2014年6月3日 (火) 掲載

◎駒ケ岳登山解禁 眼下の景色満喫

 【森】駒ケ岳(1131b)の登山が1日、解禁された。今年も赤井川登山道から入山し、標高900bの「馬の背」まで登ることができる。この日は晴天に恵まれ、大勢の登山客が訪れた。登山期間は10月31日まで。

 解禁されるのは今年で5年連続。火山活動の活発化に伴い1998年から規制されていたが、徐々に静穏な状態となり、2010年に規制を緩和した。火山口付近は現在も立ち入り禁止となっている。

 眺望を楽しもうと、朝早くから6合目の駐車場に続々と登山客が集まった。馬の背までは約1時間で、思い思いのペースで歩きながら、眼下の景色を満喫した。

 毎年訪れているという江差町の今村春民さん(79)と展子さん(73)の夫婦は「駒ケ岳は眺望が魅力。昨年は10回以上来たので、今年もそれぐらい登りたい」と話し、馬の背までの道をゆっくりと歩いた。

 登山は午前9時から。午後3時までに6合目駐車場に下山する。(松宮一郎)



◎不安の中 スルメイカ初出漁

 道南スルメイカ漁が1日に解禁となり、函館市漁協の函館小型いか釣漁業部会(佐藤豊次部会長)が函館漁港から今季最初のイカ釣り漁に出漁した。燃油高に加え、群れの北上遅れが指摘されており、出漁を見合わせた船も多かった。

 同漁協の組合員が購入するA重油価格は同日現在、前月から据え置いて1g当たり98・2円(税別)。前年同期より7・7円高い。

 漁業者は片道5〜6時間かけて松前沖に向かい、夜間に漁を行う。2日午前5時半から「いけすイカ」の初競り予定だが、初日の水揚げ量は厳しそうだ。

 青森県産業技術センター水産総合研究所(平内町)は、同県日本海での漁獲状況について「水温が低くて群れが来ておらず、まだ漁獲が本格化していない」と説明。ようやく青森沖でも、イカが来遊する15度の水温帯になりつつあるという。

 道総研函館水試(金森浩一場長)も、調査に基づき序盤の漁獲は低水準になると予想している。

 イカ漁師の田原正明さん(54)は「漁模様のいい情報が入ってこないので、不安が大きい。燃油高もあり、例年以上に厳しい年だと思う」と話した。(山崎大和)



◎ふるさと納税 過去最高1497万円

 昨年度、函館市に寄せられた「ふるさと納税制度」の寄付金は151件、1497万6000円だった。制度が始まった2008年度以来件数、金額とも過去最高となり、初めて1000万円を突破した。一人で700万円を寄せるなど、大口の寄付者が例年より多く、景気回復などを背景に寄付者が増えたとみられる。

 ふるさと納税は地方税法改正に伴い、08年度から実施。好きな自治体に2000円以上を寄付すると、現在住んでいる市町村の住民税、所得税から寄付額が控除される。これまでの最高額は12年度の529万円だった。

 昨年度は100万円以上の大口寄付者が4件あり、いずれも東京在住者。700万円はIT企業経営者が寄せた。

 市全体を応援する目的で寄せられたのが972万円。活用方法を指定した中では、福祉の推進に264万円寄付され、2015年度の子ども・子育て支援法施行に合わせた事業計画や、子育てに関する情報を一元管理する「すくすく手帳」の発行経費に充てた。

 観光や商工業の振興目的にも149万円寄せられ、元気いっぱい商店街支援事業に活用。人材育成や生涯学習の推進には56万円が寄付され、児童が放課後、自主的に勉強できる「アフタースクール」の開設経費に充当している。

 市は寄付者に対してお礼文を送り、寄付の継続を呼びかけるとともに記念品を贈呈。12年度からは寄付金額に応じて函館産の海の幸をプレゼントしており、中でも100万円以上の寄付者には1万円相当の海産物を贈っている。

 PRリーフレットは市内観光スポットのほか、高校の同窓会組織や東京都内のコンビニに開設しているアンテナショップなどで配布しており、市財務部は「今後も地道な活動を継続していきたい」(管理課)としている。 (千葉卓陽)


◎メタボ健診受診を 40歳にオプション無料券配布

 函館市の特定健康診査(メタボ健診)が2日から始まるにあたり、市は本年度に40歳を迎えた対象者約720人に、オプション検査が無料となるクーポン券を配布している。受診率アップに向けた新たな取り組みで、市市民部は「若い世代に受けてもらい、生活習慣病予防につなげてほしい」と呼び掛けている。

 40歳向けのクーポン券は通常の血液検査や尿検査のほかに、オプションとなっている胃がんリスク検査、心機能検査と糖尿病性腎症検査(尿中アルブミン)の3種類が無料で受けられる。通常だと3種類合計で6500円かかるが、市が全額を負担する。

 市国保年金課によると、昨年度の特定健診受診率は前年度比1・2%減の26・5%で、目標の30%に届かなかった。特に働き盛りの40代の受診率が低調なため、クーポン券で掘り起こしを図る。市国保年金課は「生活習慣病は自覚症状がないまま進行することが多く、放っておけば大病につながる恐れもある。日ごろ病院にかかっていない人も、この機会に受けてほしい」としている。

 特定健診は糖尿病、高血圧症など生活習慣病予防を目的に、メタボリックシンドロームに着目して行っており、国民健康保険に加入する40〜74歳が対象。無料で受診でき、市は今月下旬に対象者5万4239人に受診券を送っている。日程をまとめた「けんしんカレンダー」も全戸配布している。問い合わせは同課(TEL0138・32・2215)へ。 (千葉卓陽)