁場は市内七重浜から富川まで約12`で、上磯郡漁協上磯支所所属の漁師が伝統的な漁法「突き漁」で、ホッキを獲(と)っている。資源保護のために出漁時間は午前中の2〜3時間としている。

 16日は27隻が出漁。小型の磯舟に乗った漁師が、約5bの矛(ほこ)の先に専用の漁具「ヤス」を海底に入れ、貝を一つ一つ採取した。改行 同支所によると、初日は例年よりもやや少なめの約700`を水揚げした。17日以降、市内や函館のスーパーや鮮魚店で販売される。漁期は来年3月末までで、今年は昨年(54d)以上の水揚げを目指す。(鈴木 潤)



◎海産物を鮮度保ち海外へ、地元企業などが事業展開

 函館で水揚げされた新鮮な海産物を、鮮度を保ったまま東南アジアに輸出するため、市内の地元企業や研究機関など5団体がコンソーシアム(=連合体)をつくった。タイの富裕層をターゲットとした事業で、経済産業省から補助金採択を受け、3年間かけて鮮度維持技術の確立に向けた実証に取り組む。

 道南の農水産物の流通を手掛ける道食品開発流通地興(谷沢広代表理事)や、市内の海産物販売業サンフーズ(小林真実社長)などは昨年9月から、タイ・バンコクで運営する道南産品のアンテナショップ向けに海産物などの航空輸送を手掛けている。

 その中で、朝水揚げされた新鮮な海産物を翌日に海外に届けられる強みを生かそうと、同省が展開する本年度の「グローバル農商工連携推進事業」に2者で応募。このほど採択され、7200万円の補助を受けることが決まった。

 具体的には国際衛生基準を満たす工場整備や、シャーベット状アイスを使った水産物の鮮度維持技術の確立、高温多湿なバンコクで鮮度を維持した状態での配送などに取り組む。このほかに輸送コストの低減や、道産水産物のブランド化を実証課題に挙げた。

 「グローバル—」はコンソーシアム方式の取り組みに対して支援するため、2者のほか魚長食品、道立工業技術センターと、産業用冷凍機製造などの前川製作所(東京)がコンソーシアムに加わり、それぞれの分野で技術やノウハウを提供する。北洋銀行なども協力する。

 これを受け、サンフーズは国際衛生基準を満たす新工場を8月にも市内亀田町に建設し、来年1月中の完成を目指す。総事業費は約2億5000万円規模といい、2016年度の函館からの出荷額として約1億5000万円を見込んだ。

 谷沢代表は「函館の人口減や高齢化が進む中で、産地市場の特性を知ってもらいたい。鮮度を維持する技術を全国に波及させ、海外輸出の筋道が立てられるよう取り組んでいきたい」と話している。(千葉卓陽)


◎J1川崎、合宿で七飯入り

 【七飯】J1川崎フロンターレが16日、合宿のため七飯町入りした。宿泊先のホテルでは約20人の関係者が出迎え、歓迎式典を開いた。

 チームは21日まで東大沼多目的グラウンド「トルナーレ」(町東大沼)で合宿を行う。町とは2005年から合宿を通じて交流が続いていた。11年の東日本大震災をきっかけに、一時合宿が途絶えていたが、昨年から交流が再開。町の積極的な働きかけもあり、今年も訪れることが決まった。

 今回の合宿では風間八宏監督以下、中村憲剛選手や稲本潤一選手など選手やスタッフ約50人が来町。中宮安一町長は「七飯町民を代表して心から歓迎します」とあいさつした。町から風間監督と中村選手に花束が贈られると出席者からは大きな拍手が起こった。

 風間監督は歓迎に応え「昨シーズンもここでトレーニングして、力をいただきました。今シーズンもここで自分たちを鍛え直して後半戦に望みたいと思います」と述べた。(野口賢清)