2014年6月21日 (土) 掲載

◎薬膳味わい調理法学ぶ…函短大付設調理製菓専門学校

 函館短大付設調理製菓専門学校(野又淳司校長)は19日、函館国際ホテルで薬膳料理講習会を開いた。学生たちは薬膳フルコースを味わい、食材の選び方や調理方法などについて理解を深めた。

 同校の薬膳ゼミと参加を希望した学生の計23人が出席。フルコースは同校卒業生の木村史能総料理長が手がけており、体の内部の熱を冷ます清熱や水分を適切に保つ利水などの働きを考えた「夏」をテーマにした内容。学生たちは、フカヒレとガゴメコンブのキヌガサ茸入りスープ、鯛の七飯産王様シイタケソース掛けなど、地元産の食材をふんだんに使った薬膳料理8品に舌鼓を打った。

 木村総料理長は料理の作り方や工夫などを説明し「料理を食べて、しっかり学んでいってください」と学生たちを応援。調理師科の高野武志さん(20)は「薬膳というともっと薬のようなイメージがあったが、とても食べやすく、苦手な食材も気にせず食べられた」と話していた。(虎谷綾子)



◎一足先に「乾杯!」…ホテル函館山がビアガーデン営業開始

 ホテル函館山(元町19、鍵谷良一社長)の屋上ビアガーデンの今季営業が始まり、市民や観光客が一足先に夏の風物詩を満喫している。

 5階建てのホテル屋上に、約100席を設置。眼前に広がる夜景が魅力的で、花火大会の日は既に予約が入っているという。ボリューム満点のジンギスカンセットと自家製だれのうま味も人気。13日のオープン時には、延べ約140人が足を運んだ。

 20日夜に会社仲間17人で訪れた、会社役員の横田有一さんは「個人的にも毎年来ているが、みんなでにぎやかに交流するにも良い場所。今日は楽しくやります」と笑顔を見せた。

 8月末まで営業予定。平日は午後5時〜同10時、土・日曜、祝日は同3時〜同10時。ジンギスカンとビールなどの食べ飲み放題で1人3980円。問い合わせ・予約は同ホテル(TEL0138・23・7237)へ。(虎谷綾子)



◎高齢者交通助成券 利用率、前年下回る

 函館市は、70歳以上を対象とする高齢者交通料金助成事業の昨年度実績をまとめた。昨年度使われた助成券は24万7900枚、利用率58・4%で、前年度を7・6ポイント下回った。交付人数は3万5300人で前年度を1300人上回るとともに、1年間を通しての利用が平準化されつつあり、市保健福祉部は「制度が市民に浸透し、使い方が慣れてきている」とみている。

 助成券は2012年度に制度を変更、市電とバスの高齢者乗車カードを買う時に半額補助券として使うことができ、70歳以上の市民に年間1人12枚を交付。助成券1枚で1000円(利用額1080円)の乗車カードを半額の500円で買える仕組みだが、助成額を年間6000円に制限している。昨年度は市民からの要望を受けて5000円(同5800円)の高額カードを導入した。

 昨年度は対象者6万3500人のうち、55・7%にあたる3万5300人に助成券を交付。当初見込みを0・4ポイント上回った一方、利用率は当初見込みを8・6ポイント下回った。助成券を使いきった交付者は1万8100人と、全体のほぼ半数だった。

 同部によると、使用された乗車カードは約75%が1000円券だったといい、「5000円カードはお得感はあるが、使い切れるかなどの不安があるのかもしれない」と分析する。

 利用実績は4月の約6万5000枚をピークに、今年1月には約1万枚に減少したが、年度末の利用期限が迫ると3月に2万6000枚と回復。前年度は4月に約9万6000枚でスタートしており、同部は「初年度は物珍しさも手伝って最初に殺到したが、2年目は利用に慣れ、必要な時に買い、使うスタイルが定着してきている」とみる。

 本年度の助成費は1億3964万円を計上し、昨年度とほぼ同数の利用を見込んでいる。(千葉卓陽)


◎日銀 沼本支店長が着任会見

 日銀函館支店の沼本(ぬもと)奈美支店長(48)が20日、函館市東雲町の同支店で着任会見を行った。「北海道新幹線の開業で、新しい人の流れや新しい力が出てくるはず」と期待感を示し、「函館、道南地域の発展に役立っていきたい」と抱負を述べた。

 沼本氏は東京都出身。1989年に京都大法学部を卒業後、日銀に入行。金融研究所調査役や国際局企画役、ニューヨーク事務所勤務を経て、2010年に金融市場局市場調節課長。11年7月から政策委員会室経理課長を務めた。女性が支店長を務めるのは全国で2人目。

 函館の印象を「歴史と伝統が詰まったまちで、観光資源に恵まれている」とする一方、「駅の周辺などは人通りが少なく、地方都市が直面する人口減少などの課題が現れている」と語った。また、水産加工品やスイーツなどの食資源の可能性を指摘。「どう域外に売っていくか、視野を広げるべき」とした。

 会見には前支店長で金融機構局参事役に就く中川忍氏(48)も同席。「ようやく函館の地でも景気回復を徐々に実感できるようになった」と着任からの2年間を振り返った。また、「資源に恵まれた函館が活性化できなければどの地方都市も活性化はできない。ほかの地域の先導役になってもらいたい」と函館にエールを送った。(松宮一郎)